Short stories

美希みなみ

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咲き誇る花のように恋したい 光輝×麻衣

第十話

Side kouki

小さいころから俺の後ろをついてくる2人。
可愛らしい結衣と、いつも結衣のお姉さんとしてがんばっている麻衣。

中学生になったころから、麻衣の周りには、結衣を紹介してほしい男たちが集まるようになった。

そんな奴らにも嫌な顔一つせず、道に咲く花にすら優しくするお人よしの麻衣の事を、俺はいつも気にかけるようになった。

それが俺の初恋と気づいたのは、ずっと先のことだった思う。

俺はそのころから、自分でいうのもなんだけど、モテたし、女に困ったこともなかった。
あの頃、麻衣や結衣に対する気持ちは、ずっと一緒にいる兄のようなものだと自分でも信じて疑がわなかった。

でもあの日、俺が仕事帰り、いつものようにその当時の彼女と歩いていると、寒い冬にも関わらず外で花の世話をしている麻衣を見た。

しばらくその姿がきれいで、俺は目を離せなかった。

「私の手いつもカサカサ」
そう言って手を目の前でこする麻衣の姿が頭に浮かぶ。

ジッと俺はそんな麻衣を見つめていた。

「ちょっと!コウ!どこ見てるのよ」
ヒステリックなその彼女の声に、俺は内心うんざりしながら麻衣を見ていた。

「何よ?あの花屋?私に買ってくれるの?」
なにかを勘違いした彼女は、俺の手を引いてあろうことか、麻衣のいる花屋へ向かう。

一心不乱に仕事をしていた麻衣は、「すみません!」と声をかけた彼女の言葉に顔を上げた。


その時の麻衣は驚いて目を見開いた後、すぐに「また違う女の人?」という呆れたような瞳に変わったのが俺にはわかった。

そしてすぐに、綺麗ないつもの笑顔を俺たちに向けた。

いつから麻衣は俺にもこの笑顔を向けるようになった?
作られたような、他人に向けるようなその視線。

嫌、他人なんだ……。
俺は麻衣にとって、他人だ。

その現実に初めて気が付いた。

呆然とその時気づいた自分の気持ち。
俺は恋愛にドライな人間だ。そう思っていたバカな自分を呪った。

「いらっしゃいませ。プレゼントですか?」
柔らかな麻衣の言葉をただ、俺は花を選ぶ彼女の横で聞いていた。

どうやって花を買ったのか今はもう思い出せない。

その時の麻衣の表情は今でも思い出せるのに。


それから、俺はきっぱりと女を切って、麻衣の実家へと足を運ぶようになった。
今すぐに麻衣に何を言っても信用もないだろうし、麻衣は俺のことなど眼中にもないこともわかっていた。

もう一度、兄のポジションからでもいい。
始めようと思った。

感想 4

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