ミステリー短編集めました

上島治麻

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屋根裏部屋の謎

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ある夜、私は屋根裏部屋で読書をしていた。なんの前触れもなく、壁の中から小さな音が聞こえてきた。最初は気にしなかったが、音が大きくなってきたので調べることにした。壁をたたくと中からぼろぼろの紙切れが出てきた。その中には、古い手紙のようなものがあった。手紙は昔の住人が書いたものだった。

手紙にはある日の出来事が詳しく書かれていた。昔の住人は自分の夫が浮気をしていると疑っていた。ある日、夫が急に行方不明になり、住人は彼の居場所を探し始めた。彼女は、屋根裏部屋で夫の遺品を見つけたがそこには夫の死体もあった。彼女は夫が自殺したのではないかと疑い、警察に捜査を依頼した。しかし、警察は事件として認めず、彼女は独自に調査を進めた。手紙によれば、彼女は夫の秘密を突き止め、彼が別の女性と不倫していたことを知った。彼女は夫を問い詰めたが夫は否定し続けたため、彼女は怒りを抑えることが出来ず、夫を殺してしまったというのだ。

私は手紙を読み終え、驚きのあまり立ち上がった。そして、顔を上げると、目の前に誰かがいた。私は悲鳴を上げようとしたが、その人は「静かにして。
私は彼女の孫娘だ。つまり彼女とは私の祖母。この部屋を私に与えたのは…祖母だ。人の気配がして振り返るとすぐ後ろに祖母がいた。黙っていてほしい」と言った。
どうやって祖母は警察にばれずに夫を殺したのか……私は夫を殺したい。
ばらさない代わりに完全犯罪のレクチャーをしてくれ。
私は祖母にそう言った。
「アナタも悪い子ね。」
祖母はそう言うとニコリと笑った。
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