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彼女を性的にしか見られない彼氏

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私は大学生だ。もう彼もいる。しかし、どうやら彼は、私を性的な目線でしか見られないようなのだ。私は彼氏のことが好きだし、一緒にいるとドキドキするから、まあそういうことなのだろうと思うが……でも正直ちょっと引く。
先日も「この前のデートで着てきた服、超可愛かったよ!」と言われたあとに、突然手を握られて「君の手は可愛いね」とか言われたりして……。私がその手を軽く振り払ったら、「照れてるんだ?」とか言われて。違う! 私はお前の性欲の対象じゃねえんだよ!!(笑)
あ、イチャイチャシーンは字にするとやばいから声だけにしておく。
今日もデートなのだ。待ち合わせ場所に着くと既に彼がいた。彼の顔を見た瞬間、私の胸はキュンとなる。ああ、やっぱりかっこいい……っておい! だから違うってば! 彼は私を見つけるなり駆け寄ってきて、私の手を握った。そしてじっと見つめてくる。うわぁ……と思いつつ、なんだか恥ずかしくなって目をそらすと、彼はふっと笑って言った。
「俺のこともっと好きになった?」……ならない。
私は彼に、手を繋ぐ時は恋人繋ぎがいいと言ってみた。恥ずかしいけれど。だってそうじゃないと、私の手が汗ばんできてしまうかもしれないし……というのは言い訳で、ただ単に彼と指を絡めたいだけだったりもするのだが。
彼は一瞬きょとんとした顔をしたあと、ニヤッとして、私の手を取って自分の指を絡ませた。いわゆる恋人繋ぎというヤツだ。
それから2人で歩き出すと、不意に手を引っ張られた。驚いて彼を見上げると、彼はまたあのニヤッとした笑いを浮かべていた。…………コイツめっ!!!(怒)
今度は何をしてくるのだろうか。楽しみ半分不安半分で待っていると、なんといきなりキスされた。え? 何? どういうこと!? 混乱しているうちに、唇はすぐに離れていった。呆然とする私を見て、彼は言う。
「ごめんね、我慢できなかった」……我慢しろよ!!
本当に私を性欲の対象としか見ていない。でも細かいところが優しかったり、かっこよかったり、本当にドキドキさせられるのも事実だ。悔しいことに。
「俺のこと嫌いにならないでね?」……こっちこそ頼むよ。こんな男、嫌いになれたらどんなに楽なことか。
デート後。彼の家でイチャイチャタイムだ。彼は結構攻めてくる。私はいつも受け身になってしまう。たまには私からも何かしたいけど、なかなか勇気が出なかったりする。
以降しばらくセリフのみ
「今日もいじっちゃうよ~」
「ふぇ!や、やめなさいぃ…」
「どうして?気持ちよくない?」
「そ、そんなことないよぅ……」
「じゃあ続けてもいいよね?」
「だめぇ……」
「ダメって言われると余計にしたくなるなー」
「ひゃあん!もぉ、いじめっ子!」
「うわぁ、すっごいかわいい顔になってる。写真撮ろうかな」
「やめてよおおお!」
「ほら、笑って笑って~」パシャリ
「やぁん!消してよぉ~!!」
「次は〇っぱいかなぁ」
「は?こ、この変態g!あぁん!」
「今変態って言おうとしたでしょ。お仕置きだよ」
「ひゃん!む、そこは触らないでえ!」
「じゃあどこならいいの?」
「やはぁん!首筋舐めないでえ!」
「耳元で囁いてあげる。好き、愛してる」
「ふあああっ!」
「〇っぱい揉んであげようか」
「きゃうんっ!」
「〇首をつまんじゃおう」
「ひんっ!もう許してぇ……!」
「じゃあそろそろ挿れちゃおっか」
「い、嫌ああああ!!!」
「素直じゃないなぁ。まあ今日はそこまではしないけど、もっと攻めちゃうよ~」
「へ?ちょ、ちょっと待って……!」
「待たないよ。えいっ!」
「きゃああああ!!!」
「君は太腿がいいよねぇ…」「やん!そこ弱いからぁ……!」
「知ってるよ。だからやってるんだもん」
「もうやだああ!!(泣)」
「ふふ、かわいいよ(笑)。もっといじめたくなっちゃう」
「これ以上されたらおかしくなるうううう!!助けてええええ!!!」
「可愛い」
「うう、酷い目にあったよぅ……。」
「ごめんね。ついやりすぎちゃった。今日はこれくらいにしとくよ。でもいつか君をめちゃくちゃにしてやるから覚悟しとけよ」
「はい……(涙)。」
「じゃあお風呂入ろっか」
「やだっ!まだそこまでじゃ!」
「問答無用」
「ぎゃあああ!!!」
「ふう、スッキリした」「ぐす……ひどいよお……(泣)」「ごめんってば。機嫌なおしてよ」
なぜか強制的に一緒に入浴する。「うう……恥ずかしかったよぉ」(泣)
「大丈夫。可愛かったよ」(←全然反省していない顔)
「うわーん!またそういうこと言うし!もぉ知らないっ!」
「拗ねてるのも可愛いなぁ」
気づいたら彼の手のひらの上だ。でもまあいいか。どうせ逃げられないんだし。
でも、こうして恋人となった以上は、私のことを性的な目線よりも恋愛の目線で見て欲しい。そう思って、彼にお願いをしてみた。
「ねえねえ、私のこと好き?」
「もちろん大好きさ!」
「本当に?」
「本当だって。だから安心しなよ」
そう言って彼は優しく微笑んだ。
「じゃあいつものエッチな目で見ないでさ、」
少し上目遣いで見る。
「恋する目で見てよ。」彼が固まったのを見て、私は慌てて訂正する。
「あっ!いや別に今のなしで!」
すると彼はいきなり私を抱き締めてきた。
「わあっ!?ど、どうしたの?」
「ごめんね、気づかなくて。俺、君のことが好きだよ。本当に大好きなんだよ。」
彼の言葉に、思わずドキッとする。そしてそのまま唇を重ねられた。
「ん……」
長いキスの後、彼は言った。
「これからもずっとよろしくね」
私は笑顔で言う。
「こちらこそ」
相変わらず私たちはよく互いの家でイチャイチャする。だけど、私にとっても結構楽しみになった。
「じゃあ次ここいくよ…」
「ふっ!ふぇぇ~!」
「ほら頑張れ~」
「もう無理ぃ!」
「仕方ないなあ。じゃあ次はここ……」
「ひゃあん!もうやめてえ!」
「ほらほら頑張って」
「ひゃんっ!」
だって彼の愛を知っているから。
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