【完結】異世界転移した独身男、蔑まれていた幼女を助けたら懐かれました。

三園 七詩

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「ふー、ここまで来れば追っても来ないんじゃないか?」

賢人達はあの後シルビオの先導で北の方へと足を進めていた。

休んでは進み、進んでは休み。
何日も進んで追っ手が来ない事に安堵を覚えた。

「今日は進みながら何処かでゆっくりできる場所を探そう」

賢人の意見にシルビオもイブも賛成する。

「あっ!ケント滝があるよ!」

少し行くと湖があり、大きな滝が流れていた。

みんなで滝に近づいてみると、その裏を見ると洞窟になっていた。

「うーん…入口が広いし見つかったら袋の鼠なんじゃないか?」

賢人は中を見つめて眉を顰めた。

「じゃあ私が少し中の様子を見てくるよ、ちょっとまってて」

シルビオはそう言うと洞窟の中へと行こうとする。

「じゃあ懐中電灯を持って行け」

賢人はシルビオに懐中電灯を渡した。

「ありがとう!」

シルビオはそれを受け取って足早に中へと走っていった。

「じゃあ俺達は飯の用意でもしとこうか、無理でも少し休んで先に進む事になるだろうからな」

「うん!私も手伝う!」

「ありがとう、じゃあイブは鍋を洗ってきてくれ」

賢人は鍋をイブに渡した。

「はーい!」

イブは湖の水が汲み取りやすい場所を探して歩き出す。

賢人はその間に火をおこしておいた。

イブが鍋を洗ってくると水を入れて火にかける。

そしてパソコンを開いて食材を買い込んだ。

大根に人参、油揚げに豚肉、葱に里芋に出汁に味噌。
それを適当な大きさに切って鍋にぶち込んだ。

食材が茹で上がると出汁と味噌を入れて味を整える。

「うん、美味い。イブも少し飲んでみるか?」

賢人はイブに少しだけよそってやる。

「おいしー!ケントの料理だいすき!」

「そうか」

イブの喜ぶ顔に賢人の顔もほころんだ。

「今度料理教えてね」

「ああ、落ち着いて住める場所ができたらゆっくり教えてやるよ」

「楽しみー!私ケントとシルビオとずっと一緒にいたいな」

「ま、まぁ俺はいいけど…」

そう言われて悪い気はしなかった。

「でもシルビオはわかんないぞ、出ていきたいって言うなら俺は止めないからな」

「出てかないよ」

「え!?」

シルビオの声に賢人は驚いて振り返った。

するとそこには少し不服そうなシルビオが仁王立ちで立っていた。

「は、早かったな。先はどうだった?」

「……先はまぁ行けそう、大丈夫だと思う」

「それはよかった!」

しかしシルビオはなんだかちっとも嬉しそうに見えずに不満顔だ。

賢人は首を傾げて座れと促す。

飯でも食べれば機嫌も直るだろうと思った。

「ほら、ご飯の用意が出来てるぞ。食べて洞窟に入って休める場所を作ろうぜ」

「うん…」

シルビオは仕方ないと隣に座ると椅子を少し賢人に近づけた。

「なんだ?近くないか?」

急にそばに寄ってきて賢人の方が驚いている。

しかしシルビオはしれっと鍋を見つめていた。

「これは?早く食べようよ、お腹空いた」

「あ、ああ、具だくさんの豚汁だ。あったまるし腹にも溜まるぞ」

「おいしーよ」

「そうか、ありがとうな」

シルビオはイブには笑顔でお礼を言っている。

なんだ?

賢人はシルビオの不機嫌なわけがちっともわからなかった。
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