akikawa

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冷たい涙

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風は重く、大地を削り取ってゆくような砂塵を巻き上げながら、轟々と吹き荒れる。
廃墟と化した街。燃え尽きた緑。
凍てついた大地・・・。
生命いのちを感じるものは、何もない。
「戦」と「核」。
人々を恐怖に追い込んだ。
人は同じ過ちを幾度も幾度も繰り返し、ついには滅びぬ。
此処は誰もいない、何もない、あるのは唯、「無」のみ。

モノクロームの風は吹きすさび、心を凍りつかせ、真実は全て虚実となる。
全てが塵となって消えた、あの瞬間。
唯、人類の愚かさを映すだけ。

何も聞きたくはない、何も見たくはない、何も云いたくはない。
口を閉ざす。
眼を閉じる。

このまま、石のように蹲って、誰かが来るのを待とうか?
このまま、泉路を下り、あの世へ行こうか?  
だが、この冥い泉路(みち)の先で待っているのは?
取り返しのつかぬ過ちを犯した
今のわたしたちを待っているのは、
奈落のみ・・・。

この世へ転生しようにも、もう、
魂(こころ)が戻るべき、場所(ところ)はない。
魂が触れ合い、安らげる場所は、もう、無い。何も無い。
死の惑星・・・。

生命(いのち)あるものは一切、地球(だいち)へ踏み入ることはできない。
できなくなってしまった。
否、何百年、何千年、経ったとき、また大地に緑の息吹(いのち)が宿るかもしれぬ。

そして、わたしたちはまた、祈りを抱いて、地球(だいち)へ戻って行くのだ。
いつか、生命(いのち)の炎が
再び熱く燃え立つとき、
今一度、わたしたちはこの天空(おおぞら)を抱き締める。
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