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12.デート当日
「今日は特におめかしして行きましょうね!」
侍女のマリアが張り切ってお化粧や髪結をしてくれました。
大広間へ行くと、旦那様が待ってくださいました。なんだかちょっぴり照れてしまいます。
「エリーゼ。とっても綺麗だよ。」
差し伸べてくださる手を取り、
馬車に乗り込んでいきます。
その私達の後ろ姿に刺さるような視線を感じ、ゾクリとしましたが振り返らず出発する事にしました。
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アンボヤーゼのお店で新作を頂いた私は天にも昇る気持ちでした…。
旦那様は甘いものがそこまでお好きでは無いようで、私の食べる様子ばかり微笑みながらごらんになっています…。
「でも!屋敷のお食事も最高に美味しいですよね!毎日好きなものばかりで美味しすぎて、私太ってしまいそうですわ。」
「そうだね。1年前の日から、行ける時はなるべく厨房へ行って変わった事が無いか目を光らせておくついでに、ついついエリーゼが好きなモノにしてもらえるように頼んでしまっていたよ。」
(私の好きなものばかり出てくるのは偶然では無かったのですね…。)
(それにしても…旦那様の愛情表現の仕方が分からなさすぎますわ…。)
「では、贈り物を選びに行こう。」
「えぇ。」
お土産をたくさん買いこみ、お店を後にしました。
すぐ近くに、カレン様と旦那様が入って行く所を目撃してしまった宝石店がありました。
ショーウィンドウの、あのリボンのアメジストをあしらったネックレスは無くなっていました。
「何を見ているの?」
「先日、旦那様とカレン様の後をつけた時、ここのショーウィンドウに飾ってあったリボンのアメジストをあしらったネックレスが素敵だなと思っていたのです。」
「もう無くなってしまったのかい?」
「はい。先日カレン様が乗り込んでこられた際、着けていらっしゃいました。」
「えっ…。」
「私が、素敵だなと見惚れていた所を見られたのかもしれません。
大切な人にいただいたとおっしゃってましたわ。
私、旦那様がカレン様にご自身の瞳の色と同じアメジストをあしらったネックレスを贈られたかと思って…。
とても辛かったのです…。」
「見惚れていた所を…?そうか、やはりな。
というか、カレンはマジューの妻であるし、贈り物をするなんてあり得ないよ。いや、私が贈り物をするのは、エリーゼだけにだよ。誓うよ。」
「ふふ、ありがとうございます。」
「どこか行きたいお店はある?」
「いえ、特には…。」
「それなら、私の行きたい場所に行っても良いかな?」
「もちろんですわ。」
旦那様が行きたい所なんて気になります!
少し馬車を走らせ、可愛らしい小さな木の教会に着きました。
「ここは…?お店でしょうか…?」
どう見てもお店には見えません。
でも、とても可愛らしくて、木の香りも素敵な教会です。
旦那様にエスコートされ、教会の中に足を踏み入れました。
女神像の前まで来ると、急に旦那様が跪き私の手にキスをされました。
「旦那様!?」
「エリーゼ…。今まで、本当に愚かで情けない夫だった。これからもきっとたくさん困難に当たる事があるだろうけど、どうかずっと共にいてほしい。
私は、生涯エリーゼだけを愛し続ける事を誓います。どうか、もう1度結婚の申し込みをさせて欲しい。」
そう言って、アメジストとトパーズの宝石をあしらった指輪を差し出されました。
「…ありがとうございます!私こそ、不甲斐ない妻ですがよろしくお願い致します。」
そう言って指を差し出しました。
旦那様の瞳の色のアメジストと、
私の瞳の色のトパーズが2つ寄り添っている指輪を、はめてもらい教会を後にし、昼食の有名レストランへと移動しました。
カレン様や、内通者の動きがあるならば、
ここしかありません。
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