45 / 51
46
しおりを挟む
「ほら、話してみろよ」
賢人が優しく問いかけるとシルビオはゆっくりと口を開いた。
「ケントが…ケントが私を捨てるって…」
口にしてさらに落ち込んでいるが覚えがない。
「は?シルビオを捨てる?」
賢人はなんの事だと首を傾げて考えた。
「イブと話してるのを聞いた、私は出ていっていいって…」
いつも勝気なシルビオがシュンとしおらしく凹んでいた。
「それは…」
確かにそんな話はしていた、だけどそれはシルビオの意志を尊重した話だ。
シルビオを見れば怯える子犬のような瞳で見つめてくる。
「あ、あれはシルビオの気持ちをくんでそう言ったんだよ」
「じゃあ捨てる気はないって事?」
「捨てると言うか、シルビオの好きにしたらいいって事だ。居たいならいればいい、出ていきたいなら好きなようにしてくれ」
「私、もう何処にも行く場所ない。それに…ケントのそばにいたいの、だめ?」
シルビオが抱きついてきて下から上目遣いに見つめてきた。
今まではそんな気も無かったので目にも入らなかったが、大きな胸がピッタリと体にくっ付いているのを感じた。
久しぶりに感じる女性の温もりに下半身が熱くなる。
「ちょ、ちょっと離れて!」
賢人は慌ててシルビオを引き離した。
「わかったから、シルビオの好きにしていいから!だから安心して寝ろよ」
クルット向きを変えて背中を向けた。
「好きにしていいんだね」
シルビオの声に賢人はコクコクと頷いた。
「なら…」
シルビオがボソッとつぶやくと後ろから抱きつかれる。
「な、なんだよ!」
賢人が振り返って思わず大きな声を出すとシルビオが口を指でふさいだ。
「静かにして、イブが起きちゃう…」
ボソッと耳元で囁かれると賢人は背筋がゾクッとした。
「なんかわかんないけど…ケントを見てるとこうしたいって思った。いつも抱きつくイブが羨ましかったの…」
シルビオは離す気は無いのかギュッとしがみついていた。
なんか…大きなイブみたいだ。
賢人はなんだかスっと熱が引いていくのを感じた。
「大丈夫だよ、俺から出ていけなんて言わないから」
賢人はそっと上からシルビオを抱きしめてやった。
シルビオは一瞬ピクっとするがそのまま腕の力を強める。
二人抱き合いながらいつの間にか眠ってしまった…
「ケント!シルビオ!」
「んーなんだよイブ…」
賢人はイブの呼び起こす声に目を開いた。
するとそこには頬っぺをプクッとふくらませたイブが仁王立ちで見下ろしている。
「イ、イブおはよう、何怒ってるんだ?」
賢人が起き上がろうとすると体に重みがある。
見るとシルビオが自分に抱きついたまま眠っていた。
「え?あっ!」
昨日あのまま寝てしまった事を思い出した。
「なんでケントとシルビオが一緒寝てるの!ずるい!」
イブは気に入らなかったようでそのままケントに向かって飛びついた。
「私も一緒に寝たかった!」
イブがギュッとしがみつく。
昨夜と同じ展開に賢人はなんか笑いが込み上げてきた。
「あはは!ごめんな、じゃあ今日は一緒に寝よう」
「本当!?」
イブはガバッと起き上がって顔をあげた。
そんなイブに俺は笑って頷いてやった。
賢人が優しく問いかけるとシルビオはゆっくりと口を開いた。
「ケントが…ケントが私を捨てるって…」
口にしてさらに落ち込んでいるが覚えがない。
「は?シルビオを捨てる?」
賢人はなんの事だと首を傾げて考えた。
「イブと話してるのを聞いた、私は出ていっていいって…」
いつも勝気なシルビオがシュンとしおらしく凹んでいた。
「それは…」
確かにそんな話はしていた、だけどそれはシルビオの意志を尊重した話だ。
シルビオを見れば怯える子犬のような瞳で見つめてくる。
「あ、あれはシルビオの気持ちをくんでそう言ったんだよ」
「じゃあ捨てる気はないって事?」
「捨てると言うか、シルビオの好きにしたらいいって事だ。居たいならいればいい、出ていきたいなら好きなようにしてくれ」
「私、もう何処にも行く場所ない。それに…ケントのそばにいたいの、だめ?」
シルビオが抱きついてきて下から上目遣いに見つめてきた。
今まではそんな気も無かったので目にも入らなかったが、大きな胸がピッタリと体にくっ付いているのを感じた。
久しぶりに感じる女性の温もりに下半身が熱くなる。
「ちょ、ちょっと離れて!」
賢人は慌ててシルビオを引き離した。
「わかったから、シルビオの好きにしていいから!だから安心して寝ろよ」
クルット向きを変えて背中を向けた。
「好きにしていいんだね」
シルビオの声に賢人はコクコクと頷いた。
「なら…」
シルビオがボソッとつぶやくと後ろから抱きつかれる。
「な、なんだよ!」
賢人が振り返って思わず大きな声を出すとシルビオが口を指でふさいだ。
「静かにして、イブが起きちゃう…」
ボソッと耳元で囁かれると賢人は背筋がゾクッとした。
「なんかわかんないけど…ケントを見てるとこうしたいって思った。いつも抱きつくイブが羨ましかったの…」
シルビオは離す気は無いのかギュッとしがみついていた。
なんか…大きなイブみたいだ。
賢人はなんだかスっと熱が引いていくのを感じた。
「大丈夫だよ、俺から出ていけなんて言わないから」
賢人はそっと上からシルビオを抱きしめてやった。
シルビオは一瞬ピクっとするがそのまま腕の力を強める。
二人抱き合いながらいつの間にか眠ってしまった…
「ケント!シルビオ!」
「んーなんだよイブ…」
賢人はイブの呼び起こす声に目を開いた。
するとそこには頬っぺをプクッとふくらませたイブが仁王立ちで見下ろしている。
「イ、イブおはよう、何怒ってるんだ?」
賢人が起き上がろうとすると体に重みがある。
見るとシルビオが自分に抱きついたまま眠っていた。
「え?あっ!」
昨日あのまま寝てしまった事を思い出した。
「なんでケントとシルビオが一緒寝てるの!ずるい!」
イブは気に入らなかったようでそのままケントに向かって飛びついた。
「私も一緒に寝たかった!」
イブがギュッとしがみつく。
昨夜と同じ展開に賢人はなんか笑いが込み上げてきた。
「あはは!ごめんな、じゃあ今日は一緒に寝よう」
「本当!?」
イブはガバッと起き上がって顔をあげた。
そんなイブに俺は笑って頷いてやった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
274
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる