IRIS

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出会いの夜

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「愛なわけがない。愛は死んだ。でも紛れもなく愛だ。僕が見間違えるわけがない。」


混乱して頭をかかえていると宇宙人が怪我をしていることに気がついた。

「わからないことだらけだけどこのままにしておけない。家につれてかえろう。」


僕は抜けた腰に力をいれると妹の姿をした宇宙人を抱えて家にもどった。

家には明かりがついていた。

「どこ行ってたの?大きな地震もあったし母さん心配したじゃ、」
「母さんただいま。」
あいさつもそこそこに家にはいるもちろん宇宙人も、

「愛?なん、で」
母さんは驚いていた。
当たり前だ。2年前に死んだ自分の娘が息子に抱えられて帰って来たのだ。

「怪我してるんだ。母さん救急箱を。手当てしながら話すよ。」

宇宙人の怪我は思ったよりも大したこともなくパニックになった母さんを落ち着かせながら話すことも容易だった。
「とにかく宇宙船が落ちてきて中から愛がでてきたんだよ。
僕にもそれしかわからないんだ」

母さんは納得いかないという顔をしていた。
ふと我にかえると今の状況を父さんに電話していた。
どうせ留守電だろうに。

それにしても夜中まで勉強もして今はこれだ。
さすがに眠くなってきて僕も母さんも眠っている宇宙人を見ながら浅い眠りについたのだった。
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