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第四章 ひとつになる世界
伝説級の怪物
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湯煙の立ち上る湖に後ろ髪を引かれながら、一行はマロフ砦へと進路を取った。吹雪はようやく収まって、マロフ山脈がくっきりと見通せる。しかし風は時折強く、地吹雪となって旅の一行に襲いかかる。
街道へと戻るまでの間に、スノウクロッドの襲撃を二度受けた。数が少なかった事、そして何よりスノウブリーズのメンバーが全員復帰していることもあり、スノウクロッドは速やかに撃退された。
幾度かのスノウクロッドの襲撃を撃退して、夜になる頃にはマロフ砦に到着した。マロフ砦はこぢんまりした砦で、宿泊用の部屋はひと部屋しかなかった。その部屋はもちろん女性陣に譲り、男どもは兵士が休むための大部屋で、兵士たちと共に雑魚寝した。
極寒の地メリザスで、旅の途中に二日続けて暖かい環境で睡眠をとれたのは、とても運が良いと言えよう。たとえ雑魚寝だったとしても、砦に守られて安心して眠れるというのもまた、旅の合間の幸せのひとつだ。
◆◆
ところ変わって、ここは三日前のエルウィン。エルウィンでは、衛兵たちが慌ただしく城壁の上で作業を行っていた。あちらこちらに、刻印の刻まれた鋼鉄のプレートを設置し、釘を打ち込んでいく。
「設置完了!」
「よし、次行くぞ!」
衛兵たちはテキパキと作業をこなし、次の担当場所へ、プレートを持って行っては設置していった。
「イヴリーンさま、プレートの設置、予定箇所全て完了したことをご報告いたします!」
衛兵が敬礼しながら、その主へ向かって報告した。
肩よりも下まである、美しい金色の髪を振って、主は衛兵の方へと顔を向ける。健康的にほんのり日焼けをした薄褐色な肌をした女性の、角度によって金色に見える瞳は、報告をしてきた衛兵を捉えると細くなった。
「フレディ、いつもご苦労さま。みんなにありがとうと伝えて」
輝くような笑顔を衛兵に向けたイヴリーンは、簡便ではあるが心からの礼を衛兵に言う。エルウィンの衛兵たちは、イヴリーンがエルウィンの長であると言うことだけでなく、その人柄にも惚れ込んでいる。
彼女は長だからと言って偉そうに振る舞うことはなく、あくまでも仲間の一人として、同じ街を愛する者の一人として取り扱ってくれる。
だからエルウィンの衛兵たちは、滅多に辞める者などいないし、街を守る仕事に就いていることを心から誇りに思っている。
「とんでもないことでございます! しかと皆に伝えます。では失礼いたします!」
衛兵長のフレデリックは、再び敬礼をして部屋を出て行った。
「終わったみたいよ。それじゃあ二人とも、お願いね!」
イヴリーンは、同じ部屋のソファで紅茶を飲んでいる、魔法使いたちに言った。
「では、私たちの出番だな。行こうか、バラル」
ヘンラーは、飲みかけのティーカップを受け皿に置いて立ち上がった。
「紅茶を全部飲むまで待てんのかお前は……。全く、ここしばらく魔法を使い通しなのだぞ」
バラルは不機嫌そうに、紅茶の近くに添えてあるクッキーを口に放り込んだ。クアニの蜜を織り込んであるこのクッキーは、食べると疲れが吹っ飛んで、やる気に満たされる。
以前、ジャシードたちがウーリスー半島の冒険でオンテミオンを貰った飴と同じ、クアニの木の蜜を使っている。
「あら、お疲れなの? 大魔法使いバラルさん」
イヴリーンは、バラルの傍らにしゃがんで、顔を覗き込んだ。
バラルの視界にイヴリーンの笑顔が広がる。イヴリーンはものすごい美貌を持っているわけではないが、周囲にいる人間を漏れなく元気にさせる笑顔を持っている。誰にも憎まれないその性格と共に、彼女の魅力を構成する大きな要素だ。
