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第1章

第14話 殺人?事件勃発

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食事を終え、女神様がわざわざ作ってくれたデザートを食べる。アイスクリームより柔らかい食感の氷菓子の上にさくらんぼとキャラメルが乗っかっている。さくらんぼの酸味がキャラメルの甘ったるさの中のアクセントになっていて美味しい。氷菓子もふわふわしていて冷たい雲を食べているような味わいだ。デザートを食べ終えたら食器を片付け、自室へ向かう。あとは歯磨きをして眠ろう。洗面 所へ向かおうとすると窓の外が何やら光っている。僕が窓に近づいた瞬間大剣のようなものが眼前に振り下ろされ……。目が覚めたら朝だった。僕がベットから勢いよく目覚めると女神様が眼前にいた。 
「無事だった?昨日突然家に大剣が飛んできて窓ガラスが何個か割れちゃって、その破片で少し怪我をしたみたい。」
視界に突然大剣が見えたのは覚えているがあれは幻覚じゃなかったのか…。
「なんで、急に大剣が……。」
女神様に問う。
「多分それを説明するのは私じゃなくてこの人の方がいいかも。」
すると女神様は一旦部屋を出てから1人の女の子を連れてきた。
「この子、昨日大剣と一緒に吹っ飛んできたの。あなたが起きるまでに話を聞こうかと思ったけど二度手間になるし今から事情を説明してもらう。」
女神様が長身だから小さく見えるのかこの子が極端に小さいのか、連れてこ
られた女の子は物凄く小さく見えた。
「えっと……その、私冒険者なのですけど、パーティをクビになっちゃってそれで他のパーティに入れるほど強くもなくて、1人で魔物を倒そうとしてたら吹き飛ばされちゃって……あの、窓のガラス、割ってしまってごめんなさい。今お金が無くて返せなくて……王宮警察に引き渡すのだけは……。」
話を聞くとどうにも可哀想な子である。だが「パーティをクビにされたのでざまぁ!しました展開」が脳をよぎりかけて心の中で笑ってしまった。実際僕はまだ冒険者パーティを見たことないしこの子に何か手を貸せることがあれば協力したい。今後のためにもざまぁ展開は見ておきたいし……。
「窓ガラスは魔法で修復するさ、貴方を王宮警察に引き渡すつもりもない、その代わりと言っては何ですが貴方をクビにした元パーティの話を聞かせてくれません?」
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