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1章
7.5 sideレオン その2
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可愛い
可愛い
可愛い
嬉しい
嬉しい
嬉しい
君がそこにいる。
それだけて幸福。
心の穴が埋まった。
パズルのピースがピタリと嵌まったときのように満足感で一杯になる。
神の与えしこの僥倖に感謝しながら、俺はまだ十に満たないこの少女に最上級の挨拶をした。
「私はレオン・フォレスト。末永くお付き合い頂きますよう」
そして小さな手の甲にキスを落とす。
驚いて溢れそうになるほど目を見開いている。
可愛い。
その顔を見つめると恥ずかしいのか頬を赤らめている。
愛しい。
「早速口説くな、レオン」
と少女の兄、アレクサンドライトによって手を払われても幸福感は逃げない。
彼女がそこにいるのだから、それで気持ちは完結する。
久しぶりに会う兄に抱き込まれてしまう小さな身体が可愛らしい。
アレクとの関係やシルエット邸に招待されたことを聞いている真剣な横顔も愛おしい。
「はじめまして。ソフィア・シルエットです」
美しく気品あるカテーシーをもらい、俺はこの子の為にために生きるんだと人生の目的に気付いたのだった。
邸のだれもが彼女を愛していることがわかる。
それはそうだろう。
彼女の存在の輝きは、そこにいるだけで周囲に幸福感をもたらす程だ。
だが、ソフィア自体は不思議な子だった。
無口かと思えば理路整然とした大人顔負けの意見を述べる。
年齢にそぐわない落ち着きを持ち、どこか俯瞰的立場から全体を眺めるような話ぶりは神々しい超越感すら覚える。
なのにちょっとした仕草は年相応の幼さと可愛いらしさで、遺憾なく周囲を魅了する。
可愛いくて、愛おしくて、面白い。
こんな感想を抱くとは、それ自体も面白い。
バザーの話ではあまりの愉快さに心が踊った。
歴史あるシルエット邸の物を売るなどと言い出し、終いにはシルエット邸の掃除をして贅沢を断ち、捨て、離れるのだと、貴族として本末転倒な表現をした。
その場の皆が困惑する様もおかしかった。
ソフィアの表現は貴族社会の成り立ちや、シルエット家の歴史が作り上げたプライドなど、階級社会における強者の矜持を揺るがす言い方だ。
だが、そこに気付いている者は僅かだ。
それほど突飛なことを言っている。
困惑の理由が解っていない皆の呆け顔がおかしくて、ついソフィアの意見にちゃちゃをいれてしまった。
するとどうだ。
切り口を変えて自分の意見のメリットを社会面と個人面で説明し、シルエット辺境伯とその婦人の了承を得てしまった!
頭の回転が早い。
意見に軸がしっかりとあり、始まりと終わりを見据えている。
そして根底にある概念が終始ぶれない。
博識に支えられた提案だ。
やばい。
可愛いだけじゃなく、面白いなんて魅力的過ぎる。
凄いね、と褒め称えるだけではなく、自分がこの手で支えたい。
歩調を合わせて共に歩きたい。
彼女の力になりたい。
ああ、もう、直ぐにでもシルエット伯に婚約したい旨を伝えたい。
辺境伯がそのつもりで今回招待してくれたことは、婦人の態度でもう確定している。
そして王都に帰ったら父に婚約の準備を整えてもらおう。
いや、すぐ帰ってしまうのはもったいない。
なるべく長く滞在して、まずは手紙を送ろう。
この与えられた遊学の機会を彼女と過ごしながら、時間を無駄にせず外堀を埋めるのだ。
彼女はまだ恋や愛を知らないのだろう。
挨拶をしたときの初さでわかった。
その彼女がこの先恋をし胸を焦がし乞い求める相手が俺であればいい。
先程までは彼女に出会えただけで幸福感を得られていたというのに、もう今は、さらに欲深い願いに囚われていくのだった。
可愛い
可愛い
嬉しい
嬉しい
嬉しい
君がそこにいる。
それだけて幸福。
心の穴が埋まった。
パズルのピースがピタリと嵌まったときのように満足感で一杯になる。
神の与えしこの僥倖に感謝しながら、俺はまだ十に満たないこの少女に最上級の挨拶をした。
「私はレオン・フォレスト。末永くお付き合い頂きますよう」
そして小さな手の甲にキスを落とす。
驚いて溢れそうになるほど目を見開いている。
可愛い。
その顔を見つめると恥ずかしいのか頬を赤らめている。
愛しい。
「早速口説くな、レオン」
と少女の兄、アレクサンドライトによって手を払われても幸福感は逃げない。
彼女がそこにいるのだから、それで気持ちは完結する。
久しぶりに会う兄に抱き込まれてしまう小さな身体が可愛らしい。
アレクとの関係やシルエット邸に招待されたことを聞いている真剣な横顔も愛おしい。
「はじめまして。ソフィア・シルエットです」
美しく気品あるカテーシーをもらい、俺はこの子の為にために生きるんだと人生の目的に気付いたのだった。
邸のだれもが彼女を愛していることがわかる。
それはそうだろう。
彼女の存在の輝きは、そこにいるだけで周囲に幸福感をもたらす程だ。
だが、ソフィア自体は不思議な子だった。
無口かと思えば理路整然とした大人顔負けの意見を述べる。
年齢にそぐわない落ち着きを持ち、どこか俯瞰的立場から全体を眺めるような話ぶりは神々しい超越感すら覚える。
なのにちょっとした仕草は年相応の幼さと可愛いらしさで、遺憾なく周囲を魅了する。
可愛いくて、愛おしくて、面白い。
こんな感想を抱くとは、それ自体も面白い。
バザーの話ではあまりの愉快さに心が踊った。
歴史あるシルエット邸の物を売るなどと言い出し、終いにはシルエット邸の掃除をして贅沢を断ち、捨て、離れるのだと、貴族として本末転倒な表現をした。
その場の皆が困惑する様もおかしかった。
ソフィアの表現は貴族社会の成り立ちや、シルエット家の歴史が作り上げたプライドなど、階級社会における強者の矜持を揺るがす言い方だ。
だが、そこに気付いている者は僅かだ。
それほど突飛なことを言っている。
困惑の理由が解っていない皆の呆け顔がおかしくて、ついソフィアの意見にちゃちゃをいれてしまった。
するとどうだ。
切り口を変えて自分の意見のメリットを社会面と個人面で説明し、シルエット辺境伯とその婦人の了承を得てしまった!
頭の回転が早い。
意見に軸がしっかりとあり、始まりと終わりを見据えている。
そして根底にある概念が終始ぶれない。
博識に支えられた提案だ。
やばい。
可愛いだけじゃなく、面白いなんて魅力的過ぎる。
凄いね、と褒め称えるだけではなく、自分がこの手で支えたい。
歩調を合わせて共に歩きたい。
彼女の力になりたい。
ああ、もう、直ぐにでもシルエット伯に婚約したい旨を伝えたい。
辺境伯がそのつもりで今回招待してくれたことは、婦人の態度でもう確定している。
そして王都に帰ったら父に婚約の準備を整えてもらおう。
いや、すぐ帰ってしまうのはもったいない。
なるべく長く滞在して、まずは手紙を送ろう。
この与えられた遊学の機会を彼女と過ごしながら、時間を無駄にせず外堀を埋めるのだ。
彼女はまだ恋や愛を知らないのだろう。
挨拶をしたときの初さでわかった。
その彼女がこの先恋をし胸を焦がし乞い求める相手が俺であればいい。
先程までは彼女に出会えただけで幸福感を得られていたというのに、もう今は、さらに欲深い願いに囚われていくのだった。
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