バラルもそんな笑顔に見つめられて、嫌な気分などしない。クアニのせいなのか、目の前にある笑顔のせいなのか、元気が湧き上がるのを感じる。
「わしらはもう、いい年だからなあ。イヴリーン、お前みたいに若くはない。寄る年波には敵わんのだよ」
そう言いながらも、せっかちなヘンラーに寄って引き起こされた嫌な気分が消えていくのを、バラルは感じていた。
「そんなにおじいさんじゃないでしょ。都合の良いときばかり、おじいさんになるのは狡いわ」
イヴリーンは頬を膨らませた。
「分かった、分かった。お前さんには、寄る年波よりも敵わん」
「みんなのためだもの。大魔法使いの二人以外には、私の周りに頼める人が見当たらないのよ。だからお願いね、頼りにしてるの」
イヴリーンは、ヘンラーとバラルの手を取って言った。
「ちゃんとやるから、紅茶は全部飲ませてくれ」
「終わったらお酒もご馳走するわよ」
「うむ、そう来なくっちゃあな。行くぞヘンラー!」
バラルは残った紅茶をグイと流し込むと、元気に立ち上がった。
「全く、老体老体と言いながら、なんとまあ調子のいいことだな」
今度はヘンラーがため息をついた。
「イヴリーン、回収も頼んだぞ」
「分かってるわ……。二人とも、何とかよろしくね」
イヴリーンは、エルファール城で最上階の部屋にあるバルコニーから、フワリと飛び立っていく大魔法使いたちを見送った。
◆
城壁の南側に降り立ったバラルは、懐から柔らかな光を放つ、親指ほどの大きさで緑色をしたクリスタルを取り出し、その頂上をひと撫でした。
「聞こえるか、ヘンラー」
バラルは緑色のクリスタルに話しかける。
『聞こえるぞ。調子良く動いているな』
クリスタルからは、ヘンラーの声が聞こえてくる。
「お前の開発している魔道具には、心底驚かされてばかりだな……。更にこれから、歴史にすら名を刻もうとしている」
『世辞はいい。それに、歴史に名を刻むのは、″私たち二人″だ。配置について準備もいい。始めるぞ?』
「ああ。では、行くぞ!」
『うむ!』
バラルは城壁の上に衛兵たちが設置した、刻印の入ったプレートに触れ、魔法力を流し込み始めた。
プレートの刻印は魔法力を受けて、次へ、また次へと光が点っていく。光が点ったプレート同士は、プレートの側面に開けられた穴から隣のプレートの穴へと、魔法力で繋ぎ合わされていく。
「んぐぐ……まだまだ……!」
『へこたれる、なよ……』
「そっくり、そのまま、返してくれる!」
二人が魔法力を注ぐ作業は、まるで二人の魔法力の、生命力の総量を競うように行われた。バラルの膝が折れ、ヘンラーの意識が途切れそうになる。しかし二人は、彼らの限界ぎりぎりまで、やり切るつもりだった。
「し、仕上げだ!」
『う、む……』
全てのプレートが魔法力に寄って繋がれ、二人の絞り出すような魔法力によって、街全体を覆う領域が作り上げられた。
「ぬおおお!」
『も、もうひと踏ん張り!』
二人が絞ってようやく出る全力を注ぐと、コーンと言う乾いた音が街中に鳴り響き、魔法の領域は不可視となって地面に固定された。
少しの静寂が、彼らの周囲を取り巻く。バラルには波の音が、ヘンラーには木々が風にそよぎ、葉が擦れる音が良く聞こえる。
「おい……い、生きてるか……」
バラルは、意識が遠くなりそうになるのを感じながら、クリスタルに話しかけた。
『いま、今にも、死んで、しまいそう、だ……はは……』
クリスタルの向こうからも、弱々しいヘンラーの声が聞こえる。
「ば、馬鹿言え……さ、最大の、街で……やり、やり切った、なら、ほ、他でも……」
『も、もちろ……』
二人の大魔法使いたちは、城壁の上で大の字になったまま、意識を失った。
◆◆
再び雪と氷が覆う土地メリザス、マロフ山脈の外れにあるマロフ砦。マロフ山脈は、北メリザスを南北に分断している、幾つかの岩山で構成された山脈だ。
