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★登場人物や背景の紹介★ ※第14章まで&地図
しおりを挟むこの地図は、現在物語に出てきている国を示した地図です。物語中に登場してくる国も多くなってきたので、読む時の参考にして下さい。
話に名前が出てきているのに名前が載っていない国や、東にあるため地図に載っていない国もありますが、物語が進行していく中で適宜更新していきたいと思います。
物語の進行上、国の名前や形、規模が変わることがありますので、以前見た地図と違うと思われることがあるかもしれませんが、その点はご了承下さい。
◆主要な登場人物◆
●シェニカ・ヒジェイト
主人公。本編開始時点で20歳の女性。小国セゼル出身で、ごく普通の肌色の肌で、肩までかかる黒髪のボブヘアに緑色の瞳をしている。身長は155㎝くらいで細くもなく太くもない体型。
白魔道士の最高位の『白い渡り鳥』と呼ばれる職業で、性格は優しく温厚だが恋愛感情にはとても鈍感。流行なんて皆無の田舎町で育ったからなのか服のセンスが絶望的にダサいが、本人は全くそうは思っていない。カーランの特訓のおかげで、ごくごくたまにマシな選択が出来ることがある。
白魔法の高い能力と人当たりの良さなどから『再生の天使』と呼ばれる有名人。
平民出身で、王族並みに高い身分と様々な特権を持っていても驕り高ぶることはない。
高収入なのに金銭感覚は庶民のままのため、高額な買い物をする時は手が震えたり挙動不審になる。
動物が大好きで、引退して身を寄せた場所にナンパに成功した動物達を飼うハーレム牧場を作りたいと思っているが、動物を人間のナンパの方法でナンパしているため当然フラれている。なのに猛獣に好かれる傾向がある。
興奮すると鼻血が出る時がある。
非力なので剣は振るえず、人を傷つけるだけの威力がある黒魔法は使えない。ただし、怒りで頭が一杯になった時、猛スピードで威力の高い右ストレートを繰り出す。
白魔法の師匠であるローズから教わった、他の人には使えない『便利な魔法』を使える。
親しくなってシェニカを利用したいと思う下心のある人間には嫌悪感を抱き、直感的にそういう人間を感じ取る。
王族や貴族、軍人、神官長と言った公的な人間との接触を避けているので、シェニカとカケラを交換したり親しい間柄になる価値がうなぎ上りに上昇している。
護衛のルクトと恋人になった。
繋ぎの結晶は無色透明。
●ルクト・ヴェルネス
本編開始時点で24歳の男性。
大国ドルトネアの出身で、浅黒い肌で目つきの悪い茶色の瞳をしている。髪は短髪で、元々は綺麗な金髪だが髪を赤く染めていて、荒い気性で口も悪い。愛想もなく鋭い目をしているからか、普通にしていても子供には泣かれるか逃げられる。
シェニカから貰った初級の治療魔法が込められた指輪を左手の人差し指に嵌めている。手先は器用な方だが、書く文字は暗号並みに解読不能で、エアロスに法則性を見出してもらうまで誰も彼の字を読めなかった。身長は185㎝くらいで、脱いだらすごい。(シェニカ談)
黒魔法の適性が高く、炎の魔法を得意とし、剣の腕も確かな『赤い悪魔』と呼ばれ、軍人嫌いでも有名なランクSSの傭兵。
協調性がなく、一匹狼で生きてきたため自分のことだけしか考えない傲慢な性格で、シェニカと出会ってから多少(本当に少し)丸くなった。
シェニカが初めての恋人で、他人の目がある時は手を繋ぐのを恥ずかしがったり、素直に自分の気持ちが言えないという顔に似合わない恥ずかしがり屋。嫉妬深く独占欲の塊で、シェニカに寄ってくる他の男を排除しては優越感に浸っている。
シェニカから右ストレート、強制催眠、激マズなラピンの萼を口に入れられる、という全ての制裁を受けてもめげていない。
繋ぎの結晶は鮮やかな赤に炎のような模様が入っている。
ーー傭兵ーー
●レオン
ルクトのライバルで、雷の魔法を得意とする『青い悪魔』と呼ばれるランクSSの有名な傭兵。
190センチを超える大柄な体躯で、青みがかった短い紺色の髪に黒い目。煙草をよく吸う。背中に長く平べったい重そうな長剣を携えている。
昔はルクトに負けないくらいの激情型な性格をしていたが、色んな経験をして落ち着いたのか、今は冷静に物事を見て要領よく立ち回るようになった。
最初はルクトを警戒していたが、話す内にルクトと気が合うことが分かった。手紙の字は意外と達筆である。
身体が大きい分よく食べ、自分で作る大雑把で豪快な料理は本人がとても気に入っている。
戦場から戻ってくると、とあるマッサージ店に行って疲れを癒やすのが習慣。
4人の『悪魔』の内で、唯一シェニカから制裁を受けていない。
繋ぎの結晶は、深い青色に所々稲光のような模様が入っている。
●シューザ
ルクトのライバルで、どの属性の魔法も上手に使いこなす『黒い悪魔』と呼ばれるランクSSの有名な傭兵。世界中に拠点を置く大規模な傭兵団『黒鷹』のリーダー。
黒髪の長髪で、人間離れした色素のない限りなく白に近い青白い瞳をしている。身長は185㎝くらいでルクトと似たような背格好をしている。
着る服も剣も全部真っ黒にするのがトレードマーク。協調性が高く、とても面倒見のいい性格なので仲間の傭兵達からとても慕われている。
ルクトほどプライドは高くないが、シェニカにプライドを粉砕させられた右ストレートを恐れていて、シェニカの腕が届く範囲に入るととても緊張する。
繋ぎの結晶は、黒色に稲光のような白い筋が斜めに入っている。
●エアロス
ルクトのライバルで、『白い悪魔』と呼ばれる有名なランクSSの傭兵。多民族国家のトリニスタ出身で、14歳くらいで身体の成長が止まるのに、銀髪以外の顔立ちや瞳の色などが徐々に変化するナシュートという変わった民族。
身長は155㎝くらいの小柄で肌は色白、とても頭がいい。子供と変わらない体型のため力は強くない分、撹乱する情報を流したり、身軽さを利用した奇襲攻撃や暗殺術を得意とする。背中に2本の剣を携えている。ルクトの1歳年下。
子供のような見た目を最大限利用して、女性に甘えるのが大好き。その作戦にまんまと騙されるシェニカとイチャイチャしようとするが、嫉妬深いルクトが許さないため必ず喧嘩になる。ルクトとは同族嫌悪なのか、喧嘩するほど仲がいいって奴なのかは不明である。
とても料理が上手で、自分で配合したこだわりのスパイスをいつも持ち歩いている。
シェニカから強制催眠と激マズのラピンの萼を口に入れられる制裁を受けている。
繋ぎの結晶は白色で渦巻く透明な模様が入っている。
●カーラン
シェニカの2番目の護衛。金髪に緑色の瞳をした、面倒見が良く目の人当たりの良いランクAの傭兵。
護衛を務めている間、シェニカのダサさに頭を抱え、筋金入りのセンスの基礎を持ったシェニカのダサさを改善させようと、行く先々の街で彼女に流行の勉強をさせた。神経をすり減らしながら勉強させたその結果は…。
出会った当時、シェニカは成人したばかりの18歳だったため『妹みたい』と公言していた影響で、旅の途中で好意を抱いても『お兄ちゃん』な口癖が抜けず、面倒見の良い性格が災いしてシェニカからは男として意識されることはなかった。
◆4強と言われる大国◆
ーーウィニストラーー
(国の特徴)
大陸の中央部にある大国。西の大国サザベルとは小国を挟むが近い位置にあるため、ドルトネア、ジナの2つの大国よりもサザベルを意識した防衛線を構築している。
温暖な気候の平原にあるため、他の3つの大国に比べて気性は比較的穏やかな傾向がある。周辺に勃興する新興国からは、穏やかな気性だから簡単に侵略できるのではないかと舐めてかかられて侵略戦争を起こされるが、ウィニストラの国境線がごくわずかでも変化したことは一度もない。
特産は小麦や米などの豊かな農産物で、多くの食糧を他国に輸出している。内政、経済は安定しているが、規模の大小はあるが川の氾濫などが頻繁に起こることが悩みの種。
