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咲き誇る花のように恋したい 光輝×麻衣
第一話
きらきらと煌めく雨上がりの木々を私は見上げた。
いつの間にか、冬に散っていた木の葉が息吹きだしていた。
私の心とは裏腹な、キラキラとした眩しさに私は小さくため息をついた。
言葉にできないこの思いを抱え続けたこの日々を、私を笑顔で隠す事しかできない。
榊原麻衣、今年21歳になる私は、短大を卒業後、総合病院の近くにあるフラワーショップに勤めている。
特に目立つところも、秀でたところも何もない人間だ。
160㎝の身長も肩までのブラウンの髪も、そして性格も何もかもが普通だと思う。
そして日曜日のこんないい天気の日に、ただ向かう場所は本屋。
ふと目に留まった不動産屋の案内を見ながら、いい加減に実家をでて一人暮らしをしようかな。
そんな事を思いながら歩いていると、ふと後ろから聞こえた声にびくりと肩が揺れた。
「麻衣」
会いたくなかったから出かけたのに……。
この偶然に私はこのまま聞こえないふりをしようと決めて、振り返らず歩みを速めた。
「麻衣、待てよ」
ついに手を握られもう知らないふりが出来る訳もなく、私は覚悟を決めて振り返った。
「あれ?偶然だね。こうちゃん」
にこりと笑顔を向けた私をみて、こうちゃんはかなり訝し気な表情をした後大きくため息をついた。
「聞こえていただろ?」
「ごめんね、考え事してたから」
もちろん聞こえていたが、そんな事を言えるわけもなく無邪気なふりをした。
「どこに行くんだ?また本屋?」
私の行動パターンなんて、それしかないだろう?と言いたげな言葉遣いに内心苛立ちが募る。
それでもグッと自分の気持ちを押し殺すと、私は笑顔を向けた。
「そうだよ。本屋に行くの。こうちゃんはどうしたの?」
自然に笑えてる?
私は泣きたい気持ちを押しやり無理やりに笑った自分に問いかけた。
「俺は駅前のパン屋」
そんな私をどう思い見ているかわからなかったが、こうちゃんはジッと私を見据えたまま答えた。
本橋光輝は2軒隣の3つ年上の幼馴染だ。
大手の商社に勤めており、花屋の店員の私なんかとは本当なら全く接点のない人種の人だと思う。
身長は185㎝ほどあり、濃い茶色の髪は地毛で何代か前の祖先にイギリスかどこかの血が入っていると聞いたことがあった。
光輝という名前が似合いすぎる幼馴染は、私と違いルックスも頭脳もずば抜けており、女の子が周りにいないことなど今までにあったのだろうか?と疑問になるほどだった。
そして私の2つ下の妹、結衣の彼氏でもある。
結衣は私とは違い華やかで、きれいでいつも周りには人が集まるタイプだ。
誰だって私より結衣を選ぶのは当たり前だと思っている。
小さいころから一緒だった3人は、時が経つにつれて関係を変えていった。
そして誰にも言えず初恋をこじらしている私が一番問題なのかもしれない。
チラチラと周りの子の視線を感じながら、隣を歩くこうちゃんを見上げた。
ここ一年はなんだかの理由をつけて2人が一緒にいる場所を避けてこれていたのに……。
私は久しぶりにこうちゃんを避けることに失敗して、重たくなる気持ちを悟られないようにギュッと自分の手を握りしめた。
「駅前にできた新しいパン屋さん?」
そして無邪気な妹のポジションを彼の前では崩さないように私は、わざと明るい声を出す。
女として見てもらえなくても、せめて彼の中のではよき幼馴染であり、彼女の姉でいたかった。
「そう、麻衣も食べたいだろ?」
その言葉に、結衣が頼んだのだろうとすぐに想像がつき、私は少しため息をついた。
思っていた通り、パンを買ってうちに来るつもりだろう。
「うん、私の分も買っておいてくれるの?じゃあよる食べるね」
そう言って私はこうちゃんに小さく手を振ると、本屋へと足を向けた。
「なんで?夜なの?ただ本屋に行くだけだろ?」
そう来たか……。
こうちゃんと結衣が一緒のところは極力見たくない。
どう言い訳をしようかと思案していると、こうちゃんが追い打ちを掛けるように言葉を重ねる。
「本屋に俺も付き合うよ。その後一緒にパン屋に行ってから帰ればいいだろ?」
どんな提案?それ……。
休みのたびに家にくるこうちゃんを避けるために、外出しているのにこれでは意味がない。