マロフ山脈を越えるには、海を生きて泳ぎ切るか、このマロフ砦を抜けるしかない。海を生きて渡るのは、現実的に不可能なため、実質この砦を抜けるのが唯一の選択肢となる。
一行は早朝、日が昇る前にマロフ砦を出発した。グランメリスまでは、早朝に出発して何とか一日で到着できる距離だ。
昼食を摂るまでの間に、エクス湖と言う、入り組んだ形状をした湖の近くを通り抜ける予定で、少し早足で進んでいく。
好天にも恵まれ、一時間弱でエクス湖の近くに辿り着いた。エクス湖は不思議な湖で、中心部にあるエクス島の方へ、陸側から強烈な流れがある。不思議な流れは、空の青さを複雑な文様に変化させながら映し出している。
「凄い流れね……どうなっているのかしら」
マーシャは、入り組んだ岸を進みながら、湖面の様子を眺めている。
「対流だと言われているが、実際は分からない……。余り近づくなよ。うっかり填まったら、空でも飛べない限り戻ってこられなくなる。エクス島は、自然の監獄なんだ。グランメリスで重罪を犯すと、あの島に流される。エクス島からは、この流れがあるから泳いで戻ることは不可能だ。エクス島に送られたら、ほぼ確実に死ぬことになる。おれの昔の仲間も、あそこに送られた……」
ナザクスは、エクス島に顔を向けると険しい表情になった。
「そうなのね……。あの島には何があるの?」
マーシャは、ナザクスの視線を追ってエクス島を眺める。
「聞いた話だが、エクス島には、その名もエクスと呼ばれている洞窟がある。エクスには怪物は居ないと言うことだが、だからって、何の救いにもならないな。怪物が居なくたって、凍えて死ぬだけだ……仮に凍えなかったとしても、飢えて死ぬ。どのみち、死ぬと言うことに変わりはない。そういう場所らしい」
ナザクスはエクス島から視線を外して、前を見た。
「おれたちに、もう活用の目がないと判断されたら、おれたちもエクス島行きかも知れないな……」
ナザクスは独りごち、自嘲気味に鼻で笑った。
◆◆
エクス湖を通り過ぎると、南東の方角に高い城壁が見えてきた。まだ歩いて半日の距離があるにも関わらず、城壁が『かなり高い』と分かる。
「城壁だぞ!」
スネイルが、見えてきた城壁を指さして声を上げた。
「あれがグランメリスなのかな?」
ジャシードも、城壁を見ながら言う。
「そう。おれたちの目的地だ。あと、半日ってところだな……戻って来ちまったよ」
ナザクスは、それだけ言って押し黙った。
空は青く美しい。陽の光は強くないながらも、時折そよ風に舞い上がるほど細かな雪に反射して、銀世界をとても眩しい素敵な風景に変えている。
「アニキ! なんかデカいのがくる! ワイバーンみたいな何か!」
突然、スネイルが大声を上げ、空をキョロキョロと見回した。
「なんだ……?」
ナザクスは、立ち止まって空を見上げる。
「あれだ!」
スネイルが東の空を指さした。その指が示す空に、大きな翼を羽ばたかせて接近してくる、巨大な生物が見えた。
「な、なにあれ……」
マーシャは呆然と立ち尽くしている。
「ワイバーンじゃないぞ!」
「みたいな何か!」
ガンドとスネイルが大声を出し合っている。
「よ、よりによって……こんな所で出くわすとは……」
ナザクスは、一瞬で冷や汗をかいたのを感じた。
「アズルギースだ……やれるか?」
ファイナが矢を引き抜きながら、目の前に出現した怪物の名を冷静に言った。
「か、隠れなきゃ……逃げなきゃ……」
ミアニルスが後ずさりを始めた。
「既に見つかっている。戦うしか無い」
ファイナがミアニルスへ向かって言った。
「むむ、無理よ! あんな伝説の怪物みたいなのに勝てっこない!」
ミアニルスは踵にあった雪の塊に引っかかって尻餅をついた。
