いらっしゃいませ!〜トラットリア ルーチェへようこそ〜

いおす

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カオルさん

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「ただいま~」
「あおちゃんおかえり~!どうだった?」
「うん、お隣さんご夫婦が後で来てくれるって!あと、昨日行った市場でもちょっと挨拶してきたよ」
「碧、おかえり。ご苦労さん」
「とりあえずお客様ゲットだね!」
渉くん嬉しそう。

「兄ちゃんちょっと…」
そっと話しかけると、さりげなく厨房へ移動してくれた。
「どうした?何かあったのか?」
「いや、お隣さんも市場の人も好感触だったよ。そのお隣さんなんだけど…」
兄ちゃんには先に話しておいた方がいいよね

「マリエさんのご主人にもご挨拶できたんだけどね、それが薫さんにそっくりなんだよ…。名前も“カオルさん”って言うの。」
「は?え?」
兄ちゃんの困惑顔なんて珍しい。
「叔母さん夫婦にそっくりなんてただの偶然としても、渉くんになんて伝えようかと思って…」
「そ、そうだよな…。来てみてびっくりじゃあなぁ」
「やっぱり先に伝えておく方がいいよね」
渉くんにどうやって話そう…もう、正直に伝えるしかないよなぁ



「俺には言えない内緒話なの?」
タイミングよく渉くんが厨房にきた。
「あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど。
さっきお隣のご主人に会ったって言ったでしょ?」
「うん。ご飯食べに来てくれるんでしょ?」
「そうなんだけどね、ご主人がね薫さんそっくりなんだ」
「ん?」
「つまり、渉くんの両親にそっくりなんだよ!名前もおんなじだし…」
「は?」
「だから渉くんがまた不安定になるんじゃないか心配で、それで、あの…」
「あおちゃん、ありがと。俺の事、心配してくれたんだね。でも大丈夫!そりゃちょっとは動揺するかも知んないけどさ。別人だって解ってるから」
「渉くん…」
「渉、ちょっと大人になったな」
兄ちゃんが渉くんの頭をワシワシ撫でた。

もう!ぐちゃぐちゃになるじゃん!なんて言ってるけど
さっきの指先の震えは止まったみたい。

「よし!オープンするか!2人とも準備はバッチリか?」
「「もちろん!」」

じゃあ異世界での初オープンです!


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お読みくださりありがとうございます😊
下書きが消えて泣きたくなりましたが、無事投稿できました♪



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