【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩

文字の大きさ
29 / 35

29

しおりを挟む
屋敷に着くとウィリアムがユウリを抱き上げてくれそのままベッドへと寝かせた。

起こそうかと考えたが、ユウリがあまりにも気持ちよさそうに寝ているので起こさずこのまま寝かせてあげることにした。

外で食事も済ませたので私も湯浴みを終えて今日は休むことにした。

ウィリアムは少し仕事が残っているようで帰った後、自室にこもってしまう。

馬車でのやり取りもあったので、今顔を合わせたら恥ずかしかったのでありがたい。

私はユウリの隣に横になると目を閉じた。

しかしドキドキしてなかなか寝付けない。目を閉じていればそのうち眠くなるだろうとジッとしているとウィリアムが部屋に入ってきた。

そしてベッドに近づいてくる気配がする。

目を開ければ良かったが、私はそのまま寝たフリをした。

「ふふ」

ウィリアムは私達の寝顔をみて笑っている。そして手を伸ばす気配にユウリの頭を撫でたようだ。

そしてその手は私の方にも向かってくる。

ユウリと同じように髪を撫でられた。
宝物のように大切に扱われているようで気持ちがいい。

そしてその手は頬を通り唇へと向かってきた。
ウィリアムの長い指が私の唇をなぞると顔が近づいてくる気配がする。

キスされる。

そう思った瞬間、唇に熱い物が触れた。

ウィリアムは少し間を置いたあと指を滑らせ、顎に触れる。
徐々に下に行き、首筋、鎖骨を撫でたあとさらに下へと向かった。

胸を触られる!

そう思うとピタリと手が止まり、クスクスと笑っている。

私はうっすら目を開けると、ウィリアムが楽しそうに私を見て笑っていた。

「も、もしかして起きているのに気がついてました?」

私はジロっとウィリアムを軽く睨んだ。

「すまない、我慢する君が可愛くて」

「か、可愛い?」

ウィリアムの言葉にびっくりして声を出してしまった。

「しっ、ユウリが起きてしまうよ」

ハッとして横を見るが、ユウリは起きた感じはなく、スヤスヤと夢の中にいた。

「来て」

すっかり目が覚めてしまった私にウィリアムが手を差し伸べる。

私はそれを掴み立ち上がろうとすると、ウィリアムが手を引いてそのまま私を抱き上げた。

「キャッ!」

驚いて声を出してしまい慌てて口を押さえる。

「君は声が大きいからあちらの部屋に行こうか?」

ユウリを起こしてしまいそうなので私はウィリアムの提案に黙ってうなずいた。

隣部屋に入ると、ウィリアムはベッドに座り、そのまま私を膝の上に乗せ、後ろから抱きしめる。

「えっと……あなたどうしたの?」

頭を私の肩に埋めていて髪が頬に触れてくすぐったい。

何より恋人のような触れ合いにドキドキする。
まあ夫婦なのだから問題はないが……

この人私の事好きじゃないよね?

しかしここ最近の行動を見ていると勘違いしそうになる。

よく考えたらさっきもキスされたよね?

思い出したらポッと顔が熱くなった。

するとウィリアムは私の赤くなった耳をみてカプッと噛み付いてきた。

「!!?」

私は声にならないほどびっくりするが後ろからガッチリと抱きしめられ逃げることもできない。

ウィリアムはそのまま首筋にキスをして背中の方へと移動してきた。

「ま、待って……」

私はビクビクっと反応してしまい思わず声を出す。

するとウィリアムはそのまま私をベッドに倒すと私を見下ろす。

その顔は艶っぽく、とんでもなく色気を発していた。ジッと見つめる熱い瞳は自分を見つめて欲しいと言っているようだった。

その顔にこの人は私が好きなんだとはっきりと気がつく。

ゆっくりと近づく顔に私は顔をそらしてしまった。

「嫌だった?」

顔をそらされウィリアムは悲しそうな声で聞いてきた。

「ち、違うの。嫌なわけない!  そうじゃなくて」

前世の記憶がある私はプルメリアと言えるのかしら、それにウィリアムと寝るのは優里亜に対して裏切りにならない?

グルグルと色んな考えが巡りパニックになる。

「だって私、前とは違うし子供が……」

変なことを口走ってしまった。

するとウィリアムは私の髪を撫でながら頭を触る。

「確かに君は変わった。でもそれは私も同じだ、それに変わった君の事が好きになったんだ……愛してる。私を受け止めてくれないか?」

私より大きな男の人が必死な顔で私の髪にキスをしながら懇願してくる。

嬉しい……

優しくてかっこいいこの人にここまで求められて好きにならないわけがない。
私ももう否定できないくらいこの人の事を好きになっていたのだ。

でもこの気持ちをどうにか留めていたのは優里亜の存在だった。

その瞬間、優里亜の言葉が頭の中に浮かんだ。

(お母さんに幸せに生きて欲しい……)

「プルメリア!」

ウィリアムの顔が驚いて歪んでいる?

違った歪んでいるのは私が泣いていたからだ。

優里亜の言葉がモヤモヤしていたものを全て取り払ってくれた。

「すまない! 泣くほど嫌だったんだな……」

ウィリアムが私に覆い被さっていた体を退けようとする。

「待って!」

私は初めて自分から求めるようにウィリアムを抱き止めた。

「プルメリア?」

「この涙は嬉しいから、私もあなたが好きよ」

私はそう言うとウィリアムに自分からキスをする。

そんな事をするのは久しぶりでなんだか震えてたどたどしいキスになってしまった。

「クッ!」

すると今度はウィリアムから覆い被さり深くキスを返される。

私達はその日久しぶりに二人っきりで朝を迎えた。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

毒味役の私がうっかり皇帝陛下の『呪い』を解いてしまった結果、異常な執着(物理)で迫られています

白桃
恋愛
「触れるな」――それが冷酷と噂される皇帝レオルの絶対の掟。 呪いにより誰にも触れられない孤独な彼に仕える毒味役のアリアは、ある日うっかりその呪いを解いてしまう。 初めて人の温もりを知った皇帝は、アリアに異常な執着を見せ始める。 「私のそばから離れるな」――物理的な距離感ゼロの溺愛(?)に戸惑うアリア。しかし、孤独な皇帝の心に触れるうち、二人の関係は思わぬ方向へ…? 呪いが繋いだ、凸凹主従(?)ラブファンタジー!

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。

airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。 どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。 2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。 ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。 あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて… あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?

処理中です...