「ミアニルス、覚悟を決めろ……。ここで楽に死ぬのも、まあ、悪くないかも知れん」
シューブレンがミアニルスの手を引き、起き上がらせようとする。
「イヤよ! 死にたくない! 死にたくなんかないよお!」
ミアニルスはシューブレンの手を振りきって、再度後ろの雪に倒れた。粉雪が舞い、キラキラと光を反射している。
アズルギースは、その翼を羽ばたかせて、一直線に進んでくる。近づいてくるにつれて、その全体像が明らかになってくる。
大きな左右二枚ずつの羽、六本ある足は前のひと組だけが異様に長く、他の二組の二倍はある。三つ叉に別れた尻尾、光を虹色に乱反射する、全身を覆う細かな鱗。短い首に付いている顔は蜥蜴のようで、蛇のように長い舌が二本、口からはみ出ている。全長は、ざっと見ても三十メートルはありそうだ。
「逃げろ」
ナザクスが呟くように言う。
「僕は、逃げない」
ジャシードは、はっきりと断った。
「逃げろよ! なんでだよ……お前たちは、おれたちに付き合う義務はない。おれたちはどうせ、消えかけた蝋燭みたいなもんだ。ここで消えても、グランメリスで消えても一緒だ」
「護衛をやると決めたのは、僕の意思だ。やってもみないまま、結果を決めつけるのはよくない。それに、ナザクスたちが、グランメリスで消えるとも決まっていない」
「見なくても分かる結果はある。あれはまずいんだ! アズルギースは、この辺りでは伝説級の怪物だ! おれたちだって、見たのは初めてだし、戦った事なんてねえんだ!」
「結果は、未来は、自分のチカラで切り開く! 全力を出さないまま、負けを認めるな、ナザクス!!」
ジャシードは珍しく絶叫した。
「はあ……お前といると、調子狂っちまう……。エルウィンのあの日から、何かが狂っちまった……」
「それに、逃げるってどこに逃げるつもりだ。砦か、グランメリス? そんなところに、アレを連れて行っていいわけない! 自分自身と、戦え!」
ジャシードは、ナザクスの背中を思いっきり叩いた。外套に張り付いていた粉雪が舞う。
「わかった。わかったよ。命を賭けて、戦おうじゃねえか……」
ナザクスは大剣に手をかけた。
「何言ってんの、戦いは全部命懸けだよ」
ジャシードは、そう言って一人走って行った。
「変な奴だな……アイツ……。ミア、シュー、レル。おれたちも、やれるだけやるぞ。コイツをぶっ倒して、名を上げてから帰ろうぜ」
「覚悟なら、とっくに決めてる。遅いぞ、お前は」
「うっせーよ、シュー」
「やだよお……死にたくないよお……」
ミアニルスは座り込んだまま、半泣きになっている。
「なら戦え。鎧じゃなくて、剣を出せ。全力を出さないで諦めると、あの生意気なガキに馬鹿にされるぜ」
ナザクスはミアニルスに手を差し伸べ、立ち上がらせた。
「勝ったら付き合ってよお……」
「それとこれとは別だっての」
「うう……死んじゃうかも知れないのに……生きる目標が欲しいよお」
「わかったわかった。検討する。検討な?」
「やった! がんばる! 生きる!」
「ちょっと待て、検討だからな!」
ナザクスは慌てて強調した。
「さあ来るぞ! 伝説級の怪物が、どんなものか、確かめてやる!!」
ジャシードが叫ぶ声が聞こえた。
いよいよ、アズルギースが接近してきた。接近してくると、改めてその大きさに圧倒される。ジャシードがウォークライを放ち、アズルギースはジャシードに狙いを定め、進行方向を変えた。
アズルギースは、速度を増してジャシードに襲いかかる。ジャシードは長い前足の攻撃を躱し、通過する腹を斬り付けようと、剣を構えた。
しかしその瞬間、ジャシードは背中から凄まじい圧力に押され、そのまま吹っ飛んだ。
全員が成り行きを見ている中、ジャシードの身体は弓なりに反ったまま吹っ飛んでいき、数十メートルも先にある雪山に突っ込んだ。凄まじい量の雪が、爆発でも起きたかのように飛散したのが見えた。
