イレンディア・オデッセイ

サイキ ハヤト

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第四章 ひとつになる世界

ラナック砦

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「う……ぅぅん……」
 マーシャは、窓から漏れる朝の光で目を覚ました。ほどよく強い光は、目の奥に光が当たった感覚を残しながら、朝であることを頭の中に知らせようとする。

「マーシャ、外見て。ほら、凄いよ」
 マーシャが起きたのを感じ取ったジャシードは、窓辺から手招きをした。

 マーシャがフラフラと起き上がって窓際へと来ると、一面に緑が広がる、素晴らしい農場が見えた。
 上を見上げれば、高い洞穴の天井に複数の球体が設置されており、その球体が眩いばかりの光をそれぞれ放っている。

「洞穴の中だなんて、信じられないぐらいに明るいわ。街に到着したときは夜だったから、わざと暗めになっていたのね」
「多分ね。ネクテイルは、すごく魔法の扱いが進んでいる街みたいだ」
 ジャシードはそう言って、宿屋の窓から先に広がる広大な農場に目を向けた。

 マーシャもその視線を追って農場へと目を向けた。農場の作物は、柔らかなそよ風に吹かれて揺れている。
 窓からは、澄んだ空気が部屋に流れ込んでくるのが感じられる。マーシャは思わず深呼吸した。

「……えっ!?」
 マーシャは、その風景の違和感に気づいて、すっとんきょうな声を上げた。

「気づいた? 多分、風も『作られて』いるんだ。魔法で」
 ジャシードは少し微笑みながら、農場から目を離さずに言う。

「ジャッシュ。私、ここで魔法を使っている人達の所に行きたいわ」
 ハッとして飲んだ息を吐き出しながら、マーシャはすぐにローブを羽織ると、寝間着をその中で脱いだ。すぐにローブの中で服を着込み、キュッと帯を締め直す。

「そんなに慌てて着替えなくても……目隠しぐらい作るのに」
「早く行きたいんだもの!」
 マーシャが余りにも前のめりになっているのを見て、ジャシードはちょっと吹き出した。

◆◆

 マーシャの希望を言うと、スネイルが案内を買って出た。三人でガンドをたたき起こして、まだ寝ていたナザクスたちの部屋にドアの下から書き置きを滑り込ませ、四人で宿を出た。

 夜、街のあちこちで灯っていた魔法の街路灯は消えていた。代わりに、ほどよい明るさに調整された天井灯が朝の柔らかな光を表現している。街路灯と同様に、天井灯からも管が延びている。

「朝は朝っぽく、昼は昼っぽく、夕方は夕方っぽく光る」
 スネイルはそう言いながら、街の外れにある、魔術館と呼ばれている場所へと三人を案内した。魔術館には、夥しい数の管が集まってきているのが見える。

「ひゃあ……すんごいね、これ。夜は薄暗くて分からなかったけど」
 ガンドは管を見ながら目を白黒させた。

 綺麗に整えられた灰色の石を組んで造られた魔術館は、かなり厳重に守られていた。
 屋上に集約されてきている管の周囲や、入口など各所にに衛兵が配置され、万が一にも管に触れられることのないようになっていた。

 魔術館の見学は即座に断られた。この厳重な警戒ぶりを見れば当然とも言える。しかしマーシャは引き下がらなかった。
 装備品をジャシードたちに持たせ、女性衛兵による入念な所持品の確認をされた。尚且つ衛兵たちの付き添いをさせることを条件に、マーシャの見学が許可された。

 そこは実に興味深いものだった――

 魔法館の中は、幾つかの部屋に分割され、光を作り出す者たち、風を作り出す者たちがそれぞれ管に向かって魔法を使っていた。
 光は洞穴に一日を作り出し、作物を成長させる。風は洞穴に空気が留まることを防ぎ、古い空気を排出する。そしてその分、外から新鮮な空気を取り入れる。

 通常、洞穴の温度は一定になる。しかし魔法で環境を変化させているため、空気の温度が上がったり下がったりすると言う。
 そのため、風の魔法を使う者達は、同時に火あるいは氷の魔法を使うのだと言う。街の見回りをしている衛兵たちの報告に合わせ、温度を上げたり下げたりしているらしい。
 そのような魔法使いたちが横並びになって、手元で広がっている管に向かってそれぞれ魔法を使ったり、維持するための魔法力を注いでいる。
 一つのグループは一人が担当する管に対して二人いて、時間を計って交代する事により、一人の疲労を一定に保つようにしている。そしてそのグループが四交代することで一日を回しているらしい。
 彼ら魔法使いたちの努力によって、ネクテイルは一年中、快適な環境で暮らすことができるのだ。

 マーシャはとても感心した表情で、魔法館から出てきた。
「凄い、のひと言よ。こんなに魔法が生活に根付いているなんて、レムリスでは想像も付かないわ」

 マーシャは、衣料品店までに向かう間、魔法館の仕組みについて話して聞かせた。
 いつの日かバラルが言っていたが、魔法の広がりはまさに無限大だ。まだ誰も思いついていないが、もっと他の方法で活用する事もできるかも知れない。ネクテイルはまさに、その可能性を身近なところで示している。

 衣料品店に辿り着くと、早速四人は防寒着を物色し始めた。どの程度厚着しなければならないかを店の主人に聞きながら、それぞれ大きさが合う物を探した。

「これからメリザスに行くだって!?」
 細身で身長の高い、衣料品店の主人は声を裏返しながら驚いた。

「やめておいた方がいい。最近のグランメリスは評判が悪い。ラグリフと言うやつは、何事か企んでいるらしいともっぱらの噂だ。メリザスからこっちに逃げてくるヤツなら幾らかいるが、わざわざメリザスに行く事はないだろうに」
 衣料品店の主人は、そう言いながらもしっかり商売をこなした。防寒着は、滅多に売れる物ではないからだ。

 四人はそれぞれ、布を何枚か重ねて作られた厚手の衣服や、フード付きのオーバーコートを購入した。男女そして様々な体型が混ざっているヒートヘイズ達は、店にある防寒着の在庫を大幅に減らし、店の主人はとても上機嫌だ。

「本当にメリザスへ行くんだな」
 店の主人は、改めて彼らが本気だと認識したようだった。

「はい。メリザスに送り届けるのは、仕事でもあり、僕の使命でもあります」
 ジャシードは快活に答えた。

「そうか……。せめて、気を付けて。怪物も強いと聞く。死なずに戻ってきて、また買い物してくれよ。あんた達、若いのに上客だからな」
「なんだよ、心配じゃなくて商売かよ」
 スネイルは店の主人を指差した。

「冗談だよ、冗談。旅の無事を祈ってるよ」
 ジャシードたちは、店の主人に世話してくれた礼を言い、衣料品店を後にした。

 その後、食料を多めに買い足し、ラマの荷台に載せた。ロウメリスでは食料の調達が困難であることが予想されるため、食料は多めに用意した。
 ラマのために干し草の束も用意した。これから先、草があるとすればロウメリスで、そこまで四日かかる予定だ。

「ラマは寒いの平気なの?」
 マーシャはラマを撫でつつ、少し心配した。ラマはいつものように穏やかな顔で、撫でつけられるがまま、それを受け容れている。

「平気みたいだよ。旅のお供には、ラマが最高なんだってさ」
 ジャシードは、ラマの胴を軽く叩いている。ラマには毛足の長い暖かそうな毛皮もあり、心配無さそうに見える。

「そう言えば、ラマって名前付けて無いわよね」
「ラマで良いんじゃない?」
「もう、ジャッシュったら。猫の名前にネコって付けるの? ピックはちゃんと名前を貰ってるのに」
「ピックは、オンテミオンさんが付けた名前だもの。それにもう、慣れてるし。な、ラマ?」
 ジャシードがラマの頭を撫でた。鼻をフンフン鳴らしているが、ラマはいつも通り、撫でられるがままだ。

 ジャシードたちは、ネクテイルの出入り口で待っていたスノウブリーズと商隊に合流し、メリザスに向けて出発した。

◆◆

 ネクテイルを出て街道を東に行くと、山間の道になる。山間の道で、何体かのガーゴイルと遭遇した。しかし傷が全快し、ネクテイルで片手剣を手に入れたナザクスと、ヒートヘイズの五人であっさりと撃退した。

 そして山間の道を抜けると、眼前に巨大な橋が現れた。幅は十メートル以上あり、長さは見た目には良く分からない。長い坂の向こうは、霞が掛かっていてよく見えない。

「うわあ……こんなに大きな橋は見たことないね。地図で見るだけだと想像もつかない規模だなあ」
 ガンドが橋を見上げ、目を細めながら言う。

「大ラナック橋だ。恐らくイレンディアで一番デカい橋だな。ここを渡りきったらラナック砦があるから、そこで着替えして、荷台の車輪を入れ替える」
 ナザクスは橋の坂をを上り始めた。

 皆もナザクスの後を付いて坂を上り始めた。ラマがへばらないように、その荷台をガンドとジャシードが押して行く。そうしたくなる長い坂だ。

「穴、柱、穴、柱……」
 橋の端には、一定間隔で四角い穴が空いているのが見える。これを数えるように、スネイルは歩いて行く。

「大ラナック橋の下は海だから、木が傷むのが早くて、定期的に柱を入れ直すらしい。今空いている穴は、次の入れ替えの時に柱を差し込む穴だ。そして今ある柱は取り除かれる」
 ナザクスがスネイルの行動に気付いて説明してやった。

「へー」
 スネイルの反応は薄かったが、柱と穴を見る目は変わったように見えた。

 一行が橋を渡りきるまで、小一時間は掛かったろうか。渡りきる頃には、辺りの気温がだいぶん下がってきたのが感じられる。

「寒い」
 スネイルはブルッと震えて、見えてきた建物、ラナック砦へと急いだ。

 ラナック砦は、ネクテイルの建物と同じく、石造りの巨大な建物だ。
 四方の大きさは、エルウィンのエルファール城に匹敵する。その城壁は、これまで見てきたものの中で最も高い。