●バルジアラ
大国ウィニストラの軍部の頂点に立つ筆頭将軍。銀髪に灰色の瞳をした、2メートルを超える大柄な男性。戦場でもそうでない場所でも圧倒的な存在感を醸し出すため、目立つ銀髪から『銀の将軍』と呼ばれている。
ルクトが戦いを挑んだが惨敗し、それ以降、ルクトの憎悪と復讐の対象となっている。
●ディスコーニ
金髪に青い瞳。タレ目が穏やかに笑っているような印象を与える顔立ちをしている。元々はバルジアラの腹心の副官で、最近将軍になった。
サザベルのユド、ジナのリヴェル、ドルトネアのアズネイトとライバル関係にある。
ーーサザベルーー
(国の特徴)
大陸の西側にある海を臨む大国。国が出来た当初は小国に過ぎなかったが、海の荒くれ者の激しい気性のせいもあってか、あっという間に周辺国を侵略し、数年後には大国に成長した。
海を挟んで向かいにある島国や周辺の小国から頻繁に侵略戦争をしかけられているが、優秀な軍人が揃っているので防衛戦が失敗したことはない。
海を挟んで向かいにある島々は、サザベル以外の国にもよく侵略戦争を行っているので、頻繁に難民が押し寄せてくる。難民保護の観点から難民を受け入れているが、受け入れ先の治安が悪くなったり、経済が不安定になったり、元々住んでいる住民との間で頻繁にイザコザが起きている。サザベル領内に独立国家を建てようとしている難民がいて、その者たちを何度も排除しているが溢れるように出て来るのが悩みの種。
特産は海産物や海を使った観光業で、経済や内政は安定している。
●ディネード
大国サザベルの筆頭将軍で高い黒魔法の適性を持つ人。
●ユド
茶髪で眼光が鋭い195㎝くらいの長身。元々はディネードの腹心の副官で、最近将軍になった。
ウィニストラのディスコーニ、ジナのリヴェル、ドルトネアのアズネイトとライバル関係にある。
ーードルトネアーー
(国の特徴)
高い山々に囲まれた小さな平原を切り拓いた場所に首都を置き、そこを見下ろすように囲む山から鉱石を掘り出すことを産業にして生まれた国。
土壌が悪いのか、作物が育たない不毛の地のため、食糧を求めて山の外にあった緑豊かな小国を侵攻し続け大国になった。
大国となった当初は国民に十分な食糧を与えられたが、ドルトネアの人口が増え続けたため、次第に食糧が足りなくなってしまった。
大国となった後、今までと同じように周辺国に侵略戦争をしようとすると、他の大国、特に近くにあるジナを刺激して世界中が疲弊する大戦になる可能性があるため侵略戦争は出来なかった。
そのため、国外で働く傭兵に高い税率をかけて多額の収入を得て食糧を輸入に頼っているが、食糧事情が根本的に解決しないのが悩みの種。
厳しい環境で生まれ育つためか、気性は荒く好戦的で、闘争心が強い。傭兵や軍人の育成に力を入れていて、闘争心を刺激するような独特の教育を施し実力主義を徹底的に植え付けている。
特産は鉱石と優秀な傭兵。
●ファミシール
ルクトの姉でヴェルネス家の次女。夫のストラードとは大変仲が良く、一緒に薬草の旅商人をしている。
小さい頃から荒い気性を遺憾なく発揮し、馬鹿にされたことを言われたり、納得いかないことを言われると、キレて破壊力抜群の蹴りが繰り出される。
憎たらしい弟ではなく、可愛い妹が欲しかったファミシールは、シェニカをとても可愛く思っていて、いつの日かルクトと結婚してくれることを夢見ている。
●アズネイト
元々は筆頭将軍の腹心の副官で、最近将軍になった。
ウィニストラのディスコーニ、ジナのリヴェル、サザベルのユドとライバル関係にある。
ーージナーー
(国の特徴)
山と同じくらいの巨人が剣で大きな山を一直線で切り落としたかのような、ほぼ一直線な広大な台地の全てがジナの領土。
その首都にある1番高い王宮からは、ジナから比較的近い大国ドルトネアの首都を囲む山々、台地の下に広がる小国や、遠く離れた平原にある大国ウィニストラまで見晴らせると言われる。
かつては広い台地の上にいくつもの国があったが、侵略戦争を繰り返して一番最初に大国になった。クーデターは起きず、たまに起きる侵略戦争にも屈していない。存続する歴史が古い国の1つに数えられている。
大地の下に広がる小国がわざわざ大地の上のジナに攻め込んでくることは滅多にないので比較的平和なのだが、そのために侵略への危機感や闘争心がないのが悩みの種。
そのため、軍部に入る者にはドルトネアを始めとした大国を敵視させることで、強い闘争心を植え付けている。
国民は平和を享受した穏やかな性格をしているが、軍人は互いに蹴落とし合う競争心に溢れた性格をしていることが多い。
特産は高地特有の動物製品と農作物。
●リヴェル
元々は筆頭将軍の腹心の副官で、最近将軍になった。
ウィニストラのディスコーニ、ドルトネアのアズネイト、サザベルのユドとライバル関係にある。
◆その他の国や人物◆
ーーセゼルーー
(国の特徴)
緑豊かな牧草地帯が広がる小国で、穏やかな気候のため国民の性格も穏やかでのんびりしていることが多い。
流石に軍人は厳しい規律の元で根性を叩き直されるので、階級が上がれば上がるほど穏やかでのんびりした性格が抜けて競争心と闘争心に溢れた軍人らしいものになっている。
特産の馬は身体が大きな軍馬、普通の移動に使う馬があるが、とても良質の馬だと評判。馬の産地になっている所では、学校の授業で軍馬の乗り方まで教えている。
特産は馬や牛、羊や山羊といった家畜と、牧畜で出来る牛乳やチーズ、毛糸などの製品。
●ローズ
セゼル出身の元『白い渡り鳥』で、シェニカの師匠のお婆ちゃん。シェニカの故郷ダーファスという田舎町の神殿で巫女頭をしている。現役の『白い渡り鳥』をしている時は、『再生の白薔薇』と呼ばれた有名な人。
引退した今でも影響力がかなり強く、その発言力は権力欲に塗れた者達を始め、行った先の国王すら黙らせるが、権力を振りかざすのは嫌いなため小言くらいで止めている。
真面目で素直なシェニカをとても愛おしく思っている。
真面目で厳しいが基本的には穏やかな性格。でも怒ると物凄く怖い。(シェニカ談)
若い頃は気が強く、綺麗で素敵な女性で引退した今でも国内外に彼女のファンがいる。シェニカを6年間みっちりと教育したため、シェニカはすっかりローズと似たような考えと感性を持つようになった。
シェニカに『白い渡り鳥』の洗礼を与えた時、代々優秀な者が受け継いできた額飾りをシェニカに譲り、シェニカの旅立ちの時には便利な魔法の辞書を授けた。
ーートリニスターー
(国の特徴)
元々は幾つもの民族がそれぞれ小さな国を持っていたが、他国からの脅威に備えるために各民族が結束して出来た国で、民族の数だけ領主がいる多民族国家。
色にこだわる民族、民族で統一した髪型を大事にする民族、料理好きが高じたのかパフォーマンスに走った民族、他にはない身体的特徴がある民族など、様々な民族が国中にいるため異文化交流感覚で訪れる観光客が多い。
『白い渡り鳥』が滅多に訪れないことと、軍には多くの民族が所属しているものの、生活習慣や性格などに違いがあり過ぎて、平常時はまとまりがないのが悩みの種。
国王は各民族の代表が集まって6年に1度の話し合いで決まるのだが、その決める方法はその時の国王が決める。
クジ引きだったり、じゃんけんだったり、早食い競争だったりと、その決め方が自由なため国王を選ぶ時の首都はお祭り騒ぎになる。
ちなみに筆頭将軍は将軍の中で1番強い者ではなく、人望のある将軍が選ばれる。(そうしないと各民族出身の将軍達の個性が強すぎて軍がまとまらない)
宰相や大臣などの中枢部の役目をする人は、我こそは!と手を上げた者達が役職を決めずにとりあえず口を出す状態なので、王宮には多数の口うるさい人達で無法状態の賑やか過ぎることになっている。
まとまらない意見をまとめるのが国王なのだが、その国王を決める方法が自由なため、あまりまとまっていない。内政は各民族が自治しているから安定していても、外交がボロボロである。
侵略戦争は起こさないが防衛戦になると、各民族の軍人が強い団結力を発揮するので、防衛面はちゃんとしている。
今まで王宮に行った『白い渡り鳥』は、繋がりを持とうとする無法状態の人達が押し寄せてくることに辟易してしまったため、寄り付かなくなってしまっていることにトリニスタの王宮にいる者は誰も気付いていない。
特産は各民族がこだわって作る工芸品や観光。
ーートラントーー
(国の特徴)
歴史が古い国の1つで、かつては平和主義を声高に叫ぶ学者が多数集まる『学術の国』と言われていたが、頻繁に侵略戦争が仕掛けられる内に、平和主義の声は世論にかき消されて、現在の国王に代替わりすると一気に『戦争の国』へと変貌した。優秀な学者たちは、追い出されるように世界中の国々に亡命した。
周辺国に頻繁に侵略戦争を仕掛けているため、国内の財政状況があまり良くないのが悩みの種。
領土や国力は中規模な国で、一部地域で作る染め物くらいしか特産がないが、国内のすべての街や村に高い税金を課している。
街や村がその税金が支払えなければ猶予期間を設けるなど柔軟な対処をすること、『白い渡り鳥』が頻繁に訪れることから、国内の悪政に声を上げて民衆が蜂起を起こすまでには至っていない。
特産は果樹や砂を使って作るベルチェピンクというピンク色の染め物。
●アステラ
トラントの筆頭将軍。身体が大きく屈強な男性。
ーーポルペア(旧マードリア)ーー
(国の特徴)
切り立った険しい山々がある鉱山国。多数の金脈を抱える国で、金の売買をしているため財政的には安定している。
マードリアの時代は隣国の大国サザベルと軍事同盟を結んでいた。
特産は果樹や金塊、金製品。治療に訪れる『白い渡り鳥』が滅多に訪問しないのが悩みの種。
●ジルヘイド
色黒の肌に黒い髪、赤い目をした精悍な顔立ちの男性。左の目尻に泣きぼくろがある。元々は『黒豹将軍』と呼ばれるマードリアの筆頭将軍だったが、マードリアの最後の王により国家反逆罪の罪を着せられて拷問の上投獄された。
仲間の手助けで脱獄した後は身を隠しながらなんとか治療の機会を伺っていた。偶然再会したシェニカの手によって治療を受けた後、マードリア国王に対するクーデターを起こし見事成功させた。
穏やかな性格で部下の信頼も厚く、軍人嫌いのルクトでさえ好印象を抱いている。
●エルシード
ジルヘイド達がクーデターを起こす時に擁したマードリアの第5王子。
マードリアの王子時代は外交の舞台には一切出ていないため、ポルペアの国王になって以降も他国からは得体の知れない国王として認知されている。
ーーギルキアーー
(国の特徴)
温泉の湯脈が豊富にあるため、国内にはたくさんの温泉地がある。
戦争が起こりそうな空気になると、その国の重鎮を温泉地に招いて過剰なほどの接待をして戦争を外交努力で回避している。
ここ数年、その外交努力のおかげで戦争が落ち着いているのは良いことなのだが、その分、軍の活躍の場が減っているため軍の中で士気の低下が続いていることが悩みの種。
兵士は有事の際には真っ先に敵を制圧しないといけないのに、平和ボケし始めている兵士は日頃の鍛錬もおざなりになりつつあり、副官と将軍を除いた上級兵士でさえもその影響を受けている。
頭を抱えた将軍たちが、王族の目の前で行うコロシアム形式の御前演習を催したりしているものの、士気を上げるような褒賞がない上に昇進しても活躍の場がないことから、士気低下に歯止めがかかっていない。
周辺国のセゼルやウィニストラなどの国とは良好な関係を維持しているからか、外交努力が優秀すぎるのか、兵士や国民に侵略戦争への危機感や恐怖心は薄い。
疲れを癒やす効果抜群の温泉があるからか、単に平和ボケしているのか、『例え敵国の兵士が来ても、一緒に温泉に入れば綺麗サッパリ戦いのことは忘れて帰って行く』と言って憚らない者が多い。
平和ボケの影響は王族にまで及んでいるのか、王宮を訪れたシェニカと繋がりを持とうとした王太子は、後先考えずにいきなりシェニカに狼藉を働こうとしていた。この国の将来は、国王を上手く操縦する優秀な貴族にかかっているらしい。
特産は特産物は特にないが、温泉をメインとした観光が有名。
●イルバ
下級兵士時代にシェニカに治療してもらった際、彼女の優しい言葉と笑顔に一目惚れをした。もう一度会いたいと熱望したが、常に旅をしているシェニカは行き先が分からない上に神殿新聞からは何の情報も得られないため、階級が上がれば情報を得られるかもしれないと思い、訪問があった時に直接会える副官を目指した。
実力は副官と同等レベルになったのに昇進の機会に恵まれなかった頃、シェニカへの気持ちがあるのに昇進の機会に恵まれない者がいると知った神官長が接近してきた。シェニカの情報を与え、訪問があったときには夫として紹介するという神官長の誘いに乗って退役して、アネシスの神殿の神官長補佐に就いた。
念願だったシェニカがアネシスを訪問したのだが、神殿関係者を警戒対象としか捉えないシェニカは彼と距離を置こうとする上に、恋人になってしまっていたルクトに邪魔をされて、距離を縮めることは叶わなかった。
その後、何とか自分の気持ちをシェニカに伝えたものの、ルクトだけしか見ていないシェニカには気持ちが届くことはなかったと彼は思っているが、彼の嘘偽りない真っ直ぐな気持ちはシェニカの心に小さな風穴を開けた。
ーーアビテードーー
年間10か月も雪に閉ざされる大陸の最北の地にある雪国。領土は大国と変わらないくらい広いのだが、ほぼ1年中雪が大地を覆っているため作物が育ちにくい不毛の地で、難民すら逃げ込まないという不人気ナンバーワンの国。
過酷な環境であり、不毛の土地だからか他国から侵略戦争を起こされていないため、『戦争から忘れられた国』と言われている。
不毛の土地であるため食糧は温室栽培したものが主流。家庭では小規模な温室で作物を育て、貴族や王宮、軍の施設では規模の大きな温室で野菜や果物、穀物などを育てている。
過酷な土地で生き抜いていくためには老若男女問わずに力を合わせる必要があるため、国民の結束はとても固い。
雪に閉ざされているので色白の肌をしていて、日焼けや火傷は重症化しやすい体質をしている。自由を縛られるのを嫌う傾向があるため、尊敬できる人が国王にならないと、国民を始め軍も中枢もまとまらない。そのため、国王は今までの功績が認められて褒賞を受けた人の中から選挙で選ばれる。
過酷な自然は時に辛い試練のような災害を引き起こしてきたが、持ち前の団結力の強さと『自然の脅威は仕方のないこと』という災害も当然の出来事として受け止めて乗り越えて来たため、特に悩みもないとても平和な国である。
特産も観光名所もないが、シェニカは義理堅い国民性や温室野菜にとても魅力を感じている。
●メーコ
アビテード出身の大貴族で、元ランクSSの『桃色宣教師』と呼ばれた色んな意味で恐れられた伝説の傭兵。本名はゴメス。
ピンク色と薔薇、純粋な物をこよなく愛しているため、純粋なシェニカを溺愛している。
190㎝くらいでレオン並の巨体のオネエ。濃い緑色の短髪に暗緑色の瞳をしていて、青髭のある顎は割れている。地声は男性らしい地を這うような低い声だが、オネエモードになると高い声で身体をくねらせてとても楽しそうに喋る。
アビテードの縛られることが大嫌いな国民性がとても強く表れていて、自由を制限するような物事が許せない。
ルクト以上に短気で激しい性格だが、シェニカとはとても気が合う。どう見ても男にしか見えないのだが、シェニカの目には『お姉ちゃん』『乙女』として映っている。
メーコの屋敷では、シェニカとメーコにものすごく懐いた絶滅危惧種の猛獣5匹が飼われている。
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