「ジャッシュ!!」
マーシャの叫び声が、広大な雪原に広がって、雪に吸い込まれていった。
街道へと戻るまでの間に、スノウクロッドの襲撃を二度受けた。数が少なかった事、そして何よりスノウブリーズのメンバーが全員復帰していることもあり、スノウクロッドは速やかに撃退された。
幾度かのスノウクロッドの襲撃を撃退して、夜になる頃にはマロフ砦に到着した。マロフ砦はこぢんまりした砦で、宿泊用の部屋はひと部屋しかなかった。その部屋はもちろん女性陣に譲り、男どもは兵士が休むための大部屋で、兵士たちと共に雑魚寝した。
極寒の地メリザスで、旅の途中に二日続けて暖かい環境で睡眠をとれたのは、とても運が良いと言えよう。たとえ雑魚寝だったとしても、砦に守られて安心して眠れるというのもまた、旅の合間の幸せのひとつだ。
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ところ変わって、ここは三日前のエルウィン。エルウィンでは、衛兵たちが慌ただしく城壁の上で作業を行っていた。あちらこちらに、刻印の刻まれた鋼鉄のプレートを設置し、釘を打ち込んでいく。
「設置完了!」
「よし、次行くぞ!」
衛兵たちはテキパキと作業をこなし、次の担当場所へ、プレートを持って行っては設置していった。
「イヴリーンさま、プレートの設置、予定箇所全て完了したことをご報告いたします!」
衛兵が敬礼しながら、その主へ向かって報告した。
肩よりも下まである、美しい金色の髪を振って、主は衛兵の方へと顔を向ける。健康的にほんのり日焼けをした薄褐色な肌をした女性の、角度によって金色に見える瞳は、報告をしてきた衛兵を捉えると細くなった。
「フレディ、いつもご苦労さま。みんなにありがとうと伝えて」
輝くような笑顔を衛兵に向けたイヴリーンは、簡便ではあるが心からの礼を衛兵に言う。エルウィンの衛兵たちは、イヴリーンがエルウィンの長であると言うことだけでなく、その人柄にも惚れ込んでいる。
彼女は長だからと言って偉そうに振る舞うことはなく、あくまでも仲間の一人として、同じ街を愛する者の一人として取り扱ってくれる。
だからエルウィンの衛兵たちは、滅多に辞める者などいないし、街を守る仕事に就いていることを心から誇りに思っている。
「とんでもないことでございます! しかと皆に伝えます。では失礼いたします!」
衛兵長のフレデリックは、再び敬礼をして部屋を出て行った。
「終わったみたいよ。それじゃあ二人とも、お願いね!」
イヴリーンは、同じ部屋のソファで紅茶を飲んでいる、魔法使いたちに言った。
「では、私たちの出番だな。行こうか、バラル」
ヘンラーは、飲みかけのティーカップを受け皿に置いて立ち上がった。
「紅茶を全部飲むまで待てんのかお前は……。全く、ここしばらく魔法を使い通しなのだぞ」
バラルは不機嫌そうに、紅茶の近くに添えてあるクッキーを口に放り込んだ。クアニの蜜を織り込んであるこのクッキーは、食べると疲れが吹っ飛んで、やる気に満たされる。
以前、ジャシードたちがウーリスー半島の冒険でオンテミオンを貰った飴と同じ、クアニの木の蜜を使っている。
「あら、お疲れなの? 大魔法使いバラルさん」
イヴリーンは、バラルの傍らにしゃがんで、顔を覗き込んだ。
バラルの視界にイヴリーンの笑顔が広がる。イヴリーンはものすごい美貌を持っているわけではないが、周囲にいる人間を漏れなく元気にさせる笑顔を持っている。誰にも憎まれないその性格と共に、彼女の魅力を構成する大きな要素だ。
バラルもそんな笑顔に見つめられて、嫌な気分などしない。クアニのせいなのか、目の前にある笑顔のせいなのか、元気が湧き上がるのを感じる。
「わしらはもう、いい年だからなあ。イヴリーン、お前みたいに若くはない。寄る年波には敵わんのだよ」
