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11.戦いの前日
久しぶりにお互いの事を話し、眠りにつきました。
朝起きると、
微笑む旦那様の顔が隣りにありました。
「お…はようございます。
その…起きてらしたら起こしてくださったら良かったのに…。」
「その、せっかく隣りにエリーゼがいるのにもったいなくって…。」
急に旦那様がワンコに見えます…。
そっと抱きしめられました。
「ずっとこうしていたいなぁ…。」
「ダメですよ!お仕事に行かないとっ!」
これがあの旦那様でしょうか…。
渋々簡単に身なりを整えた旦那様は、
「また朝食の時に。」
と、別れを惜しみながら出て行かれました。
(数十分のことですのに…。)
ふふっと思わず笑みが溢れてしまいました。
すると、
コンコンッ
「おはようございます。エリーゼ様。
よくお眠りになれましたか?」
侍女のマリアが入ってきました。
普段と何も変わらない様子です。
私は少し身構えてしまいます。
カレン様と通じているであろう者は、私達の閨事情を知っていました。かなり近い人物であろうと考えられます。
それならば、侍女は1番に疑うべきです。
でもマリアはこの1年、1人で嫁いで来た私に良くしてくれました。
1人で泣いている私に、大好きな焼き菓子と温かいお茶を差し出し、いつもよりふかふかなお布団を用意してくれました。
「おはよう。マリア。昨日は旦那様がいらっしゃいましたわ。珍しいわよね。」
「そうなのですね!お疲れでしたのに…。でも、よかったですね!エリーゼ様。」
そう言い微笑むマリアを見て、
心から、内通者がマリアでない事を祈る私でした。
朝食の時間になり、朝食のお部屋に行くと旦那様がいらっしゃいました。
お食事の運ばれてくる合間合間に、旦那様が嬉しそうに話されます。
「エリーゼ、誕生日のデートだけど、城下町に行かないかい?
エリーゼへの贈り物を一緒に選びに行こう。昼食にはあの女性に人気のレストラン、ハルテはどうだい?」
「素敵です!楽しみですね!」
多くの使用人の前でデートの計画を立てました。
なるほど、内通者がカレン様に伝える可能性はあります。
罠をかけ、逆におびき寄せる作戦ですね。
それからデートまでの三日間、これからの作戦も話しつつ、自分の家族の事、好きなものや苦手なものなど、今まで上辺でしか会話して来なかった1年を埋めるように、たくさんお互いの事を話しました。
明日はデートの日です。
何かが起こるかもしれませんし、何も動きは無いかもしれません。
それでも私は純粋に、アンボヤーゼの焼き菓子が…いえ。ハルテの限定ランチが…いえ…。
旦那様とのデートが少し楽しみであったりするのです。
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