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17.解呪の条件
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「その条件を呑むと言うのであれば、その間抜けな王太子の呪いを解いてやろう」
ニヤニヤしながらそう告げてきた精霊王の言葉にエリアテールは目を輝かせたが、イクレイオスは苦痛な表情を浮かべながら、精霊王に鋭い視線を向ける。
そんな真逆の反応をした二人だが、先に精霊王の申し出に食い付いたのはエリアテールだった。
「お願い致します! わたくしに出来る事ならば、何でも致しますので!」
即答したエリアテールにイクレイオスが苦痛な表情のまま、ビクリと肩を震わせた。
そんなイクレイオスの反応を見た精霊王が、更に笑みを深める。
「ではまず風巫女、そなたへの条件だ」
「はい」
「そなたは今後その命尽きるまで、最低でも月に二回は我ら風の精霊の為だけに歌を捧げ続ける事を約束しろ」
「え……?」
精霊王の出した条件があまりにも簡単だった為、拍子抜けしたエリアテールが間の抜けた声を出す。
「あの、精霊王様……。そのような簡単な条件でよろしいのですか?」
「そなたにとっては容易い事であろうが、我らにとってはその歌声は何よりも尊き存在なのだ」
「精霊王様よりそのようなお言葉を頂ける事は誠に恐悦至極でございます。その条件、是非お引き受けさせて頂きます」
「よいのか? そなたが思う程、簡単な事ではないぞ? この先、そなたがどのような身の振り方をするとしても、そなたはこの国に留まり、一生かけて我ら風の精霊の為だけに歌を捧げ続けなければならないのだぞ?」
「構いません。それでイクレイオス様の呪いを解いて頂けるのなら」
精霊王を真っ直ぐ見つめ、即答するエリアテールには何の迷いもなかった。
すると精霊王は、エリアテールの隣でうずくまっているイクレイオスの方を見やる。
激痛に耐え抜きながらも、その条件に不満げな様子に精霊王は意地の悪い笑みを浮かべた。
「王太子よ、何やら不満げなようだが?」
「…………いえ」
短く返答したイクレイオスは、精霊王から目を逸らす様に再びエリアテールの肩口に顔を埋め、グッタリする。
例え不満があったとしても今の自分には、それを主張する権利はない……。
その悔しさからイクレイオスは、ギリリと奥歯を噛みしめる。
「次に王太子よ、そなたへの条件だ」
「は……い……」
「我はこの風巫女を大変気に入っている。故にこの風巫女を傷つける者は、どんな存在であろうとも絶対に許さん。そなたに課せる条件は、今後の風巫女の絶対的安全と安らぎだ」
「心得ま……」
「ただし! 約束を違えた場合、我はこの国への風の加護を一切放棄する」
その言葉を聞いた瞬間、二人が同時にビクリと肩を震わせる。
4大精霊王達は何もフラフラと遊んでいる訳ではない。
それぞれが持つ属性に特化した能力で、この国の土地に加護を与え恵みをもたらすという役割を果たしている。
だが、もし風の精霊王が加護を与える事を放棄してしまえば、大気の淀みは更に悪化し、木々や作物は枯れ、国が滅ぶ事となる……。
「それを前提とし、先ほどの我の条件を受け入れろ」
挑発的な笑みを浮かべながら、無茶な条件を突きつけてきた精霊王にエリアテールが固まる。
対してイクレイオスは、苦しそうな状況でありながらもその条件に対する返答を始める。
だが、イクレイオスが口を開こうとした瞬間――――。
「お待ちください! そのような条件はお受け出来かねます!」
珍しく厳しい口調で、エリアテールが話を割って入って来た。
「風巫女よ、我はこの条件を王太子に求めているのだぞ? 何故、そなたが口を挟む?」
「恐れながら……精霊王様のおっしゃっている事は、あろう事かわたくし如きと、この大国コーリングスターを両天秤に掛けるような条件の様に聞こえます」
「我はそのつもりで、この条件を出している」
