いらっしゃいませ!〜トラットリア ルーチェへようこそ〜

いおす

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また会えた!

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魔物襲撃事件から数日が過ぎて、ようやく日常が戻ってきた感じの市場にほっとした。
そう、あれからお客様が増えたんだ!
市場の人達や騎士団の人が来てくれるようになった。
アンドレアさんはまだ来てないけど…
団長って呼ばれてたから忙しいんだろうなぁ。
また会いたいなぁ。

チリィィィィン…

「いらっしゃいませ~」

ドアベル鳴り、お客様の来店を告げる。

「こんばんは、アオイちゃん」

よ!と軽い感じの挨拶をしながら入ってきたのは
騎士団員のマルコさんとルカさん。
あの日、一番で出会った騎士様達。

「こんばんは。今日はお二人ですか?」
「後からもう1人来るよ~」
「3名様ですね~。こちらにどうぞ」

テーブル席にご案内。
鎧を脱いでラフな格好なんだけど、鍛えた筋肉がすごい。うらやましい…
僕、全然筋肉つかないんだよね…

「エールをくれる?ルカは?」
「俺もエールで!」
「かしこまりました。すぐ持ってきますね~」

生ビールサーバーからピルスナーに注ぐ。
ジョッキでもいいんだけど、ピルスナーの方が薄いから口当たりよく美味しく感じるんだよね。
僕の好みなだけなんだけど。

「お待たせしました~」
「ありがとう」

チリィィィィン…とまたドアベルが来客を告げる。

「いらっしゃいませ~」

と、ドアの方を見ると、そこには会いたかったアンドレアさんがいた。

「こんばんは。連れが先に来てると思うんだけど…」

相変わらずの爽やかな笑顔を向けられる。

「こ、こんばんは!マルコさん達ですか?こちらです。」

緊張して噛んじゃった。恥ずかしい…

「あ、団長ー!こっちでーす!」

2人が元気よく手を振る。
デカい声出すな!って怒られてるよ笑

「アンドレアさんは何にします?」
「じゃあ俺もエールをもらおうか」
「かしこまりました」

やっぱりかっこいいな…あっ!ぼんやりしててビール注ぐの失敗しちゃったよ…泡だらけじゃん…
仕事に集中しなきゃ!

「お待たせしました。お食事はどうしますか?」
「そうだな。この魚介のサラダとサルシッチャと…お前達は何がいい?」
「俺、ポテトの香草焼きがいいっす。シンプルなんだけど美味いんですよ」
「俺はピザ食べたいです!このナポリターナってのがきになります!」
「じゃあそれをとりあえず貰おうか」
「かしこまりました」

お願いしまーす、とオーダーを通す。

「お、団長さんが来てるのか?初来店だな。碧、良かったな」
「兄ちゃん、ニヤニヤしてないでオーダー作って!」
「えー何々、あおちゃんああいう人が好みなんだぁ」

渉くんまでニヤニヤしないで!あぁ、もう!恥ずかしくなってきた!
あのテーブルに行きにくいじゃんか!

「でも、向こうも満更じゃなさそうだぞ?碧のこと、チラチラ見てるぞ」

ホントだ。なんか照れる。

「おーおー、照れちゃって」
「あおちゃんかわいー」
「もう!2人とも早く仕事して!」

照れ隠しに2人をせき立てた。
もう!後で覚えといてよ!

お願いしまーす、と渉くんが出来上がった魚介のサラダをカウンターに置く。
エビ、ホタテ貝柱、タコ、イカをレモン、塩、オリーブオイル、ニンニク、パセリのコンカッセで和えてサラダと一緒に盛り付け。魚介はマリネまではいかないけど、少しおいて味をなじませてある。
ニンニクの辛味と香り、レモンこ爽やかさがよく合うんだ。日本むこうでも人気メニューだったな。
こっちでタコって食べるのかな?って思ってたけど、普通にあったし食べてた。

「こっちもよろしく」
「はーい」

ポテトの香草焼きも出来上がり。硬めに下茹でしたジャガイモを多めのオリーブオイルと皮付きニンニク、ローズマリーと一緒にオーブンで火を入れて、仕上げに強火で煽って完成。外はカリッと、中はフワッとした食感がクセになるんだよね。僕も大好き。シンプルだけど老若男女に人気。トリュフ塩つけると更に美味しいんだよね。
あ、トリュフ塩あったな。サービスでつけちゃお。

「お待たせしました~。魚介のサラダとポテトの香草焼きです」
「待ってました!」
「美味そう!アオイちゃん、エールのおかわり!」
「あ、俺も!団長は?」
「じゃあもらおうかな」
「はーい。エール3つですね~」

ビールのおかわりを持って行く。

「あ、ポテト、このトリュフ塩で召し上がってみてください。とっても合いますから」

へぇ!トリュフ塩かぁ。初めてだな。って言いながら3人がポテトを口に入れる。

「うわ!すごいいい香りする!うまっ!熱っ!」
「これは…ジャガイモが高級品に化けるな」
「うまーい!」

マルコさんの感想ってシンプルだけど美味しいいただきました!
アンドレアさんも美味しそうに食べてくれてる。
僕が作ったわけじゃないけど、やっぱり嬉しい!

その後も三人でたくさん飲んで食べてくれた。

「ありがとうございました」
「「団長、ごちそうさまです!」」
「とても美味しかったよ。また寄らせてもらうな」
「はい。お待ちしております」
「今度はアオイとゆっくり話したいから1人で来るよ」
と、耳元でいい声で囁かれた。

「は、はひ」

じゃあな、と頭をひと撫でしてアンドレアさんは帰って行った。きっと今の僕は真っ赤な顔をしてるに違いない…

「碧どうした?顔が真っ赤だぞ?」
「あおちゃん大丈夫?」
2人がやっぱりニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる。
もう!いいから仕事して~!
結局、2人に揶揄われながらこの日は閉店を迎えた。


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お読みくださりありがとうございます。



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