そう言いながらも、せっかちなヘンラーに寄って引き起こされた嫌な気分が消えていくのを、バラルは感じていた。
「そんなにおじいさんじゃないでしょ。都合の良いときばかり、おじいさんになるのは狡いわ」
イヴリーンは頬を膨らませた。
「分かった、分かった。お前さんには、寄る年波よりも敵わん」
「みんなのためだもの。大魔法使いの二人以外には、私の周りに頼める人が見当たらないのよ。だからお願いね、頼りにしてるの」
イヴリーンは、ヘンラーとバラルの手を取って言った。
「ちゃんとやるから、紅茶は全部飲ませてくれ」
「終わったらお酒もご馳走するわよ」
「うむ、そう来なくっちゃあな。行くぞヘンラー!」
バラルは残った紅茶をグイと流し込むと、元気に立ち上がった。
「全く、老体老体と言いながら、なんとまあ調子のいいことだな」
今度はヘンラーがため息をついた。
「イヴリーン、回収も頼んだぞ」
「分かってるわ……。二人とも、何とかよろしくね」
イヴリーンは、エルファール城で最上階の部屋にあるバルコニーから、フワリと飛び立っていく大魔法使いたちを見送った。
◆
城壁の南側に降り立ったバラルは、懐から柔らかな光を放つ、親指ほどの大きさで緑色をしたクリスタルを取り出し、その頂上をひと撫でした。
「聞こえるか、ヘンラー」
バラルは緑色のクリスタルに話しかける。
『聞こえるぞ。調子良く動いているな』
クリスタルからは、ヘンラーの声が聞こえてくる。
「お前の開発している魔道具には、心底驚かされてばかりだな……。更にこれから、歴史にすら名を刻もうとしている」
『世辞はいい。それに、歴史に名を刻むのは、″私たち二人″だ。配置について準備もいい。始めるぞ?』
「ああ。では、行くぞ!」
『うむ!』
バラルは城壁の上に衛兵たちが設置した、刻印の入ったプレートに触れ、魔法力を流し込み始めた。
プレートの刻印は魔法力を受けて、次へ、また次へと光が点っていく。光が点ったプレート同士は、プレートの側面に開けられた穴から隣のプレートの穴へと、魔法力で繋ぎ合わされていく。
「んぐぐ……まだまだ……!」
『へこたれる、なよ……』
「そっくり、そのまま、返してくれる!」
二人が魔法力を注ぐ作業は、まるで二人の魔法力の、生命力の総量を競うように行われた。バラルの膝が折れ、ヘンラーの意識が途切れそうになる。しかし二人は、彼らの限界ぎりぎりまで、やり切るつもりだった。
「し、仕上げだ!」
『う、む……』
全てのプレートが魔法力に寄って繋がれ、二人の絞り出すような魔法力によって、街全体を覆う領域が作り上げられた。
「ぬおおお!」
『も、もうひと踏ん張り!』
二人が絞ってようやく出る全力を注ぐと、コーンと言う乾いた音が街中に鳴り響き、魔法の領域は不可視となって地面に固定された。
少しの静寂が、彼らの周囲を取り巻く。バラルには波の音が、ヘンラーには木々が風にそよぎ、葉が擦れる音が良く聞こえる。
「おい……い、生きてるか……」
バラルは、意識が遠くなりそうになるのを感じながら、クリスタルに話しかけた。
『いま、今にも、死んで、しまいそう、だ……はは……』
クリスタルの向こうからも、弱々しいヘンラーの声が聞こえる。
「ば、馬鹿言え……さ、最大の、街で……やり、やり切った、なら、ほ、他でも……」
『も、もちろ……』
二人の大魔法使いたちは、城壁の上で大の字になったまま、意識を失った。
◆◆
再び雪と氷が覆う土地メリザス、マロフ山脈の外れにあるマロフ砦。マロフ山脈は、北メリザスを南北に分断している、幾つかの岩山で構成された山脈だ。
マロフ山脈を越えるには、海を生きて泳ぎ切るか、このマロフ砦を抜けるしかない。海を生きて渡るのは、現実的に不可能なため、実質この砦を抜けるのが唯一の選択肢となる。