「それはあまりにも理不尽なご提案でございます!」
「何故、そう思う?」
「まずわたくしは、この国の人間ではございません。そのような外部の人間と、多くの国民が住まうこの国の存亡を同列視する事は、あまりにも不釣り合いではございませんか?」
「そうは思わぬな。以前にも申したが、そなたのその清き魂は類まれない存在だ。我ら精霊側からすれば、決して不釣り合いな内容では無い」
「ですが!」
「お受け……致します……」
「えっ…………?」
精霊王に抗議の声をあげていたエリアテールの言葉を遮るように、急にイクレイオスが口を開いた。
「そちらの条件で……お受け……致します……」
もう一度、今度は二人にはっきりと聞こえるようにイクレイオスが今出せる精一杯の声で、精霊王からの条件を受け入れると宣言する。その言葉を聞いたエリアテールは、一瞬で血の気の引いた顔色になる。
「イクレイオス様……? 何を……何を仰っているのですかっ!? そのような条件を受け入れてはなりません! どうかお考え直しを!」
しかし、イクレイオスはグッタリしながらも首を横に振る。
「先ほどの……条件で、構いません……。ですので……早急に、解呪を、お願い……申し、上げます……」
絞り出す様に精霊王に再度告げるイクレイオスをエリアテールが、今にも泣きだしそうな表情で茫然と見つめ返す。
「良いのか? そなたには解呪をせずにそのまま呪いを受け入れ、呪いと共に運命を歩むという道もあるぞ? さすれば風巫女もこの国に縛られず、そなたのその症状も自然と治まる。この国も無用なリスクを抱える事もなかろう」
その言葉にエリアテールが反応した。
「解呪をせずともイクレイオス様がご無事で過ごされる方法があるのですか!?」
「ああ。王太子がある事を受け入れれば、な」
そう言ってニヤリとしながら、精霊王はイクレイオスを挑発するような視線を向けてきた。
そんな精霊王を激痛に耐え抜きながら、イクレイオスは睨みつける。
だがエリアテールは、その精霊王の提案内容に飛びつく。
「イクレイオス様! その様な方法があるのでしたら、是非そちらでご検討を!」
「ふざ……ける、なっ!! その様な事をすれば……私の心が、死ぬっ!!」
「心が死ぬ……?」
イクレイオスが訴えてきたその言葉の意味が分からず、エリアテールが困惑の色を見せる。
するとイクレイオスは、激痛に耐えながらエリアテールにもたれ掛るのをやめ、精霊王に向って片膝で跪く姿勢を取り、再度解呪を希望する事を懇願した。
「考えは……変わり、ません……。解呪を……お願い、致し、ます……」
そんなイクレイオスの宣言を聞かされた精霊王が、いかにも面白くないという表情を浮かべた。
「つまらん……。もう少し迷え!」
イクレイオスに即答された事が余程面白くなかったようで、精霊王が吐き捨てるように呟いた。
そんな解呪する方向で話が進み始めだした途端、にエリアテールが再び待ったをかける。
「イクレイオス様! お願いでございます……。どうかお考え直し下さいませ!」
「断……る!!」
「ですが! わたくしの所為でこの国が亡ぶような事になってしまったら……」
「なる訳……っ、ない、だろうっ!!」
「何故そう言い切れるのですか!?」
「私が……そのような、事は……絶対に、起こさせんっ!」
痛みの所為もあり、段々と苛立ったイクレイオスの語彙が強まる。
しかし、自分の所為でこの国に危機を招く可能性があるエリアテールも、ここは一歩も引かなかった。
「しかし、どんなにわたくし自身が傷つかぬよう努力しても、こればかりは防ぎようがございません!」
「だからっ……!! そのような事はっ……させ、ないと! それよりも……っ。お前は! 何故、そう……頑固な性を、しているのだっ!!」
もはや痴話ゲンカ状態となり始めた二人の様子を呆れながら眺めていた精霊王だが……。
永遠に繰り返しそうな状況についに怒りを爆発させた。
「二人共、もうよい!! 風巫女! さっさとその間抜けな王太子を解呪してやるから、我を手伝え!!」
精霊王に一喝された二人は、やっと我に返って言い争う事をやめた。
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そんな真逆の反応をした二人だが、先に精霊王の申し出に食い付いたのはエリアテールだった。
「お願い致します! わたくしに出来る事ならば、何でも致しますので!」
即答したエリアテールにイクレイオスが苦痛な表情のまま、ビクリと肩を震わせた。
そんなイクレイオスの反応を見た精霊王が、更に笑みを深める。
「ではまず風巫女、そなたへの条件だ」
「はい」
「そなたは今後その命尽きるまで、最低でも月に二回は我ら風の精霊の為だけに歌を捧げ続ける事を約束しろ」
「え……?」
精霊王の出した条件があまりにも簡単だった為、拍子抜けしたエリアテールが間の抜けた声を出す。
「あの、精霊王様……。そのような簡単な条件でよろしいのですか?」
「そなたにとっては容易い事であろうが、我らにとってはその歌声は何よりも尊き存在なのだ」
「精霊王様よりそのようなお言葉を頂ける事は誠に恐悦至極でございます。その条件、是非お引き受けさせて頂きます」
「よいのか? そなたが思う程、簡単な事ではないぞ? この先、そなたがどのような身の振り方をするとしても、そなたはこの国に留まり、一生かけて我ら風の精霊の為だけに歌を捧げ続けなければならないのだぞ?」
「構いません。それでイクレイオス様の呪いを解いて頂けるのなら」
精霊王を真っ直ぐ見つめ、即答するエリアテールには何の迷いもなかった。
すると精霊王は、エリアテールの隣でうずくまっているイクレイオスの方を見やる。
激痛に耐え抜きながらも、その条件に不満げな様子に精霊王は意地の悪い笑みを浮かべた。
「王太子よ、何やら不満げなようだが?」
「…………いえ」
短く返答したイクレイオスは、精霊王から目を逸らす様に再びエリアテールの肩口に顔を埋め、グッタリする。
例え不満があったとしても今の自分には、それを主張する権利はない……。
その悔しさからイクレイオスは、ギリリと奥歯を噛みしめる。
「次に王太子よ、そなたへの条件だ」
「は……い……」
「我はこの風巫女を大変気に入っている。故にこの風巫女を傷つける者は、どんな存在であろうとも絶対に許さん。そなたに課せる条件は、今後の風巫女の絶対的安全と安らぎだ」
「心得ま……」
「ただし! 約束を違えた場合、我はこの国への風の加護を一切放棄する」
その言葉を聞いた瞬間、二人が同時にビクリと肩を震わせる。
4大精霊王達は何もフラフラと遊んでいる訳ではない。
それぞれが持つ属性に特化した能力で、この国の土地に加護を与え恵みをもたらすという役割を果たしている。
だが、もし風の精霊王が加護を与える事を放棄してしまえば、大気の淀みは更に悪化し、木々や作物は枯れ、国が滅ぶ事となる……。
「それを前提とし、先ほどの我の条件を受け入れろ」
挑発的な笑みを浮かべながら、無茶な条件を突きつけてきた精霊王にエリアテールが固まる。
対してイクレイオスは、苦しそうな状況でありながらもその条件に対する返答を始める。
だが、イクレイオスが口を開こうとした瞬間――――。
「お待ちください! そのような条件はお受け出来かねます!」
珍しく厳しい口調で、エリアテールが話を割って入って来た。
「風巫女よ、我はこの条件を王太子に求めているのだぞ? 何故、そなたが口を挟む?」
「恐れながら……精霊王様のおっしゃっている事は、あろう事かわたくし如きと、この大国コーリングスターを両天秤に掛けるような条件の様に聞こえます」
「我はそのつもりで、この条件を出している」
「それはあまりにも理不尽なご提案でございます!」
「何故、そう思う?」
「まずわたくしは、この国の人間ではございません。そのような外部の人間と、多くの国民が住まうこの国の存亡を同列視する事は、あまりにも不釣り合いではございませんか?」
