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第九話
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さて、しばらく2階層を探索しているうちに新しいモンスターと出会ったそれは、グールとも呼ばれるゾンビであった。ゾンビを見つけた私は、ハイヒールでグールを倒そうとするが恐怖のあまり声が出ない。やはり怖いものは苦手であると再度自覚しながらもこのままでは、危ないので逃げることにした。だが、体が動かない。恐怖のあまり体が動かなくなってしまったようだ。いつのまにか隠密は解除されている。このままでは、死ぬかもしれないと思ったので私は、持っていたクナイで私自身の腕を切りつけた。強烈な痛みが走る、どうやら深く斬りすぎてしまったようだが動けるようにはなった。全力で私は逃げ出した。これがダンジョンにおける私の初めての敗北だった。
全速で走ってどのくらいの時間がたっただろうか、もう1時間はたったのではないのではないかとか、1階に戻る階段は見つかるのだろうかとか、不安になりつつも走り続けた。すると1階に戻る階段を見つけたので階段を上り1階に戻ってきた。グールから逃げていた時間は無限とも思える時間だったが実際には5分もったっていなかった。それは、スマホを確認したときに2階に降りて5分しかたっていなかったからだ。
この体にはホラーに対しての耐性がないのは知っていた。だがここまでの弱さだとは思っていなかった。この弱点はこのままにしておけない、何とか克服しなければならないと思い対策を考えることにした。
ケガを聖魔法で回復させ、対策手段を考えていたが思いつかない。やはり戦って経験を積むしかないだろうという結果に落ち着いてしまう。ほかにも何かないかとは思ったが目隠しなどは安全性に欠けるためできないし、アンデッド系のモンスターから奇襲をかけられた際には同じ目にあうことは想像に安い。だからこそ克服するしかないとなるし、そのために戦うしかないとなるのだ。
私は、決意を固めグールと戦うことにした。ただ、戦うのであればさっきと同じような事態に陥った際には同じ危険な目に合うだろう。そこでやはり、隠密でばれないように射程内に入り聖魔法を唱える方法をとることにした。これであれば、もし体が動かなくなったとしてもバレていないのだから襲われることはない、そう頭でシミュレーションをしてもう一度挑戦することに決めるのであった。この際に危なかったことといえば、さっきも隠密は発動していたという事だ。自身の意思に関係なくスキルが解除される状態なんて経験したことがなかったから当然なのかもしれないが、危険であったことには間違いなかった。
2階層につく、しばらく歩くと1体のグールが現れた。さっきとは異なり体が硬直することはないが、声が出ない。人間やはり怖すぎるものと出会うと声が出なくなるということは事実であるらしい。声が出せない私はただ祈った。「神様どうかお助けください」するとグールが光に包まれ消え去った。どうやら知らぬ間に、聖女の祈りが発動されていたらしい。聖女の祈りにこんな力があることは当然ながら知らなかったが、怖いモンスターを前に声が出せなくなった今の僕にとってこのスキルはアンデッドに対抗する唯一の手段になるかもしれないなと直感した。聖女の祈りでは神様の加護を対象に与えて状態異常から1度だけ身を守るという効果のはずだが、アンデットを倒すこともできるようだ。発動一回につかうMPは50であるからそのウェイトは「ハイヒール」に比べて重たいといえるだろう。しかし、聖女の祈りは対象が6体まで選ぶことができるので、複数体同時に相手にできるだろう。
怖いアンデッドに対して有効な攻撃手段を得た、私は2階層をゆっくりと探索することにした。ゆっくりと歩いていたのもあってか5分に1度のペースぐらいでグールに出会った。一度3体のグールが同時に出てきたが、心の中で神様に祈ればグールを倒すことができた。やはり、聖女の祈りで複数体を相手取ることができるだろうことが分かった私はとても満足していた。それは、アンデット系のモンスターは時としてその数で圧倒してくるゲームもあったからだ。なので私のイメージとしてアンデッド系モンスターはその数が非常に厄介と思っているのでダンジョンでは包囲されないように気を付けつつ進んでいた。