一行は早朝、日が昇る前にマロフ砦を出発した。グランメリスまでは、早朝に出発して何とか一日で到着できる距離だ。
昼食を摂るまでの間に、エクス湖と言う、入り組んだ形状をした湖の近くを通り抜ける予定で、少し早足で進んでいく。
好天にも恵まれ、一時間弱でエクス湖の近くに辿り着いた。エクス湖は不思議な湖で、中心部にあるエクス島の方へ、陸側から強烈な流れがある。不思議な流れは、空の青さを複雑な文様に変化させながら映し出している。
「凄い流れね……どうなっているのかしら」
マーシャは、入り組んだ岸を進みながら、湖面の様子を眺めている。
「対流だと言われているが、実際は分からない……。余り近づくなよ。うっかり填まったら、空でも飛べない限り戻ってこられなくなる。エクス島は、自然の監獄なんだ。グランメリスで重罪を犯すと、あの島に流される。エクス島からは、この流れがあるから泳いで戻ることは不可能だ。エクス島に送られたら、ほぼ確実に死ぬことになる。おれの昔の仲間も、あそこに送られた……」
ナザクスは、エクス島に顔を向けると険しい表情になった。
「そうなのね……。あの島には何があるの?」
マーシャは、ナザクスの視線を追ってエクス島を眺める。
「聞いた話だが、エクス島には、その名もエクスと呼ばれている洞窟がある。エクスには怪物は居ないと言うことだが、だからって、何の救いにもならないな。怪物が居なくたって、凍えて死ぬだけだ……仮に凍えなかったとしても、飢えて死ぬ。どのみち、死ぬと言うことに変わりはない。そういう場所らしい」
ナザクスはエクス島から視線を外して、前を見た。
「おれたちに、もう活用の目がないと判断されたら、おれたちもエクス島行きかも知れないな……」
ナザクスは独りごち、自嘲気味に鼻で笑った。
◆◆
エクス湖を通り過ぎると、南東の方角に高い城壁が見えてきた。まだ歩いて半日の距離があるにも関わらず、城壁が『かなり高い』と分かる。
「城壁だぞ!」
スネイルが、見えてきた城壁を指さして声を上げた。
「あれがグランメリスなのかな?」
ジャシードも、城壁を見ながら言う。
「そう。おれたちの目的地だ。あと、半日ってところだな……戻って来ちまったよ」
ナザクスは、それだけ言って押し黙った。
空は青く美しい。陽の光は強くないながらも、時折そよ風に舞い上がるほど細かな雪に反射して、銀世界をとても眩しい素敵な風景に変えている。
「アニキ! なんかデカいのがくる! ワイバーンみたいな何か!」
突然、スネイルが大声を上げ、空をキョロキョロと見回した。
「なんだ……?」
ナザクスは、立ち止まって空を見上げる。
「あれだ!」
スネイルが東の空を指さした。その指が示す空に、大きな翼を羽ばたかせて接近してくる、巨大な生物が見えた。
「な、なにあれ……」
マーシャは呆然と立ち尽くしている。
「ワイバーンじゃないぞ!」
「みたいな何か!」
ガンドとスネイルが大声を出し合っている。
「よ、よりによって……こんな所で出くわすとは……」
ナザクスは、一瞬で冷や汗をかいたのを感じた。
「アズルギースだ……やれるか?」
ファイナが矢を引き抜きながら、目の前に出現した怪物の名を冷静に言った。
「か、隠れなきゃ……逃げなきゃ……」
ミアニルスが後ずさりを始めた。
「既に見つかっている。戦うしか無い」
ファイナがミアニルスへ向かって言った。
「むむ、無理よ! あんな伝説の怪物みたいなのに勝てっこない!」
ミアニルスは踵にあった雪の塊に引っかかって尻餅をついた。
「ミアニルス、覚悟を決めろ……。ここで楽に死ぬのも、まあ、悪くないかも知れん」
シューブレンがミアニルスの手を引き、起き上がらせようとする。
「イヤよ! 死にたくない! 死にたくなんかないよお!」
