人生二度目の悪役令嬢は、最強の騎士団長に溺愛される

腐ったバナナ

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10話

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 私たちは、王家の秘密が記された書物を手に、王宮の書庫を後にした。

 書物を読んだユリアーナは、自分の母が王家の血を引く隠された王女であり、王家の闇から私を守るために、私を悪役令嬢として生かしたのだと知った。

 その事実に、私の胸は締め付けられるような痛みを感じた。

「…母は、私を愛していた…」

 私の言葉に、レオニダスは優しく微笑んだ。

「はい。あなたの母は、あなたを心から愛していました。だから、あなたを王家の陰謀から守ろうとしたのです」

 彼の言葉に、私は安堵の涙を流した。

 私は、ずっと孤独だと思っていた。

 しかし、私を愛し、守ろうとしてくれた人が、こんなにも近くにいたのだ。

「…レオニダス様、私も、あなたを愛しています」

 私は、彼の瞳を見つめ、そう告げた。私の言葉に、レオニダスは驚きに目を見開いた。

「…ユリアーナ…」

 彼は、私を優しく抱きしめた。彼の腕の中で、私は安心感を覚えた。

 私たちは、二度目の人生で、真の愛を見つけることができたのだ。

「…私も、あなたを愛しています。ずっと、あなたを探していました」

 彼の言葉に、私は戸惑った。

「どういうことですか?」

「…前世で、私はあなたを失いました。あなたの魂は、
 私の記憶に残っていました。だから、この二度目の人生で、私はあなたを探し、あなたを守ろうとしたのです」

 彼の言葉に、私は信じられないという表情で彼を見つめた。

 彼は、前世の記憶を持つ私を、ただの悪役令嬢としてではなく、一人の人間として愛してくれていたのだ。

 しかし、私たちの幸せな時間は、長くは続かなかった。

 王家の書庫から、書物が盗まれたことを知った王子は、私たちが書物を盗んだのだと直感的に悟った。

 彼は、私とレオニダスを排除するために、ある人物を動かした。

 それは、私を処刑へと導いた、可憐な令嬢だった。

「ユリアーナお姉様…王太子殿下が、あなたに会いたいと…」

 彼女は、私に満面の笑みを向けた。

 しかし、その笑顔の裏には、冷たい光が宿っていた。

 彼女は、王子の寵愛を受けるために、私を再び陥れようと画策していたのだ。

 私は、彼女の言葉に、不吉な予感を覚えた。

 しかし、私は、彼女の誘いを断ることができなかった。彼女は、王子の権力を持つ、危険な存在だった。

「…レオニダス様、私、王子に会ってきます」

 私の言葉に、レオニダスは反対した。

「ユリアーナ、行ってはいけません。これは、王子の罠です」

 彼の言葉に、私は首を横に振った。

「…大丈夫です。私には、あなたの書物があります。そして、もう一つ、私には、あなたを救うための切り札がある」

 私は、そう言って、彼を安心させた。

 王子のいる場所へと足を踏み入れると、そこには、王子と、私の従妹が立っていた。

「ユリアーナ。お前が、書物を盗んだのだろう?」

 王子の言葉に、私は静かに首を横に振った。

「いいえ。私は、盗んでいません」

 私の言葉に、王子は嘲笑った。

「嘘をつけ! お前のような、悪役令嬢が…!」

 王子の言葉に、私は、胸に抱いていた、ある書物を、彼の前に差し出した。それは、王家の血統書だった。

「…この書物には、王家の血統が記されています。そして、この書物には、王太子殿下の名が、記されていません」

 私の言葉に、王子と従妹は、驚きに目を見開いた。

「…どういうことだ…?」

 王子の言葉に、私は、もう一つの真実を話した。

 それは、前世のゲームでは明かされなかった、王子の出生の秘密だった。

「…王太子殿下は、先代の王の隠し子です。そして、王家の血を引く、真の王位継承者は、私です」

 私の言葉に、王子と従妹は、絶望的な表情で私を見つめた。

 彼らは、自分たちの愚かさにより、真の王位継承者である私を、陥れようとしていたのだ。

「…嘘だ…! そんなこと、ありえない…!」

 王子はそう言って、私に手を伸ばした。

 しかし、その時、私の後ろから、声が響いた。

「…ユリアーナ。もう、十分です」

 レオニダスだった。彼は、私の前に立ち、王子を睨みつけた。

「殿下、彼女を傷つけることは、許しません。彼女は、王国の真の王女です」

 彼の言葉に、王子は、絶望に打ちひしがれた。

 彼は、全てを失い、自らの愚かさを知る。

 そして、彼の隣にいた従妹もまた、絶望的な表情で私を見つめた。

 彼女は、王子の寵愛を受けるために、私を陥れようとしていた。

 しかし、彼女が陥れようとしていた相手は、真の王女だったのだ。
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