堕神剣 神剣と名乗る少女が住み着いて戦わせようとしてくるんだが

ペロロンチーノ

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報告と責任

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「とりあえずこんなもんでいいだろ」



おいぬちゃんに関する配信はかなり良かったと思う。
早めに世間に知らせておくことで世論を味方につけておくことが大事だと思ったのだが最終的なコメントも肯定的な意見がかなり多かったため大丈夫だろう。

1番懸念があるのはやはりダンジョン管理団体だ。この前の1件でかなり厳しいことになっているのだが、信頼を取り戻そうとしておいぬちゃんを危険視して無理やり連れていくことなどをやりかねない。あそこはもう俺の中でそういう印象しかない。

おいぬちゃんはスキルで予め危険を察知できるしそのまま襲ってくる相手に天罰を与えられるがそれをなんの説明も無しにやってしまうとこちらの印象が悪くなり危険視されて隔離などをされてしまう可能性もある。
だからこそ配信で知らせておくことで危険性を開示してなにかしてくる相手を牽制するだけでなく、それを無視して襲ってくる相手に対して攻撃をすることを知らせておいたのだ。



「そうですね!かなり上手くいったと思います!でも所々で私たちの名前が残念がられてるのが納得いきませんけど…」

「クゥーン…」


ダンちゃんの指摘通りコメントでは俺が名付けたダンちゃんの堕神剣、ダンちゃんが名付けたおいぬちゃんの名前が残念過ぎて主従揃って残念コンビなどと呼ばれ始めている。
俺もダンちゃんもそれらに対してあんまり残件と思わない辺りネーミングセンスが皆無なのだろう。


「まあそうやって残念がられてるってことはそんだけ親しまれているて証拠だよ、おいぬちゃんが変に警戒されるより今の方が受け入れられていいでしょ。」

「それはそうなんですけど、なんか納得行かないんですよ!」

「けどこれで味方になってくれる人が多くなれば危険視されることも少なくなっておいぬちゃんも過ごしやすくなるでしょ、後は躾をしてそれを配信で見せればどんどん受け入れられていくさ」

「躾ですか?」

「そう、やっぱりちゃんと躾をするのは飼い主の義務だからね。何かを飼うってことはその瞬間にその子が起こしたことに対しての責任が全て押しかかってくるってことだからちゃんといい事と悪いことを教えないといけないんだよ」

「確かにそうですね…私の場合はスキルで生まれた段階である程度の常識や善悪の判断などは植え付けられていましたけどおいぬちゃんは本当に生まれたばかりだからそういうのが分からないんですよね…」

「そういうこと、幸いこっちの言葉はちゃんと理解してるから教えるのもそんなに手間取らないだろうしきっと大丈夫だよ!神になにか教えるのも変な話だけどね」

「でもそもそも神様ならそういうのも分かってそうなんですけどその辺どうなんでしょうか?」

「いくら神でも卵から孵ったてことは生まれたばかりて事だから何も知らないと思うんだけどその辺どうなんだろ?明日愛に報告に行くしその辺聞いてみる?」

「そうですね!愛さんならなにか知ってるかもしれませんし!おいぬちゃんも会わせてあげたいですしね!」

「ガウ!」





おいぬちゃんの配信をした次の日改めて愛にお礼とおいぬちゃんを披露するべく高天原にきている。
幸いにも愛もしばらくダンジョン潜るつもりはなく休息していたためこんなも早くに会うことができた。

「おいぬちゃーん!!!」

突然ものすごい速さでこちらに向かって叫びながら突撃してきたのは予想通り愛だった。
大学時代から犬や猫などが好きでよくそんな話をしていたのだがまさかここまでキャラが変わるほど好きだとはさすがに思いもしなかったのだが…
俺やダンちゃんには目もくれずにおいぬちゃんもひたすら愛でている。


おいぬちゃんも初めは警戒していたものの特に『危険察知』スキルに反応しなかったのもあるだろうが俺もダンちゃんも警戒していないのがわかって愛に愛でられていながら困ったようにこちらを見ている。
さすがに見ていられなくなったので未だに無言で愛でている愛に話しかける。

「愛、そろそろいいか?」

「あ、、えっとなんかごめんなさいね…配信見てたからずっと撫で回したくて」

「愛さん動物好きなんですか?」

「そうなのよ!!でも聖剣持つようになってからそのオーラに圧倒されちゃってみんな逃げちゃうからこんなに触れたの久しぶりでついはしゃいじゃったわ…」

「まあそういうことなら仕方ないけどおいぬちゃんもそろそろ困ってるし話しいいか?」

「そうね、名残惜しいけどまた後で触らしてね!!」

ようやく話をする気になったのかおいぬちゃんから離れてこちらに向かってくれた。
おいぬちゃんを愛でていた時とは全く違う雰囲気にここまで変わるものなのかと戸惑うがとりあえず話を進める。


「今日来たのはおいぬちゃんの披露もあるんだけどちょっと愛に聞きたいことがあって来たんだよ」

「聞きたいこと?おいぬちゃんにも触れたし私でよければぜんぜん力になるわよ?」

「それならよかった、とりあえずここじゃ話せないしどこか人目が無いところに行こうぜ」

「そうね、ここだと私もだけどあなた達も目立つしね」

「私たちもですか?」

「そうよ?自覚ないだろうけど今の貴方たちすごい注目されてるのよ?神剣使いの白夜、神剣と人間の姿に自由に行き来するダンちゃん、神の名前を冠して天罰を下すことが出来るおいぬちゃん、その他にも配信でいろいろやってるのに注目されないわけないでしょ」


「あー、そう言われるとそうだよな、いろいろとやってるしここまで来る時もいろいろ見られたしな」

「ちゃんと自覚しないとダメよ、とりあえずギルドの中に行きましょ、私の私室なら誰も入ってこないしそこで話しましょ」
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