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第1章

第3話 魔法適性(2)

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バタバタと職員の足音がし、両親を連れて僕の近くへ何人かの職員がやってきた。
「お子様の魔法適正がですね、非常に高い数値となっておりまして、今のステータスだとA級冒険者を目指せそうです。」
一時の静寂。そのあとに両親の僕を賞賛する声。
いい結果だったか。この異世界の冒険者のランクはSSS級トリプルエス級SS級ダブルエス級、S級、A級、B級、C級、D級、E級、F級、G級となっており、A級はかなり上位のランクで、5000人に1人くらいだ。まぁ魔法適性は上下することもあるらしいので必ずともA級になれるかはわからないが、B、C級でも安泰な暮らしができるだろう。それに今の時点でC級以上が目指せる魔法適正だとフェアリーランド王国学院に入学できるらしい。
それに組合ギルドにも保育園のようなものがあって、学院に入学する前までに文字の読み書きだとか簡単な計算だとか初級魔法だとかを覚えられる。学院に入学できるのは6歳からなので、それまでにE級ぐらいにはなっておきたい。両親が組合ギルドの幼児初等教育クラスに僕を入れるようである。まだ同年代の赤ん坊や子供を見ていないのでどんな種族がいるのかが楽しみだ。とりあえず今日は沢山の大人達に囲まれて疲れたので寝る。

~その3日後 はじめての幼児初等教育クラス

組合ギルドの職員に食品を運ぶカートのようなもので運ばれ連れていかれる。行先は幼児初等教育クラスのお遊戯部屋である。この世界では6ヶ月でも魔法適正が高いものは成長が早いらしい。僕は歩けるし、離乳食のような柔らかい食事も食べることが出来る。ただ歩く時どうしても前世の感覚のまま歩いてしまうので短い手足に違和感を感じてしまう。気を抜くとこてっとコケる。そろそろ着いたみたいだ。パステルカラーの部屋の扉を組合ギルドの職員が開くと僕が思っていたより沢山の種族の子供たちがいた。耳のとんがったエルフ族に、ほんのり耳の辺りが燃えている炎族、部屋の中にある小さな湖の中で遊んでいる水生族、窓からの光で光合成をしている植物族など。それぞれがやりたいことをやっている感じだ。とりあえず1人で遊んでいる子の近くに行って交流をしてみようと思う。まだ早いかもしれないが人脈は作っておいて損は無いだろう。積み木遊びをしている子がいたのでじーっと見つめて一緒に遊ぶ許可を求める。こくこくと頷かれたので組合ギルドの職員にカートから下ろしてもらおうと積み木がある方を指さす。
「積み木で遊ぶの?」
僕が頷いたのを見て職員が何かの魔法をかける。多分積み木を飲み込まないように異物誤飲抵抗の魔法なんかだろう。3日前 組合ギルドの職員が子供にかける魔法について両親に説明していた。魔法をかけてもらい、積み木で遊んでいる子の近くに下ろしてもらう。積み木で遊んでいる子は少し耳のとんがったエルフ族っぽい女の子だ。頭に花がついているから植物族とのハーフかもしれない。
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