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「「イブ!」」

二人は探してたイブを目の前に抱きついた!

「よかった、ちゃんとここにいたんだな!」

賢人はほっとしてイブの頭に手を置いた。

「イブ!こんな事に付き合わせてごめんね」

シルビオはギュッとイブを抱きしめると…

「シルビオ…く、苦しい」

「あっ!ごめん!」

シルビオは慌ててその手を離した。

「よかった…シルビオが無事で…」

喜ぶイブにシルビオは本当に申し訳なくなる。

「ごめん…自分のわがままで二人を巻き込んだ。もう大丈夫、本当に大切なものが今ちゃんとわかったよ」

「いいのか?」

賢人はシルビオに確認する。

シルビオは仕方ないと寂しそうに笑った。

「だって私が助けに来た時、あの人達見て見ぬふりしてたから…もう私はあの人達にとって仲間じゃ無いようだ」

シルビオの悲しい発言にイブがそっと手を握りしめた。

「なら早くここから離れよう。あいつらがまたいつ来るか分からないぞ」

賢人は周りを見渡して警戒する。

「そうだな」

シルビオはイブを抱き上げると、村の方に向かって頭を下げた。

「もうここには戻らない」

そう言ってあげた顔は幾分スッキリとしていた。
もう自分の居場所はここでは無いとわかったのだ。

「行こう」

賢人が歩き出すとシルビオはしっかりとした足取りであとを追う。

「あっと、その前に…」

賢人はバックから色んなものを取り出すとシルビオが縛られていたところに置いておく。

「何を置いてるの?」

イブが不思議そうに抱っこされながら見下ろしている。

「食べ物か?あいつらにそんなものあげなくてもいいのに…」

「俺が美味いものをあいつらにあげると思うか?あっ!でも一つくらい美味いものを入れといた方が争いになって逃げる隙ができるかもな…」

賢人はそれならと一つだけハンバーガーを置くことにした。

他のものは臭いがキツいと噂のシュールストレミングやノニジュースにタイヤグミなど不味いと書いてあった物を色々と購入して置いておく。

「あとはワサビにカラシ、唐辛子も置いておくかな」

「なんか美味そうだけどな…本当に不味いのか?」

「ちょっと舐めてみるか?」

賢人はワサビを少しだけシルビオの指の先につけた。

ぺろっと指を舐めるとツーンと鼻に刺激が押し寄せる!

「んー!なんだこれ!」

シルビオは慌てて鼻をつまんだ。

「そのくらいなら全然いい方だよ、他の食材と食べれば美味いんだよ。今度蕎麦でも作ってやるよ」

「これをまた食べるのか…」

シルビオは嫌そうにワサビを見つめた。

「絶対好きになるよ、最初は嫌いでも好きになる事ってあるだろ?」

賢人が何気なくそんな事を言うとシルビオは神妙な顔でケントを見つめる。

「そうだね…」

「なっ」

賢人はシルビオの様子に気が付かずに楽しそうに食材を置いていた。





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