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幼なじみ
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告白の騒動も初日はすごい騒ぎだったが数日経てばおさまった。
小鳥遊さんに彼氏が出来たからだ。
噂では彼の方から告白してきたらしい、傷心中の彼女を励ましてくれてその優しさに付き合う事にしたと周りに話していると言う。
しかし本音は自分が振られたと言う噂に耐えられなくてわざと顔のいい今の彼氏の前で泣き甘えた声で落としたらしい。
やはり女は怖い。
そんな時にクラスに転校生がやってきた。
「は、はじめまして。桜 春美です、子供の頃までこの町にいたので知ってる人もいるかもしれませんがよろしくお願いします」
肩までの髪に小さい体、ペコッと頭を下げる仕草は小動物のようで男子達から声が上がる。
「可愛子がきた!」
「女の子の転校生っていいね!」
みんな可愛い転校生に夢中のようだ。
俺を除いて。
「桜さんは佐鳥くんの横の席に座ってくれる?」
先生に言われて桜さんは俺の右隣の空いてる机に目を向けるとやってきた。
「桜です、よろしくね」
「自己紹介で聞いてたから知ってる」
俺はぶっきらぼうに答えると視線を避けた。
「そっか、確かにそうだよね」
桜さんは俺の嫌味に笑っているが本音は……?
恥ずかしー!あんなに連絡してきたのに失敗した……
ニコニコと笑っているが心の中は焦りまくっている。
「プッ……」
「ん?どうしたの?」
思わず笑ってしまうと桜さんが首を傾げた。
「なんでもない……」
俺は視線を窓際に向けた。
休み時間になると桜さんの机の周りにには人集りができる。
流行りもの新しいもの好きな女から興味津々の男達まで集まり質問攻めにしていた。
「前に住んでたって言ってたけどどこら辺に住んでたの?」
「佐鳥神社のそばだよ」
「「「え?」」」
質問したみんなと俺は同時に答えた。
「え?」
桜さんはその反応に逆に驚いている。
「佐鳥神社って佐鳥くんの家だよね」
俺は頷いた。
「え?じゃあ……冬馬くん?」
久しぶりにその名前で呼ばれた気がする。
俺の名前は佐鳥 冬馬。
サトリが珍しく呼びやすいのかずっと名字で呼ばれていて、名前だと思っている人もいる。
「冬馬くん!私だよ、春、春美!境内でよく遊んだよね?」
「春……?」
俺は記憶を呼び起こす、まだ女の子が嫌いになる前に確かに遊んでいた子がいた気がする。
そうだ、短い髪でいつも短パンを履いていて男の子だと思っていた子がいた。
「春?」
「わー!嬉しい、冬馬くんに会えた!」
ハルは嬉しそうに頬を赤くして笑っていた。
は?つまんな
何この女……冬馬くん?佐鳥くんだっつーの!
俺は周りの女達の心の声に我に帰った。
「名前は何となく覚えてるけど、それだけだよ」
スっと顔を逸らした。
確かに幼なじみだが女だ、この子も周りの女達と一緒だ。
周りの女達は俺の答えに心の中で春の事を笑っている。
「佐鳥くんひどーい、桜さん気にしないで佐鳥くんみんなにこんな感じだから」
「桜さんもあんまり話しかけない方がいいよ」
春と俺の関係を壊そうとしているのか不要な牽制をしている。
春はキョトンとした顔で女達を見つめて俺を見た後ににっこりと笑った。
「ありがとう、でも冬馬くん優しいよ。だからまた友達になりたいな」
そう言って春は俺に手を差し出してきた。
その声は心の声とリンクしていた。
小鳥遊さんに彼氏が出来たからだ。
噂では彼の方から告白してきたらしい、傷心中の彼女を励ましてくれてその優しさに付き合う事にしたと周りに話していると言う。
しかし本音は自分が振られたと言う噂に耐えられなくてわざと顔のいい今の彼氏の前で泣き甘えた声で落としたらしい。
やはり女は怖い。
そんな時にクラスに転校生がやってきた。
「は、はじめまして。桜 春美です、子供の頃までこの町にいたので知ってる人もいるかもしれませんがよろしくお願いします」
肩までの髪に小さい体、ペコッと頭を下げる仕草は小動物のようで男子達から声が上がる。
「可愛子がきた!」
「女の子の転校生っていいね!」
みんな可愛い転校生に夢中のようだ。
俺を除いて。
「桜さんは佐鳥くんの横の席に座ってくれる?」
先生に言われて桜さんは俺の右隣の空いてる机に目を向けるとやってきた。
「桜です、よろしくね」
「自己紹介で聞いてたから知ってる」
俺はぶっきらぼうに答えると視線を避けた。
「そっか、確かにそうだよね」
桜さんは俺の嫌味に笑っているが本音は……?
恥ずかしー!あんなに連絡してきたのに失敗した……
ニコニコと笑っているが心の中は焦りまくっている。
「プッ……」
「ん?どうしたの?」
思わず笑ってしまうと桜さんが首を傾げた。
「なんでもない……」
俺は視線を窓際に向けた。
休み時間になると桜さんの机の周りにには人集りができる。
流行りもの新しいもの好きな女から興味津々の男達まで集まり質問攻めにしていた。
「前に住んでたって言ってたけどどこら辺に住んでたの?」
「佐鳥神社のそばだよ」
「「「え?」」」
質問したみんなと俺は同時に答えた。
「え?」
桜さんはその反応に逆に驚いている。
「佐鳥神社って佐鳥くんの家だよね」
俺は頷いた。
「え?じゃあ……冬馬くん?」
久しぶりにその名前で呼ばれた気がする。
俺の名前は佐鳥 冬馬。
サトリが珍しく呼びやすいのかずっと名字で呼ばれていて、名前だと思っている人もいる。
「冬馬くん!私だよ、春、春美!境内でよく遊んだよね?」
「春……?」
俺は記憶を呼び起こす、まだ女の子が嫌いになる前に確かに遊んでいた子がいた気がする。
そうだ、短い髪でいつも短パンを履いていて男の子だと思っていた子がいた。
「春?」
「わー!嬉しい、冬馬くんに会えた!」
ハルは嬉しそうに頬を赤くして笑っていた。
は?つまんな
何この女……冬馬くん?佐鳥くんだっつーの!
俺は周りの女達の心の声に我に帰った。
「名前は何となく覚えてるけど、それだけだよ」
スっと顔を逸らした。
確かに幼なじみだが女だ、この子も周りの女達と一緒だ。
周りの女達は俺の答えに心の中で春の事を笑っている。
「佐鳥くんひどーい、桜さん気にしないで佐鳥くんみんなにこんな感じだから」
「桜さんもあんまり話しかけない方がいいよ」
春と俺の関係を壊そうとしているのか不要な牽制をしている。
春はキョトンとした顔で女達を見つめて俺を見た後ににっこりと笑った。
「ありがとう、でも冬馬くん優しいよ。だからまた友達になりたいな」
そう言って春は俺に手を差し出してきた。
その声は心の声とリンクしていた。
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