【完結】二人の王子～あなたの事は私が幸せにしてみせます。

おわり

ルフナ様の叫び声に部屋の外にいた兵士や従者達が何事かと部屋に飛び込んで来た！

そこには気絶するルフナ様を支えて慌てる俺がいたわけで…

皆から冷たい視線で注目される。

「ち、違うんだ！」

「お嬢様！！」

慌てて否定するとお付のメイドがルフナ様に駆け寄って頬に手を当てて起こそうとする。

「う、うーん…」

よかった、ルフナ様の意識が戻った。

「あれ？私…夢？もう！すんごい、いい夢だったのに…お母さんなんで…起こした…」

話しながら周りの状況に気が付きしまったと顔を固めて止まっていた。

「ルフナ嬢…大丈夫かい？」

とりあえず頭は大丈夫か聞いてみると

「は、はい！大丈夫です！問題なしです！」

「お嬢様…王子に何かされたとかでは無いんですか！？襲われたとか！」

メイドが心配そうに聞いている…襲ってはないがキスをしてしまった…

てっきり両思いとなり嬉しくて…

気絶するほど嫌だったのかといたたまれなくなり顔を逸らしているとルフナ様が強くそれを否定した。

「そんな！襲われるとか大歓迎です！王子様からされて嫌な事などありませんわ！」

「ではなぜ気絶をしていたのですか？」

皆が疑問に思いルフナ様の言葉に注目する。

俺もそれが知りたい！

「そ、それは…」

ルフナ様がちらっと頬を染めながら私の方を見た。

その顔が可愛らしく微笑むと…

「そ、そんな恥ずかしい事言えません！」

真っ赤な顔を両手で隠してしまった。

「そうですか…よくわかりました。この事は一度屋敷に帰りまして旦那様とよく話し合いたいと思います」

「ロウンティ公爵にですか？」

「はい、もちろんです」

メイドからは確固たる決意を感じた。

そしてルフナ様と話をできるわけもなく一同は慌ただしく帰って行った…

「王子…本当に何があったのですか？婚約解消は？」

皆が帰ったシーンとなった部屋でニルギルの疑問に俺が一番その答えを知りたかった。

「よく…わからんが、ニルギルに言っておきたい事がある」

「はい、なんでしょうか？」

「私はルフナ様をもう一度婚約者として迎えたい」

「え！？ですが…」

「私は影武者の時から彼女が好きだった…しかし王子の婚約者だからと会うのを拒否していたんだ…」

「そうだったのですか…しかし、こちらから申したとしてもあちらがどう出るか…本来なら王子の婚約者など断れるはずもありませんが相手はあのロウンティ公爵ですからね、あの方娘を溺愛していると有名です…今日の事も話されると言っていたので…」

「それでもお願いだ…これは王子として出なく俺としての最後のわがままだと思って協力してくれ」

ニルギルは話を聞いて少し戸惑うと、決意を固めたようで頷いた。

「わかりました。どうにか頼み込んで見ましょう！」

「ありがとう！」

「では早速行ってまいります！」

ニルギルは腕まくりをすると頼もしく部屋を出ていった。