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オタクに厳しい世界

何もない異世界

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「あのー! 誰かいませんか?」

 最初は、いきなりの事すぎて頭が回らなかったが、これは正に異世界転移ってやつか! 

 にしても、僕の場合はいきなりすぎるんじゃないかと思ったが、文句を言っても仕方がない。僕は異世界に行っても良いように頭の中でパターンを百通り考えた。

 やっぱり百と言えば百獣の王、僕はどんな事があっても逞しく生きていかないといけない。ここは焦らず、これからの事を模索していく。

 周りは草原で草しかない。草としか言いようがない。この絶望的状況で僕は諦めない。まずはできる事を探そうと思う。

 異世界に降り立ったのだ。僕の思考の中には、やりたい事が溢れて次えの行動がイメージできないので、整理する。

 まずは、王道のステータス確認。自分の力を視覚的に確認することによってこの状態でも突破口はある。やはり僕は異世界転移に選ばれた男、能力値もスキルも最強に決まっている。

 ——確認しようと思ったけど、まずどう確認するのこれ!? この状況的に、視界の隅にホームボタンがあって、パソコンゲームみたいに視線を送ったらカーソルがでるみたいな感じじゃないの?それか声を出してステータス確認みたいな?

 「ステータス確認」

 何にも起こりませんでした。まあでも正直、ステータス確認なんかそこまで大事じゃないしね! 今は正直、人肌が少なくて寂しいまでもある。なんかこんな何もない所に送られてめまいがしてきたよ。普通はさ、転移した時って、誰かいるものじゃない。もっと僕を労われ!

 正直、異世界に来たところで日本にいた事頃の別に変わらない気がしてきた。正直、ここは異世界でもないんじゃないか、モンゴル平野にでも僕は飛ばされたんじゃないかと思うぐらい、面白みがない。何も知らない事ばかりで魔法の使い方も良くわからないし、異世界人ともやり取りがないし、そもそもチュートリアル的な女神とのやりとりもないし。

 僕は、何かしらのアクションは取らないいけないと思いつつ、街を見つけるか人を見つけるかどちらが先かと考え、希望を目標に地平線の先を歩き続ける。

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