実際のところそれは杞憂であったが、ここのモンスターが背後に急に出てきたら私はまた動けなくなってしまうかもしれないと思ったから注意深く進めたことはよかっただろう。そうやって2階層のゾンビに慣れてき始めたころスマホに母からメールが届いたことに気づくどうやらもう夕方だったようだ。ダンジョンができるという事件が起きてから母は神経質になってるのかもしれないとも思ったが、今は心配させないようにするためにも早く帰ることにした。
コンビニに置いた自転車を回収して帰っていると、ダンジョンに行ってきたであろう5人組のPTを見つけた。どうやら初めてダンジョンが生まれた日に私が転移?させられたダンジョンに行ってきたかえりらしい。聞き耳を立てているとどうやら、モンスターが落とす魔石は、今はとても高値で取引されているらしく簡単に倒せるゴブリンの魔石でも1つあたり5000円程度で売れるらしい。なるほど確かにこれはいい儲けになるのだろうと思った。
自転車でうちに帰ると母が出迎えてくれた。いつもと変わらず優しい表情で「おかえりさない」と言ってくれた。ダンジョンに行って疲れていた私は、お風呂に入り部屋で休むことにした。さっきすれ違ったダンジョン探索者の5人組の話が、脳裏によぎる。ゴブリンの魔石で5000円という話だ。もしこれが本当であれば、学生の私からすればかなりの大金を稼ぐことができるだろうと思ったが、日本では18歳以上しかダンジョンに入ることが許されていないことを思い出し、どうしようか?と考えるはめになった。それと一つ分かったことがる。墓地にできたダンジョンはいまだあまり認知度がないらしい。今はいろいろと忙しく誰も墓地に行く暇がないのだろうということは推測できたので、ダンジョン探索者なら見つけている人もいるかもしれないが、好き好んでアンデッドの出るダンジョンに進む人が少なかろうことは容易にわかることだった。
さて明日はどうしようか?そう考えているうちに「夜ごはんよ~」と呼ばれたので、明日のことはまた明日考えることにした。
レベル 23
職業 聖女
HP 1350
MP 2800
力 192
知力 200
身の守り 101
魔力 280
Skill
剣術Lv4 隠密Lv4→5 投擲Lv4 光魔法Lv1 聖魔法Lv2→3 聖女の祈り
全速で走ってどのくらいの時間がたっただろうか、もう1時間はたったのではないのではないかとか、1階に戻る階段は見つかるのだろうかとか、不安になりつつも走り続けた。すると1階に戻る階段を見つけたので階段を上り1階に戻ってきた。グールから逃げていた時間は無限とも思える時間だったが実際には5分もったっていなかった。それは、スマホを確認したときに2階に降りて5分しかたっていなかったからだ。
この体にはホラーに対しての耐性がないのは知っていた。だがここまでの弱さだとは思っていなかった。この弱点はこのままにしておけない、何とか克服しなければならないと思い対策を考えることにした。
ケガを聖魔法で回復させ、対策手段を考えていたが思いつかない。やはり戦って経験を積むしかないだろうという結果に落ち着いてしまう。ほかにも何かないかとは思ったが目隠しなどは安全性に欠けるためできないし、アンデッド系のモンスターから奇襲をかけられた際には同じ目にあうことは想像に安い。だからこそ克服するしかないとなるし、そのために戦うしかないとなるのだ。
私は、決意を固めグールと戦うことにした。ただ、戦うのであればさっきと同じような事態に陥った際には同じ危険な目に合うだろう。そこでやはり、隠密でばれないように射程内に入り聖魔法を唱える方法をとることにした。これであれば、もし体が動かなくなったとしてもバレていないのだから襲われることはない、そう頭でシミュレーションをしてもう一度挑戦することに決めるのであった。この際に危なかったことといえば、さっきも隠密は発動していたという事だ。自身の意思に関係なくスキルが解除される状態なんて経験したことがなかったから当然なのかもしれないが、危険であったことには間違いなかった。
