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4.突然の来訪者2
アメジストをあしらったリボンのネックレスから目を離せずにいると、それに気付いたカレン様が満足気に、
「あら?このネックレス可愛いらしいでしょう??
エリーゼ様もお気に召して??」
「いえ、カレン様がそのようなアクセサリーを好むのは意外だなぁと思いまして。もっと、こう、、煌びやかなモノがお好きだと思っていました。」
そう、お世辞でもカレン様に似合っているとは言えないのです。
そのネックレス以外の装いは、煌びやかな、、と言いますか、派手派手しい物ばかりなので、繊細なデザインのそのネックレスは完全に埋もれてしまい、
輝きを失っています。
「まぁ、、そうね、確かにこのネックレスはちょっと華やかさが物足りないけど…。
これは、私の大切な人に頂いたものですの。」
クスリ。と意味ありげな笑みを浮かべます。
先日見かけた時にあのお店で旦那様に買って頂いたの…?
旦那様は自分の瞳と同じアメジストのネックレスを本当にカレン様に送ったの…?
あの旦那様が…?本当に…?
(でも…!何はともあれ、
この女の前で弱みを見せたく無い。)
ふーっと一息ついてから、
「そうですか。カレン様の大切な人ということはマジュー様ですわよね?
あら、こんな当たり前の事を聞いてしまって申し訳ございません。でも、万が一、マジュー様で無かったら…大変ですものね?
まさか、次期公爵夫人様が旦那様では無い方にうつつを抜かしているなんて…あってはならない事ですものね?」
一気に捲し立てました。
大人しそうな私に反撃されて、
戸惑うカレン様。
薔薇のツタには刺がある事、ご存知ではないのかしら…?
「なっ、なっ、貴女っ…!
失礼な方ですわねっ…!!」
「失礼…?いったい、どちらが失礼でしょうか!?私は当たり前の事を申しただけですわ。
先に私の旦那様を侮辱したのはカレン様ですわ!!」
何も言えず、
顔を真っ赤にしてぷるぷる震え、唇を噛み締めるカレン様。
「カレン様もお忙しい方と存じます。もうそろそろお帰りにならないといけないのではないのかしら?」
「くっ!!覚えておきなさい…!
今日はこれで失礼させていただくわっ!」
(忘れたくても、こんな強烈な出来事忘れることができるものですか!)
半ば追い出すようにカレン様をお見送りして、
自室に戻り、淑女らしくはありませんが椅子にドサっと座り込んでしまいました。
「エリーゼ様。今日は大変でございましたね。お力になれず申し訳ございません。よければどうぞ。」
侍女のマリアにお茶を入れてもらい、一息つきました。
「いいえ、どうもありがとう。」
お茶を頂きながら考えを巡らせます。
(ふぅ…。
今日の夕食の時間に旦那様に相談してみましょうかしら…。でも…。また嘘をつかれてしまったら…。あぁ、お茶の良い香り…。流石に今日は疲れて眠たくなってきてしまいました…。)
私は疲れからか、いつのまにか眠りについてしまいました。
ガタッガタッ
「いけません!旦那様!今日はエリーゼ様はお疲れでお休みになられております!お控えください!」
「構わない!私はエリーゼの夫だ!
エリーゼが!エリーゼがまた倒れてしまったら…!!」
(…?なんだか外が騒がし…!?)
私はガバッと跳ね起きました。
(夕食の時間は!?私どれくらい眠っていたの!?どうしましょう!)
私が全力でアタフタしていますと…。
部屋の扉が開いて、
「エリーゼ…??」
いつも冷静で穏やかな旦那様が、焦ったお顔で私に近づいて、私の頬にそっと触れられました。
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