最近、好きな人と会えていない

サドラ

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最近、好きな人と会えていない

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最近、好きな人と会えていない。私の名前は白木優希(しらきゆうき)。
「今日もダメか……」
私はスマホを見てため息をついた。画面に表示されているのは一通のメッセージ。相手は私の想い人だ。しかし、返信がないのだ。
『会いたい』
たった一言だけ送ったのだが、勇気を振り絞って送ったのに。彼は忙しいのだろうか?それとも……他の女といるのか?そう考えるだけで胸が苦しくなる。私はまた一つため息をつくと、ベッドで横になった。その時だった。突然スマホから音が鳴った。どうやら電話が来たようだ。友人からだ。何かあったのかな?と思いながら電話に出る。
「もしもし」
『あ!もし~?』
友人の元気な声を聞いて少し安心する。すると彼女は言った。
『今さ、みんなでカラオケ来てるんだけど一緒に行かない?』
「え!?いいの?」
私が驚いて聞き返すと彼女は答えた。
『もちろんだよ!』
やったー!!久々だし行こうかなぁ……。でも……彼のことが気になる……。まあ、行こうか。
「うん。私も行く。ちょっと待ってて。」『おっけ~』
私は着替えると部屋を出た。そして、エレベーターに乗って下へ降りる。
「お待たせ~」
「じゃあ、行こう!」
私たちは歩き出した。
「ところで何歌うの?」
「ん~、そうだね……」彼女が考えていると後ろから誰かに声をかけられた。
「あのぉ、すいません。ここってどこですか?」
振り返るとそこには知らない男がいた。見た目は大学生くらいだろうか。チャラそうな感じである。そんな彼が私たちに話しかけてきた。
「あの……ここってどこかわかりますかね?」
「ここは〇〇駅ですよ」
友人が答えると男は驚いた表情をした。
「マジっすか!いや~ありがとうございます。助かりましたよ」
男が笑顔で言う。すると、友人が聞いた。
「いえいえ。それでどちらまで行かれるんですか?」
「実は俺、この辺のことよくわからんくてですね。良かったら教えてもらえないですかね?」
男は言う。正直言って嫌だ。せっかく彼と久しぶりに会えると思ったのに。でも、ここで断れば変な雰囲気になりそうだし、それは避けたい。仕方ないか……。
「いいですよ。じゃあ、案内しますね」私はそう言うと歩き始めた。
「おい、優希。大丈夫なのか?」
「大丈夫だって!心配しないで」
不安げにしている彼をなんとか説得して私たちは男の目的地へ向かうことにした。しばらく歩いていると男が言った。
「あれ?なんか見覚えあるような気がするんだよね。ここ」男は周りを見渡す。確かに知っている場所かもしれない。しかし、その前に……早く着いてくれないかなぁ……。
「あのぉ、もうすぐ着きますけど……」
「うーん……やっぱり思い出せないなぁ」
男は首を傾げる。その時だった。男が急に立ち止まった。なんだ?と思っているとその瞬間……彼は走り出した。
「ちょ……ちょっと!!」慌てて追いかける。しかし、なかなか追いつかない。どんどん引き離されていく。まずい。このままでは見失ってしまう。
「待ってぇ!!!」必死になって叫ぶ。すると、ようやく彼が立ち止まってくれた。
「どうしたの?急に走ったりして」息を整えながら聞く。彼は答えた。
「目的地が見えたから。」
「え!?嘘……いつの間に!?」
私は驚く。全く見えなかった。というか、本当に同じ景色なのだろうか?そんなことを考えているうちに、目的地に着いたようだ。そこは小さな公園だった。ブランコや滑り台などがある。
「こんなところがあったなんて……」私が呟くと、男は言った。
「ごめんなさい。道を教えてくれてありがとう。俺は用事があるんでこれで」
「え……はい」
「じゃあね」と言って去っていった。なんだろう……。結局どこに行きたかったのかわからないまま終わった。っていうか地味にここどこ?迷子になってしまった……。
「おーい!」
「え?」
遠くから駆けてくるのは私の想い人だった。「彼方くん!」思わず叫んでしまった。彼は私のもとにたどり着くと聞いてきた。
「いきなり走ってどっかいっちゃったからびっくりしたぞ。」
「あ……えっと……ごめんね。ちょっといろいろあって」
「そっか。まあ、無事ならよかったよ」彼はほっとした様子で言う。私は彼に謝った。
「うん……ごめんね」
「まあ、とりあえずカラオケに戻ろう。」
その後とりあえずみんなでカラオケを楽しんだのだった。
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