「そうは思わぬな。以前にも申したが、そなたのその清き魂は類まれない存在だ。我ら精霊側からすれば、決して不釣り合いな内容では無い」
「ですが!」
「お受け……致します……」
「えっ…………?」
精霊王に抗議の声をあげていたエリアテールの言葉を遮るように、急にイクレイオスが口を開いた。
「そちらの条件で……お受け……致します……」
もう一度、今度は二人にはっきりと聞こえるようにイクレイオスが今出せる精一杯の声で、精霊王からの条件を受け入れると宣言する。その言葉を聞いたエリアテールは、一瞬で血の気の引いた顔色になる。
「イクレイオス様……? 何を……何を仰っているのですかっ!? そのような条件を受け入れてはなりません! どうかお考え直しを!」
しかし、イクレイオスはグッタリしながらも首を横に振る。
「先ほどの……条件で、構いません……。ですので……早急に、解呪を、お願い……申し、上げます……」
絞り出す様に精霊王に再度告げるイクレイオスをエリアテールが、今にも泣きだしそうな表情で茫然と見つめ返す。
「良いのか? そなたには解呪をせずにそのまま呪いを受け入れ、呪いと共に運命を歩むという道もあるぞ? さすれば風巫女もこの国に縛られず、そなたのその症状も自然と治まる。この国も無用なリスクを抱える事もなかろう」
その言葉にエリアテールが反応した。
「解呪をせずともイクレイオス様がご無事で過ごされる方法があるのですか!?」
「ああ。王太子がある事を受け入れれば、な」
そう言ってニヤリとしながら、精霊王はイクレイオスを挑発するような視線を向けてきた。
そんな精霊王を激痛に耐え抜きながら、イクレイオスは睨みつける。
だがエリアテールは、その精霊王の提案内容に飛びつく。
「イクレイオス様! その様な方法があるのでしたら、是非そちらでご検討を!」
「ふざ……ける、なっ!! その様な事をすれば……私の心が、死ぬっ!!」
「心が死ぬ……?」
イクレイオスが訴えてきたその言葉の意味が分からず、エリアテールが困惑の色を見せる。
するとイクレイオスは、激痛に耐えながらエリアテールにもたれ掛るのをやめ、精霊王に向って片膝で跪く姿勢を取り、再度解呪を希望する事を懇願した。
「考えは……変わり、ません……。解呪を……お願い、致し、ます……」
そんなイクレイオスの宣言を聞かされた精霊王が、いかにも面白くないという表情を浮かべた。
「つまらん……。もう少し迷え!」
イクレイオスに即答された事が余程面白くなかったようで、精霊王が吐き捨てるように呟いた。
そんな解呪する方向で話が進み始めだした途端、にエリアテールが再び待ったをかける。
「イクレイオス様! お願いでございます……。どうかお考え直し下さいませ!」
「断……る!!」
「ですが! わたくしの所為でこの国が亡ぶような事になってしまったら……」
「なる訳……っ、ない、だろうっ!!」
「何故そう言い切れるのですか!?」
「私が……そのような、事は……絶対に、起こさせんっ!」
痛みの所為もあり、段々と苛立ったイクレイオスの語彙が強まる。
しかし、自分の所為でこの国に危機を招く可能性があるエリアテールも、ここは一歩も引かなかった。
「しかし、どんなにわたくし自身が傷つかぬよう努力しても、こればかりは防ぎようがございません!」
「だからっ……!! そのような事はっ……させ、ないと! それよりも……っ。お前は! 何故、そう……頑固な性を、しているのだっ!!」
もはや痴話ゲンカ状態となり始めた二人の様子を呆れながら眺めていた精霊王だが……。
永遠に繰り返しそうな状況についに怒りを爆発させた。
「二人共、もうよい!! 風巫女! さっさとその間抜けな王太子を解呪してやるから、我を手伝え!!」
精霊王に一喝された二人は、やっと我に返って言い争う事をやめた。
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