上 下
41 / 51

42

しおりを挟む
男達は空いてる小屋に食材を運び混んでしっかりと扉を閉める。

「いいか、俺達は同罪だ。誰も裏切るなよ!」

「わかってる!だから早く、早く食うものをくれ!」

男達は焦って食材を漁り出した。

「これはどうだ?赤くて艶々した実のようだ」

「これはなんだ?固いな…殻に入ってるみたいだ」

一人の男は缶詰を手に取ってコンコンと叩いて匂いを嗅ぐ。

「コレで割ってみるか?」

石の斧を取り出して殻を割ってみる事にした。

「行くぞ!」

男は思いっきり斧を振り上げて缶詰目掛けて振り下ろす。

するとちょうどカドに当たって亀裂が入った。

するとその瞬間中から水分が吹き出して男達にかかった。

「「「ぎゃあああ!!」」」

男達は強烈な臭いと刺激に顔を抑えて仰け反った。

拭いても拭いても臭いが取れない、目に入った者は痛みに這いつくばっている。

すると異臭と騒ぎに小屋に他の男達が集まって来てしまった。

「なんの騒ぎだ!」

扉を開けた途端に異臭が強くなる。

「うわっ!」

あまりの臭さに吐き出す者もいた。

「く、臭い!水で流せ!」

「か、川は何処だ…」

目も開けられずに前も見えない男達は異臭の元の水分を付けたまま周りを探る。

「さ、触るな!」

「見えないんだ、川に連れてってくれ!」

男達の臭さに誰も近づこうとしない…そのうちに男達はほとんどこの場に集まって来てしまった。

「なぜこんな事になった」

「そこにある物はなんだ?なぜこうなったか言ってみろ」

助けるのはそれからだと言わんばかりに遠巻きにされると男達は正直に食材をくすねようとした事を白状した。

「この馬鹿どもが…」

村長は身勝手な行動に怒りが込み上げる。

「こいつらはどうしますか?」

「捨てておけ!そんな裏切り者は知らん!」

「そ、そんな…」

男達は目も開けられない状態で村から追い出された。

「そこの食材は全て運びだせ、殻に入った物はそのままあの男達と一緒に捨てるんだ」

「は、はい…」

返事はしたものの触りたくないのでどうしようかと迷っていると、村長が出ていくのを確認して小屋の扉を閉めてそのままにする事にした。

「しかしあの異臭の物があるなら他も毒なのかも知れませんよ」

「なら女達に食わせて見ればいい、それで美味いものだけを俺達が食べればいいんだ」

村長はにやりと笑って食材を掴んだ。

村長は食材を持って女達を捕まえてある場所に向かった。

「おい、警備の者は何処だ!」

すると女達を集めておいた小屋の前で警備をしていた者がいなくなっている。

それどころか小屋の扉は開かれて中に女達の姿はなかった。

「は、早く女を見つけて捕まえろ!」

村長が叫ぶが男達からの返事はない…そっと後ろを振り返ると武器を持った女達に囲まれていた…

「ひっ…」

村長は顔を青くして恐る恐る両手をあげた…

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

不完全防水

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:1

【BL】死んだ俺と、吸血鬼の嫌い!

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:240

出雲死柏手

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:71pt お気に入り:3

【R18】私の担当は、永遠にリア恋です!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:376

兄のマネージャー(9歳年上)と恋愛する話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:5

真面目だと思っていた幼馴染は変態かもしれない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:373

処理中です...