17 / 23
17.婚約
しおりを挟む
私はフィオナを馬車に置いて伯爵家の処置に向かった。
伯爵家の連中は私の屋敷から連れてきた兵士に捕まり膝をついて俯いている。
義妹だけはまだ元気なようで声の出ない訴えを続けていた。
「いい加減諦めろ」
私が前に立つと顔を真っ白にする。
今は魔力を抑える必要も無いので垂れ流していた。私の魔力に当てられて伯爵や夫人は嘔吐している。
義妹は少しは魔力量があるようでなんとか耐えていた。
「公爵家に嘘をついた意味をわかっているのか?」
「そ、それは…カリーナが!この娘が勝手に言ったことです!」
伯爵は養女も切り捨てようと決めたようだ。
「しかしお前もフィオナに嘘を強要しようとしていたな」
ギッと睨むとまた吐き気を催したようで顔色が悪くなる。
「本来なら娘をあんな場所に住まわせて置くこと自体由々しき事だ」
「あの子が魔力がないからよ!そんなクズが貴族でいることがおかしいのよ!捨てられないだけありがたいと思わなきゃ!」
義妹は本性丸出しで喚いている。
「馬鹿な奴らだ。フィオナを帰した時に行いを改めてフィオナを大切に扱っていればそれなりの待遇をしてやったのに…」
「「え?」」
伯爵達は信じられないと顔を上げた。
「今日国王よりフィオナ嬢との婚約を決定してもらった。このままフィオナが伯爵家から嫁げばお前たちは公爵家とも繋がりができたのにな」
フンッと笑うとルカリオが国王より預かった書類を見せる。
「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
義妹は信じないと首を振っている。完全に壊れてしまったようだ。
目を見開きブツブツと何か呟いている。
「お願いいたします! フィオナを大事にします!だからどうか!どうか!」
伯爵は地面に頭を何度もぶつけながら懇願した。
「もう遅い」
私は靴を舐めそうな勢いで這いつくばってくる伯爵の顔を思いっきり蹴るとルカリオを見る。
「あとは任せた」
「はい」
ルカリオは場違いに嬉しそうに笑うと兵士達に嬉々として指示を出していた。
私は靴を綺麗にするとフィオナの待つ馬車へと向かう。
「待たせたな」
馬車に乗り込むとフィオナは私を見てホッとしていた。
そして恐る恐る家族の事を聞いてくる。
「あの、父達は?」
「フィオナもわかるように、公爵に嘘をついた彼らを見逃す事はできない」
私がそう言うとグッと堪えて頷いた。
「はい。父達はそれだけの罪を犯しました。私もそれに加担しようとしましたが…公爵様が止めて下さいました」
先程の怯えた顔はなく、しっかりとした瞳で私を見つめる。
「口に出したのはフィオナ嬢だ、それと…」
私はひとつ気に入らない事があった。
「私の事はオニキスと呼んでくれ」
「で、でも…」
私はフィオナの手を取る。
彼女に触れると高まった魔力が落ち着きを取り戻した。
「君は今日から私の婚約者なんだから」
「………?」
フィオナはポカンとした顔で私を見た。
無防備な顔が近くにあり、このままキスできそうだと場違いなことを考えてしまった。
「え?婚約…あの話は冗談ではなくて?」
「ああ、先程国王からも承認を得た。この婚約に誰も文句はいえない」
まだ信じられないのかフィオナはぼうっとしている。
私はルカリオから書類を受け取り彼女に見せると彼女はさらに信じられないと放心状態になってしまった。
そんな彼女を屋敷へと連れ帰る。
メイド達は待ってましたとばかりにぼうっとするフィオナを部屋へと連れて行ってしまった。
伯爵家に持っていかせたプレゼントは義妹が一度受け取ったかと思うと取り返す気にもなれない。
また改めてフィオナに似合うものを用意させればいいと私はメイド長に声をかけておいた。
メイド達はフィオナを着飾る事が楽しいようで彼女の正気が戻るまで好き勝手にするだろう。
「料理長に何か軽く食べられる物をフィオナに出すように言っておいてくれ」
明日、フィオナがどんな顔で私の前に現れるのか今から楽しみだと私は一人微笑んだ。
伯爵家の連中は私の屋敷から連れてきた兵士に捕まり膝をついて俯いている。
義妹だけはまだ元気なようで声の出ない訴えを続けていた。
「いい加減諦めろ」
私が前に立つと顔を真っ白にする。
今は魔力を抑える必要も無いので垂れ流していた。私の魔力に当てられて伯爵や夫人は嘔吐している。
義妹は少しは魔力量があるようでなんとか耐えていた。
「公爵家に嘘をついた意味をわかっているのか?」
「そ、それは…カリーナが!この娘が勝手に言ったことです!」
伯爵は養女も切り捨てようと決めたようだ。
「しかしお前もフィオナに嘘を強要しようとしていたな」
ギッと睨むとまた吐き気を催したようで顔色が悪くなる。
「本来なら娘をあんな場所に住まわせて置くこと自体由々しき事だ」
「あの子が魔力がないからよ!そんなクズが貴族でいることがおかしいのよ!捨てられないだけありがたいと思わなきゃ!」
義妹は本性丸出しで喚いている。
「馬鹿な奴らだ。フィオナを帰した時に行いを改めてフィオナを大切に扱っていればそれなりの待遇をしてやったのに…」
「「え?」」
伯爵達は信じられないと顔を上げた。
「今日国王よりフィオナ嬢との婚約を決定してもらった。このままフィオナが伯爵家から嫁げばお前たちは公爵家とも繋がりができたのにな」