そう思って心の中で大きなため息をついた。
いつの間にか、冬に散っていた木の葉が息吹きだしていた。
私の心とは裏腹な、キラキラとした眩しさに私は小さくため息をついた。
言葉にできないこの思いを抱え続けたこの日々を、私を笑顔で隠す事しかできない。
榊原麻衣、今年21歳になる私は、短大を卒業後、総合病院の近くにあるフラワーショップに勤めている。
特に目立つところも、秀でたところも何もない人間だ。
160㎝の身長も肩までのブラウンの髪も、そして性格も何もかもが普通だと思う。
そして日曜日のこんないい天気の日に、ただ向かう場所は本屋。
ふと目に留まった不動産屋の案内を見ながら、いい加減に実家をでて一人暮らしをしようかな。
そんな事を思いながら歩いていると、ふと後ろから聞こえた声にびくりと肩が揺れた。
「麻衣」
会いたくなかったから出かけたのに……。
この偶然に私はこのまま聞こえないふりをしようと決めて、振り返らず歩みを速めた。
「麻衣、待てよ」
ついに手を握られもう知らないふりが出来る訳もなく、私は覚悟を決めて振り返った。
「あれ?偶然だね。こうちゃん」
にこりと笑顔を向けた私をみて、こうちゃんはかなり訝し気な表情をした後大きくため息をついた。
「聞こえていただろ?」
「ごめんね、考え事してたから」
もちろん聞こえていたが、そんな事を言えるわけもなく無邪気なふりをした。
「どこに行くんだ?また本屋?」
私の行動パターンなんて、それしかないだろう?と言いたげな言葉遣いに内心苛立ちが募る。
それでもグッと自分の気持ちを押し殺すと、私は笑顔を向けた。
「そうだよ。本屋に行くの。こうちゃんはどうしたの?」
自然に笑えてる?
私は泣きたい気持ちを押しやり無理やりに笑った自分に問いかけた。
「俺は駅前のパン屋」
そんな私をどう思い見ているかわからなかったが、こうちゃんはジッと私を見据えたまま答えた。
本橋光輝は2軒隣の3つ年上の幼馴染だ。
大手の商社に勤めており、花屋の店員の私なんかとは本当なら全く接点のない人種の人だと思う。
身長は185㎝ほどあり、濃い茶色の髪は地毛で何代か前の祖先にイギリスかどこかの血が入っていると聞いたことがあった。
光輝という名前が似合いすぎる幼馴染は、私と違いルックスも頭脳もずば抜けており、女の子が周りにいないことなど今までにあったのだろうか?と疑問になるほどだった。
そして私の2つ下の妹、結衣の彼氏でもある。
結衣は私とは違い華やかで、きれいでいつも周りには人が集まるタイプだ。
誰だって私より結衣を選ぶのは当たり前だと思っている。
小さいころから一緒だった3人は、時が経つにつれて関係を変えていった。
そして誰にも言えず初恋をこじらしている私が一番問題なのかもしれない。
チラチラと周りの子の視線を感じながら、隣を歩くこうちゃんを見上げた。
ここ一年はなんだかの理由をつけて2人が一緒にいる場所を避けてこれていたのに……。
私は久しぶりにこうちゃんを避けることに失敗して、重たくなる気持ちを悟られないようにギュッと自分の手を握りしめた。
「駅前にできた新しいパン屋さん?」
そして無邪気な妹のポジションを彼の前では崩さないように私は、わざと明るい声を出す。
女として見てもらえなくても、せめて彼の中のではよき幼馴染であり、彼女の姉でいたかった。
「そう、麻衣も食べたいだろ?」
その言葉に、結衣が頼んだのだろうとすぐに想像がつき、私は少しため息をついた。
思っていた通り、パンを買ってうちに来るつもりだろう。
「うん、私の分も買っておいてくれるの?じゃあよる食べるね」
そう言って私はこうちゃんに小さく手を振ると、本屋へと足を向けた。
「なんで?夜なの?ただ本屋に行くだけだろ?」
そう来たか……。
こうちゃんと結衣が一緒のところは極力見たくない。
どう言い訳をしようかと思案していると、こうちゃんが追い打ちを掛けるように言葉を重ねる。
「本屋に俺も付き合うよ。その後一緒にパン屋に行ってから帰ればいいだろ?」
どんな提案?それ……。
休みのたびに家にくるこうちゃんを避けるために、外出しているのにこれでは意味がない。
そう思って心の中で大きなため息をついた。
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