2階層につく、しばらく歩くと1体のグールが現れた。さっきとは異なり体が硬直することはないが、声が出ない。人間やはり怖すぎるものと出会うと声が出なくなるということは事実であるらしい。声が出せない私はただ祈った。「神様どうかお助けください」するとグールが光に包まれ消え去った。どうやら知らぬ間に、聖女の祈りが発動されていたらしい。聖女の祈りにこんな力があることは当然ながら知らなかったが、怖いモンスターを前に声が出せなくなった今の僕にとってこのスキルはアンデッドに対抗する唯一の手段になるかもしれないなと直感した。聖女の祈りでは神様の加護を対象に与えて状態異常から1度だけ身を守るという効果のはずだが、アンデットを倒すこともできるようだ。発動一回につかうMPは50であるからそのウェイトは「ハイヒール」に比べて重たいといえるだろう。しかし、聖女の祈りは対象が6体まで選ぶことができるので、複数体同時に相手にできるだろう。
怖いアンデッドに対して有効な攻撃手段を得た、私は2階層をゆっくりと探索することにした。ゆっくりと歩いていたのもあってか5分に1度のペースぐらいでグールに出会った。一度3体のグールが同時に出てきたが、心の中で神様に祈ればグールを倒すことができた。やはり、聖女の祈りで複数体を相手取ることができるだろうことが分かった私はとても満足していた。それは、アンデット系のモンスターは時としてその数で圧倒してくるゲームもあったからだ。なので私のイメージとしてアンデッド系モンスターはその数が非常に厄介と思っているのでダンジョンでは包囲されないように気を付けつつ進んでいた。
実際のところそれは杞憂であったが、ここのモンスターが背後に急に出てきたら私はまた動けなくなってしまうかもしれないと思ったから注意深く進めたことはよかっただろう。そうやって2階層のゾンビに慣れてき始めたころスマホに母からメールが届いたことに気づくどうやらもう夕方だったようだ。ダンジョンができるという事件が起きてから母は神経質になってるのかもしれないとも思ったが、今は心配させないようにするためにも早く帰ることにした。
コンビニに置いた自転車を回収して帰っていると、ダンジョンに行ってきたであろう5人組のPTを見つけた。どうやら初めてダンジョンが生まれた日に私が転移?させられたダンジョンに行ってきたかえりらしい。聞き耳を立てているとどうやら、モンスターが落とす魔石は、今はとても高値で取引されているらしく簡単に倒せるゴブリンの魔石でも1つあたり5000円程度で売れるらしい。なるほど確かにこれはいい儲けになるのだろうと思った。
自転車でうちに帰ると母が出迎えてくれた。いつもと変わらず優しい表情で「おかえりさない」と言ってくれた。ダンジョンに行って疲れていた私は、お風呂に入り部屋で休むことにした。さっきすれ違ったダンジョン探索者の5人組の話が、脳裏によぎる。ゴブリンの魔石で5000円という話だ。もしこれが本当であれば、学生の私からすればかなりの大金を稼ぐことができるだろうと思ったが、日本では18歳以上しかダンジョンに入ることが許されていないことを思い出し、どうしようか?と考えるはめになった。それと一つ分かったことがる。墓地にできたダンジョンはいまだあまり認知度がないらしい。今はいろいろと忙しく誰も墓地に行く暇がないのだろうということは推測できたので、ダンジョン探索者なら見つけている人もいるかもしれないが、好き好んでアンデッドの出るダンジョンに進む人が少なかろうことは容易にわかることだった。
さて明日はどうしようか?そう考えているうちに「夜ごはんよ~」と呼ばれたので、明日のことはまた明日考えることにした。
レベル 23
職業 聖女
HP 1350
MP 2800
力 192
知力 200
身の守り 101
魔力 280
Skill
剣術Lv4 隠密Lv4→5 投擲Lv4 光魔法Lv1 聖魔法Lv2→3 聖女の祈り
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