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赤城薫side.
しおりを挟むあたしはずっと陸上一筋だった。
中学でもある程度の成績を残せて、賞とかトロフィーとか貰った。
走るのが楽しかった。
だから、あたしは陸上にも力を入れている、この学園へと来た。
仲のいい子もできて、毎日が楽しかった。
でも、ある日あたしは大会前に頑張りすぎたのか脚に怪我をした。
最初は軽い怪我だから、ほっといても大丈夫だなんて、思ってた。
でも、気がついたらもっと大きな怪我になっていて、これ以上無理に走るのはダメだと医者に言われた。
だからか、あたしは機嫌が悪くて部員や先輩、先生に酷い態度を取ってしまった。
みんなはあたしとの距離を自然と置くようになって、また、走れればきっとまた元通りになってくれると、そう怪我が治ってから、無理をして走った。
なにも元通りなんていかず、長い期間走ってなかったからなのかそれを取り戻すために私は頑張った、頑張りすぎた。
あたしは医者から陸上をやめるように勧められ、親にもそれが伝わって、陸上部をやめさせられた。
そこからはあたしは何もなくて、陸上以外何をやっていたんだろうか
競歩の季節になって、医者からは無理をしなければやれるけど、まぁ、君にそんな無理強いをしてもまた無理をするだけだから自分が無理だと思う範囲でやめなさいと言われた。
さすがに6ヶ月見ている先生だ。
そして自分の出来る範囲で競歩に参加した。
それであたしの遅いペースにわざと合わせる金髪の不良みたいな生徒がいた。
あたしと一緒に走ってサボりたいんだ!と思ってペースを上げていて、それでもなんなく不良はついて来て、少しムキになってしまった、そしてあたしは倒れた。
目を覚ましたら、不良があたしの靴下を脱がしていた、犯される!?って思ったけど案外親切な奴だった。
だからなのか、それとも追い詰められていたのか、自然と口から色んなことが出てきてしまった。
そんな赤の他人の言うことだ、てきとーに聞き流したり、出て行ったりしてもいいのにその不良は話をあたしの目を見て、しっかりと頷いたりして、でも、間違ってることなどは違う言葉をくれたり、また陸上をしたいってそう呟いたら。
「…走るだけじゃなくても、マネージャーでもやってみればいいんじゃないか、陸上に携わるだけで陸上をやるとは言えないだろうけど」
その言葉にはっ!?とした。
走ることばっかりに目がいっていて、陸上にしがみつこうとしてあたしにとって、その一言があたしの気持ちを変えた。
そしてあたしは陸上部のマネージャーとして、復帰した。
前までのことをちゃんとみんなに謝れて、仲直りできた。
そして、世話になったあいつのことを今度はあたしが世話をするんだ!と思って毎日会いに行っている。
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