ミアニルスはシューブレンの手を振りきって、再度後ろの雪に倒れた。粉雪が舞い、キラキラと光を反射している。
アズルギースは、その翼を羽ばたかせて、一直線に進んでくる。近づいてくるにつれて、その全体像が明らかになってくる。
大きな左右二枚ずつの羽、六本ある足は前のひと組だけが異様に長く、他の二組の二倍はある。三つ叉に別れた尻尾、光を虹色に乱反射する、全身を覆う細かな鱗。短い首に付いている顔は蜥蜴のようで、蛇のように長い舌が二本、口からはみ出ている。全長は、ざっと見ても三十メートルはありそうだ。
「逃げろ」
ナザクスが呟くように言う。
「僕は、逃げない」
ジャシードは、はっきりと断った。
「逃げろよ! なんでだよ……お前たちは、おれたちに付き合う義務はない。おれたちはどうせ、消えかけた蝋燭みたいなもんだ。ここで消えても、グランメリスで消えても一緒だ」
「護衛をやると決めたのは、僕の意思だ。やってもみないまま、結果を決めつけるのはよくない。それに、ナザクスたちが、グランメリスで消えるとも決まっていない」
「見なくても分かる結果はある。あれはまずいんだ! アズルギースは、この辺りでは伝説級の怪物だ! おれたちだって、見たのは初めてだし、戦った事なんてねえんだ!」
「結果は、未来は、自分のチカラで切り開く! 全力を出さないまま、負けを認めるな、ナザクス!!」
ジャシードは珍しく絶叫した。
「はあ……お前といると、調子狂っちまう……。エルウィンのあの日から、何かが狂っちまった……」
「それに、逃げるってどこに逃げるつもりだ。砦か、グランメリス? そんなところに、アレを連れて行っていいわけない! 自分自身と、戦え!」
ジャシードは、ナザクスの背中を思いっきり叩いた。外套に張り付いていた粉雪が舞う。
「わかった。わかったよ。命を賭けて、戦おうじゃねえか……」
ナザクスは大剣に手をかけた。
「何言ってんの、戦いは全部命懸けだよ」
ジャシードは、そう言って一人走って行った。
「変な奴だな……アイツ……。ミア、シュー、レル。おれたちも、やれるだけやるぞ。コイツをぶっ倒して、名を上げてから帰ろうぜ」
「覚悟なら、とっくに決めてる。遅いぞ、お前は」
「うっせーよ、シュー」
「やだよお……死にたくないよお……」
ミアニルスは座り込んだまま、半泣きになっている。
「なら戦え。鎧じゃなくて、剣を出せ。全力を出さないで諦めると、あの生意気なガキに馬鹿にされるぜ」
ナザクスはミアニルスに手を差し伸べ、立ち上がらせた。
「勝ったら付き合ってよお……」
「それとこれとは別だっての」
「うう……死んじゃうかも知れないのに……生きる目標が欲しいよお」
「わかったわかった。検討する。検討な?」
「やった! がんばる! 生きる!」
「ちょっと待て、検討だからな!」
ナザクスは慌てて強調した。
「さあ来るぞ! 伝説級の怪物が、どんなものか、確かめてやる!!」
ジャシードが叫ぶ声が聞こえた。
いよいよ、アズルギースが接近してきた。接近してくると、改めてその大きさに圧倒される。ジャシードがウォークライを放ち、アズルギースはジャシードに狙いを定め、進行方向を変えた。
アズルギースは、速度を増してジャシードに襲いかかる。ジャシードは長い前足の攻撃を躱し、通過する腹を斬り付けようと、剣を構えた。
しかしその瞬間、ジャシードは背中から凄まじい圧力に押され、そのまま吹っ飛んだ。
全員が成り行きを見ている中、ジャシードの身体は弓なりに反ったまま吹っ飛んでいき、数十メートルも先にある雪山に突っ込んだ。凄まじい量の雪が、爆発でも起きたかのように飛散したのが見えた。
「ジャッシュ!!」
マーシャの叫び声が、広大な雪原に広がって、雪に吸い込まれていった。
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