フンッと笑うとルカリオが国王より預かった書類を見せる。
「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
義妹は信じないと首を振っている。完全に壊れてしまったようだ。
目を見開きブツブツと何か呟いている。
「お願いいたします! フィオナを大事にします!だからどうか!どうか!」
伯爵は地面に頭を何度もぶつけながら懇願した。
「もう遅い」
私は靴を舐めそうな勢いで這いつくばってくる伯爵の顔を思いっきり蹴るとルカリオを見る。
「あとは任せた」
「はい」
ルカリオは場違いに嬉しそうに笑うと兵士達に嬉々として指示を出していた。
私は靴を綺麗にするとフィオナの待つ馬車へと向かう。
「待たせたな」
馬車に乗り込むとフィオナは私を見てホッとしていた。
そして恐る恐る家族の事を聞いてくる。
「あの、父達は?」
「フィオナもわかるように、公爵に嘘をついた彼らを見逃す事はできない」
私がそう言うとグッと堪えて頷いた。
「はい。父達はそれだけの罪を犯しました。私もそれに加担しようとしましたが…公爵様が止めて下さいました」
先程の怯えた顔はなく、しっかりとした瞳で私を見つめる。
「口に出したのはフィオナ嬢だ、それと…」
私はひとつ気に入らない事があった。
「私の事はオニキスと呼んでくれ」
「で、でも…」
私はフィオナの手を取る。
彼女に触れると高まった魔力が落ち着きを取り戻した。
「君は今日から私の婚約者なんだから」
「………?」
フィオナはポカンとした顔で私を見た。
無防備な顔が近くにあり、このままキスできそうだと場違いなことを考えてしまった。
「え?婚約…あの話は冗談ではなくて?」
「ああ、先程国王からも承認を得た。この婚約に誰も文句はいえない」
まだ信じられないのかフィオナはぼうっとしている。
私はルカリオから書類を受け取り彼女に見せると彼女はさらに信じられないと放心状態になってしまった。
そんな彼女を屋敷へと連れ帰る。
メイド達は待ってましたとばかりにぼうっとするフィオナを部屋へと連れて行ってしまった。
伯爵家に持っていかせたプレゼントは義妹が一度受け取ったかと思うと取り返す気にもなれない。
また改めてフィオナに似合うものを用意させればいいと私はメイド長に声をかけておいた。
メイド達はフィオナを着飾る事が楽しいようで彼女の正気が戻るまで好き勝手にするだろう。
「料理長に何か軽く食べられる物をフィオナに出すように言っておいてくれ」
明日、フィオナがどんな顔で私の前に現れるのか今から楽しみだと私は一人微笑んだ。
261
あなたにおすすめの小説
妖精隠し
棗
恋愛
誰からも愛される美しい姉のアリエッタと地味で両親からの関心がない妹のアーシェ。
4歳の頃から、屋敷の離れで忘れられた様に過ごすアーシェの側には人間離れした美しさを持つ男性フローが常にいる。
彼が何者で、何処から来ているのかアーシェは知らない。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
7歳の侯爵夫人
凛江
恋愛
ある日7歳の公爵令嬢コンスタンスが目覚めると、世界は全く変わっていたー。
自分は現在19歳の侯爵夫人で、23歳の夫がいるというのだ。
どうやら彼女は事故に遭って12年分の記憶を失っているらしい。
目覚める前日、たしかに自分は王太子と婚約したはずだった。
王太子妃になるはずだった自分が何故侯爵夫人になっているのかー?
見知らぬ夫に戸惑う妻(中身は幼女)と、突然幼女になってしまった妻に戸惑う夫。
23歳の夫と7歳の妻の奇妙な関係が始まるー。
一緒に召喚された私のお母さんは異世界で「女」になりました。
白滝春菊
恋愛
少女が異世界に母親同伴で召喚されて聖女になった。
聖女にされた少女は異世界の騎士に片思いをしたが、彼に母親の守りを頼んで浄化の旅を終えると母親と騎士の仲は進展していて……
母親視点でその後の話を追加しました。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
【完】ある日、俺様公爵令息からの婚約破棄を受け入れたら、私にだけ冷たかった皇太子殿下が激甘に!? 今更復縁要請&好きだと言ってももう遅い!
黒塔真実
恋愛
【2月18日(夕方から)〜なろうに転載する間(「なろう版」一部違い有り)5話以降をいったん公開中止にします。転載完了後、また再公開いたします】伯爵令嬢エリスは憂鬱な日々を過ごしていた。いつも「婚約破棄」を盾に自分の言うことを聞かせようとする婚約者の俺様公爵令息。その親友のなぜか彼女にだけ異様に冷たい態度の皇太子殿下。二人の男性の存在に悩まされていたのだ。
そうして帝立学院で最終学年を迎え、卒業&結婚を意識してきた秋のある日。エリスはとうとう我慢の限界を迎え、婚約者に反抗。勢いで婚約破棄を受け入れてしまう。すると、皇太子殿下が言葉だけでは駄目だと正式な手続きを進めだす。そして無事に婚約破棄が成立したあと、急に手の平返ししてエリスに接近してきて……。※完結後に感想欄を解放しました。※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる