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1章
39. 誕生パーティーは笑顔で
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入浴後、普段は使わない香油を塗りたくられて、マッサージされて、身体はぽかぽか、お肌はふんわりツルツルになったのはつい先程です。
「ん~、いい匂い。すべすべ気持ちいい」
と頬ずりまでし始めたレオン様をようやくアレク兄様が引っぺがしてくれます。
「~~~!!!」
私はもう赤面、涙目です。
「後になさって下さいまし!」
シャロンと侍女たちが飛んで来て私の身なりを直します。
後って、後って、後でも嫌よ、こんなドキドキ不安定は!
「だって、ソフィア嬢、いつにも増して可愛いんだもん」
「もんじゃない! 調子に乗るな!」
ソファーでレオン様とアレク兄様がじゃれ合っています。
大型犬ですね。
ずっとそこで遊んでいて下さい。
心を落ち着けるためにメイドのセイセイがハーブティーを用意する。
飲みながら大型犬2匹に潰されたドレスが整えられていく。
今日も青のドレスだ。
胸元には青いグラデーションの花がいくつも飾られ、デコルテの白いレースには金の小花が光を反射している。
袖とスカートの裾には花とツタが金の刺繍で優雅に描かれ、スカートのドレープは複雑で華々しく見ごたえたっぷりだ。
ふんわり優雅に編み込まれたハーフアップの髪には色とりどりの花が散っている。
目元を拭いてお化粧も直して。
「整いました。本当に美しいです」
そう言ったシャロンは「男共は近寄るな」と殺気を醸し出して、私のそばからしばらく離れませんでした。
そうこうするうちにパティー会場へ入場する時間が迫り、私は紳士に戻ったレオン様とアレク兄様お二人の贅沢なエスコートで、大ホールの控室に向かう。
その途中、王都から衣装作りのために来てくれた30人以上の使用人たちが花道を作ってくれていた。
「おめでとうございます」
「おめでとうございます、お嬢様」
1か月間で程よく仲良しになれた皆なので、ちょっと感動。
チャリティーバザーの大成功も彼女たちのお陰なので、お礼を言いたいのは私の方だ。
控室に着くとレオン様もアレク兄様も会場に戻ってしまいました。
代わってお父様とお母様が迎えに来てくれます。
「我がお姫様は素晴らしく美しいね」
「ええ、とっても可愛いわ、ソフィア」
お褒めの言葉に勇気と自信を頂いて、いざ入場です。
暗幕を潜ると大ホールの2階バルコニーへ出る。
ここからの入場は主役感がすごいです!
シャンデリアの下の大ホールには大勢のドレスアップした人がいて、皆の視線が集まるのがわかった。
見られています。
かつてない程、見られています。
でも大丈夫。エスコートはお父様だし、お母様も横についていて下さる。
シャロンもギリギリまで髪型やドレスを整えてくれていたし、レオン様も褒めてくれた。
ホールの中は宝石や金や銀があちこちで輝いていて、眼下に広がるお客様はとても煌めいています。
上から一望するのも見ごたえあるわねぇ。
相変わらず私は、状況に対しての緊張はしないようです。
レオン様は例外です。
「この度は我が娘、ソフィアの10歳の誕生日を祝うためにお集り頂き、ありがとうございます。どうか皆さま、お見知りおき下さい」
お父様の張りのある良く通る声が私を紹介すると、私は膝を折ってご挨拶した。開場中から拍手と喝采が湧く。
楽団が音楽を奏で、人々はバルコニーの階段下に集まる。
私はお父様にエスコートされてカーブを描いた階段を慎重に下りる。
花びらが舞っている。
見上げると花道を作っていた使用人たちがバルコニーの上から花びらを散らしてくれています。
にっこり、目でお礼をすると、使用人たちの笑顔も深まりました。
階段の下にはアレク兄様とアド兄様がいて、家族がそこに集まると人々が寄って来た。
きっとこれも序列があるのでしょう。
先ずはフォレスト侯爵一家が正面に立ち、ご挨拶を交わします。
「お誕生日おめでとうございます。そして、チャリティーバザーも見事でした。あれだけの領民を集められるとは、すばらしい企画力だ」
「衣装や食器の再活用も素晴らしいアイデアだわ」
「露店の料理も大好評だったね。食べてみたかったよ」
フォレスト侯爵ご一家が次々とお祝いの言葉と共に、バザーの成功を祝してくれる。
そして最後はレオン様。
お父様が私の手を傍から見て分かるように促して、レオン様に預けた。
同時に周囲に小さなどよめきが起きた。
レオン様に手を取られて向かい合う。
ああ、婚約者になるということはこういうことなのね、と理解する。
お父様とお母様はそのまま来賓客の社交へと戻って行った。
「こちらへ」
レオン様に促されてテーブルの一角に落ち着く。
横にはレオン様、反対側にはアレク兄様とアド兄様。
背後には執事のセバスチャンとそれぞれの従者たち。
鉄壁のガードが組まれたこのテーブルに近づくのは、それなりの理由が無いと難しい。
まず、挨拶に現れるのは麾下の貴族たちだ。
さすがのアレク兄様は見知っているので、対応を任せます。
同年代の娘さんがいるご家庭もあるので腰を浮かせようとすると、レオン様にくん、と手を引かれました。相手にしなくて良いらしい。
その辺の線引きがわかりません。
しばらくすると、街の有力者たちが代わるがわる挨拶に来ます。
やはり、同年代のお子様がいる家庭がありますが、こちらは控えていたセバスチャンが対応。
お兄様も声を掛けません。
私はただにこにこしていれば良いだけだった。
貴族って、すごいな。
こんなに明確に階級によって扱いが変わるのね。
話しかけたいと思った人に話しかけるわけにもいかないのか。
もっと簡単に色々な人と仲良くなれればいいのに。
でも私はシルエット辺境伯の娘として恩恵を受ける身です。
役割をしっかり果たす必要があります。
あっちを見てもにこにこ、こっちを見てもにこにこ、とにかく笑顔を振りまきます。
「ソフィア嬢、俺を見て」
お隣からレオン様がなぜか懇願してきます。
「なんでしょう?」
にこにこ笑顔のまま、レオン様と向き合います。
「よくやった、レオン様」
アド兄様がお褒めの言葉をかけています。
本当になんでしょう?
「ノックアウト続出で収拾がつかなくなりそうだ」
アレク兄様がため息まじりに言いました。
・・・?
何のこと?
「ん~、いい匂い。すべすべ気持ちいい」
と頬ずりまでし始めたレオン様をようやくアレク兄様が引っぺがしてくれます。
「~~~!!!」
私はもう赤面、涙目です。
「後になさって下さいまし!」
シャロンと侍女たちが飛んで来て私の身なりを直します。
後って、後って、後でも嫌よ、こんなドキドキ不安定は!
「だって、ソフィア嬢、いつにも増して可愛いんだもん」
「もんじゃない! 調子に乗るな!」
ソファーでレオン様とアレク兄様がじゃれ合っています。
大型犬ですね。
ずっとそこで遊んでいて下さい。
心を落ち着けるためにメイドのセイセイがハーブティーを用意する。
飲みながら大型犬2匹に潰されたドレスが整えられていく。
今日も青のドレスだ。
胸元には青いグラデーションの花がいくつも飾られ、デコルテの白いレースには金の小花が光を反射している。
袖とスカートの裾には花とツタが金の刺繍で優雅に描かれ、スカートのドレープは複雑で華々しく見ごたえたっぷりだ。
ふんわり優雅に編み込まれたハーフアップの髪には色とりどりの花が散っている。
目元を拭いてお化粧も直して。
「整いました。本当に美しいです」
そう言ったシャロンは「男共は近寄るな」と殺気を醸し出して、私のそばからしばらく離れませんでした。
そうこうするうちにパティー会場へ入場する時間が迫り、私は紳士に戻ったレオン様とアレク兄様お二人の贅沢なエスコートで、大ホールの控室に向かう。
その途中、王都から衣装作りのために来てくれた30人以上の使用人たちが花道を作ってくれていた。
「おめでとうございます」
「おめでとうございます、お嬢様」
1か月間で程よく仲良しになれた皆なので、ちょっと感動。
チャリティーバザーの大成功も彼女たちのお陰なので、お礼を言いたいのは私の方だ。
控室に着くとレオン様もアレク兄様も会場に戻ってしまいました。
代わってお父様とお母様が迎えに来てくれます。
「我がお姫様は素晴らしく美しいね」
「ええ、とっても可愛いわ、ソフィア」
お褒めの言葉に勇気と自信を頂いて、いざ入場です。
暗幕を潜ると大ホールの2階バルコニーへ出る。
ここからの入場は主役感がすごいです!
シャンデリアの下の大ホールには大勢のドレスアップした人がいて、皆の視線が集まるのがわかった。
見られています。
かつてない程、見られています。
でも大丈夫。エスコートはお父様だし、お母様も横についていて下さる。
シャロンもギリギリまで髪型やドレスを整えてくれていたし、レオン様も褒めてくれた。
ホールの中は宝石や金や銀があちこちで輝いていて、眼下に広がるお客様はとても煌めいています。
上から一望するのも見ごたえあるわねぇ。
相変わらず私は、状況に対しての緊張はしないようです。
レオン様は例外です。
「この度は我が娘、ソフィアの10歳の誕生日を祝うためにお集り頂き、ありがとうございます。どうか皆さま、お見知りおき下さい」
お父様の張りのある良く通る声が私を紹介すると、私は膝を折ってご挨拶した。開場中から拍手と喝采が湧く。
楽団が音楽を奏で、人々はバルコニーの階段下に集まる。
私はお父様にエスコートされてカーブを描いた階段を慎重に下りる。
花びらが舞っている。
見上げると花道を作っていた使用人たちがバルコニーの上から花びらを散らしてくれています。
にっこり、目でお礼をすると、使用人たちの笑顔も深まりました。
階段の下にはアレク兄様とアド兄様がいて、家族がそこに集まると人々が寄って来た。
きっとこれも序列があるのでしょう。
先ずはフォレスト侯爵一家が正面に立ち、ご挨拶を交わします。
「お誕生日おめでとうございます。そして、チャリティーバザーも見事でした。あれだけの領民を集められるとは、すばらしい企画力だ」
「衣装や食器の再活用も素晴らしいアイデアだわ」
「露店の料理も大好評だったね。食べてみたかったよ」
フォレスト侯爵ご一家が次々とお祝いの言葉と共に、バザーの成功を祝してくれる。
そして最後はレオン様。
お父様が私の手を傍から見て分かるように促して、レオン様に預けた。
同時に周囲に小さなどよめきが起きた。
レオン様に手を取られて向かい合う。
ああ、婚約者になるということはこういうことなのね、と理解する。
お父様とお母様はそのまま来賓客の社交へと戻って行った。
「こちらへ」
レオン様に促されてテーブルの一角に落ち着く。
横にはレオン様、反対側にはアレク兄様とアド兄様。
背後には執事のセバスチャンとそれぞれの従者たち。
鉄壁のガードが組まれたこのテーブルに近づくのは、それなりの理由が無いと難しい。
まず、挨拶に現れるのは麾下の貴族たちだ。
さすがのアレク兄様は見知っているので、対応を任せます。
同年代の娘さんがいるご家庭もあるので腰を浮かせようとすると、レオン様にくん、と手を引かれました。相手にしなくて良いらしい。
その辺の線引きがわかりません。
しばらくすると、街の有力者たちが代わるがわる挨拶に来ます。
やはり、同年代のお子様がいる家庭がありますが、こちらは控えていたセバスチャンが対応。
お兄様も声を掛けません。
私はただにこにこしていれば良いだけだった。
貴族って、すごいな。
こんなに明確に階級によって扱いが変わるのね。
話しかけたいと思った人に話しかけるわけにもいかないのか。
もっと簡単に色々な人と仲良くなれればいいのに。
でも私はシルエット辺境伯の娘として恩恵を受ける身です。
役割をしっかり果たす必要があります。
あっちを見てもにこにこ、こっちを見てもにこにこ、とにかく笑顔を振りまきます。
「ソフィア嬢、俺を見て」
お隣からレオン様がなぜか懇願してきます。
「なんでしょう?」
にこにこ笑顔のまま、レオン様と向き合います。
「よくやった、レオン様」
アド兄様がお褒めの言葉をかけています。
本当になんでしょう?
「ノックアウト続出で収拾がつかなくなりそうだ」
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・・・?
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