「ドゴールより、うんと高いね、ここの城壁は」
「恐らく、イレンディアで一番高い。三十メートルぐらいはある。スノウジャイアントがナイザレアに行くのを防ぐために、この砦がある」
 驚いているガンドに、ナザクスが答えた。

 ナザクスは、ラナック砦の衛兵たちに片手をあげて軽く挨拶すると、慣れた感じで砦へと入っていった。

 門を通過すると、まず見えるのは壁だ。左右に分かれた広い道を左へ進んでいく。しばらく進んでいくと、また門がある。門を通過すると、更に壁がある……。

「なんだよ、壁ばっかり!」
 スネイルは震えながら不満を漏らした。

「言っただろう。ここは対スノウジャイアントのための砦なんだ。この構造の中、どこかで確実に殺さないといけない」
 ナザクスはそう言いながら、スタスタと道を進んでいく。

 一行は、分厚い壁の道を進み、五つの門をくぐり、ようやっと、壁を抜けることができた。

 そうして辿り着いた砦の中は、意外にも簡素であった。四棟の長屋、そして倉庫だけが存在していた。

「拍子抜けしたわ」
 マーシャは苦笑しながら言った。

「ここは城じゃあない。あくまでも砦だ」
 ナザクスはそう言いながら、右手の長屋へと歩いていった。

「よう、スノウブリーズ。調子はどうよ」
 長屋の近くにいた衛兵の一人が、ナザクスたちに気が付いて近づいてきた。

「やあやあ、タラット。調子は最悪だよ。デカい依頼をしくじっちまった。またイチからやり直しだよ。もっとも、イチからやり直しているうちに契約期間が切れて、こっちに逃げてくるかも知れないが」
「そりゃあ……災難だったな。シューブレンとレリートが怪我してんのも、そう言う事か? それで、後ろにいるのは護衛か? ずいぶん若い護衛たちだな」
 タラットは、スノウブリーズの面々を眺めている。

「まあちょっと、色々あってよ。後ろにいるヤツらは、ヒートヘイズってんだ。若いけどロック鳥を四人で倒すぐらい強い」
「あのロック鳥をか……そりゃあ、本当ならすげえな」
 ナザクスは、自らの寂しそうな表情をから目を逸らさせるように、ヒートヘイズの四人に手をやった。

「ほんで、部屋は誰か使ってるか?」
「ひと部屋使ってるな。一番奥の部屋だ。それ以外は空いてる」
 タラットは、奥のドアを指差した。

「へえ、珍しい事もあるんだな」
「全くだ。しかも顔立ち整った女が、一人旅みたいだぜ。しかしヤバそうな雰囲気を醸し出してるから、触れない方がいい」
 囁くようにタラットが言う。

「何で触れる前提で話してくるんだよ……。部屋、少し使わせて貰うぜ。ちょっと着替えるだけだ」
「おう。それなら好きに使いな」
 ナザクスはタラットの許可を得て、皆を部屋に案内した。

◆◆

 着替えを終えた一行は、まず荷台の車輪の交換を始めた。

 ラマ荷台用の車輪は、ラナック砦で余らせているものを安値で買い取ることになった。
 車輪の交換作業中、ラマは何をされるのかと後ろを気にしながら、鼻をフンフン鳴らしていた。しかし怪物の襲来に比べれば何ともないと思った……かどうかは分からないが、大人しく作業が終わるのを待っていた。

「よし、行こうか。小ラナック橋を越えたら、悪いがお前たちに先頭を行ってもらいたい。スノウジャイアントの住処に入る」
 ナザクスの言葉に、ジャシードは無言で頷いた。

 ギザギザの車輪のせいで、ガタガタと大きな音を立てて進む荷台が気になるのか、ラマは首を上げ下げして何度も後ろを振り向いている。
 ラマを引きながら、ガンドはその首を撫でた。それでも落ち着かないラマは、鼻をフンフンと鳴らした。

 しかし、ラマの落ち着かない様子も、小ラナック橋を越えたところで収まった。

「凄い……」
「真っ白ね……」
 ジャシードとマーシャは、陽の光を浴びて眩く輝く、辺り一面の雪を見て言葉を失った。

「雪!」
 スネイルは雪に触れ、手の上で溶けていく様子を眺めていたが、ふと思いつき雪をざっくりと手に掬ってガンドに投げつけた。雪は大部分が散って地面に落ちたが、一部がガンドの顔と、ラマの顔に掛かった。

「冷たっ! 投げるなよ」
 スネイルとガンドのおふざけは、どこに行っても変わらないらしい。とばっちりを食らったラマも、鼻をフンフンと鳴らしながら頭を振った。

「騒ぐなって。気をつけろ。スノウジャイアントは単体でも、群れでも来る。戦いにならないことはほぼあり得ないが、わざわざその数を増やす必要もないだろ」
 ナザクスは警告した。

「分かった。みんなも気を付けよう」
 ジャシードは、少しずつ深くなる雪原に足を踏み入れた。
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