10 / 13
咲き誇る花のように恋したい 光輝×麻衣
第十話
Side kouki
小さいころから俺の後ろをついてくる2人。
可愛らしい結衣と、いつも結衣のお姉さんとしてがんばっている麻衣。
中学生になったころから、麻衣の周りには、結衣を紹介してほしい男たちが集まるようになった。
そんな奴らにも嫌な顔一つせず、道に咲く花にすら優しくするお人よしの麻衣の事を、俺はいつも気にかけるようになった。
それが俺の初恋と気づいたのは、ずっと先のことだった思う。
俺はそのころから、自分でいうのもなんだけど、モテたし、女に困ったこともなかった。
あの頃、麻衣や結衣に対する気持ちは、ずっと一緒にいる兄のようなものだと自分でも信じて疑がわなかった。
でもあの日、俺が仕事帰り、いつものようにその当時の彼女と歩いていると、寒い冬にも関わらず外で花の世話をしている麻衣を見た。
しばらくその姿がきれいで、俺は目を離せなかった。
「私の手いつもカサカサ」
そう言って手を目の前でこする麻衣の姿が頭に浮かぶ。
ジッと俺はそんな麻衣を見つめていた。
「ちょっと!コウ!どこ見てるのよ」
ヒステリックなその彼女の声に、俺は内心うんざりしながら麻衣を見ていた。
「何よ?あの花屋?私に買ってくれるの?」
なにかを勘違いした彼女は、俺の手を引いてあろうことか、麻衣のいる花屋へ向かう。
一心不乱に仕事をしていた麻衣は、「すみません!」と声をかけた彼女の言葉に顔を上げた。
その時の麻衣は驚いて目を見開いた後、すぐに「また違う女の人?」という呆れたような瞳に変わったのが俺にはわかった。
そしてすぐに、綺麗ないつもの笑顔を俺たちに向けた。
いつから麻衣は俺にもこの笑顔を向けるようになった?
作られたような、他人に向けるようなその視線。
嫌、他人なんだ……。
俺は麻衣にとって、他人だ。
その現実に初めて気が付いた。
呆然とその時気づいた自分の気持ち。
俺は恋愛にドライな人間だ。そう思っていたバカな自分を呪った。
「いらっしゃいませ。プレゼントですか?」
柔らかな麻衣の言葉をただ、俺は花を選ぶ彼女の横で聞いていた。
どうやって花を買ったのか今はもう思い出せない。
その時の麻衣の表情は今でも思い出せるのに。
それから、俺はきっぱりと女を切って、麻衣の実家へと足を運ぶようになった。
今すぐに麻衣に何を言っても信用もないだろうし、麻衣は俺のことなど眼中にもないこともわかっていた。
もう一度、兄のポジションからでもいい。
始めようと思った。
小さいころから俺の後ろをついてくる2人。
可愛らしい結衣と、いつも結衣のお姉さんとしてがんばっている麻衣。
中学生になったころから、麻衣の周りには、結衣を紹介してほしい男たちが集まるようになった。
そんな奴らにも嫌な顔一つせず、道に咲く花にすら優しくするお人よしの麻衣の事を、俺はいつも気にかけるようになった。
それが俺の初恋と気づいたのは、ずっと先のことだった思う。
俺はそのころから、自分でいうのもなんだけど、モテたし、女に困ったこともなかった。
あの頃、麻衣や結衣に対する気持ちは、ずっと一緒にいる兄のようなものだと自分でも信じて疑がわなかった。
でもあの日、俺が仕事帰り、いつものようにその当時の彼女と歩いていると、寒い冬にも関わらず外で花の世話をしている麻衣を見た。
しばらくその姿がきれいで、俺は目を離せなかった。
「私の手いつもカサカサ」
そう言って手を目の前でこする麻衣の姿が頭に浮かぶ。
ジッと俺はそんな麻衣を見つめていた。
「ちょっと!コウ!どこ見てるのよ」
ヒステリックなその彼女の声に、俺は内心うんざりしながら麻衣を見ていた。
「何よ?あの花屋?私に買ってくれるの?」
なにかを勘違いした彼女は、俺の手を引いてあろうことか、麻衣のいる花屋へ向かう。
一心不乱に仕事をしていた麻衣は、「すみません!」と声をかけた彼女の言葉に顔を上げた。
その時の麻衣は驚いて目を見開いた後、すぐに「また違う女の人?」という呆れたような瞳に変わったのが俺にはわかった。
そしてすぐに、綺麗ないつもの笑顔を俺たちに向けた。
いつから麻衣は俺にもこの笑顔を向けるようになった?
作られたような、他人に向けるようなその視線。
嫌、他人なんだ……。
俺は麻衣にとって、他人だ。
その現実に初めて気が付いた。
呆然とその時気づいた自分の気持ち。
俺は恋愛にドライな人間だ。そう思っていたバカな自分を呪った。
「いらっしゃいませ。プレゼントですか?」
柔らかな麻衣の言葉をただ、俺は花を選ぶ彼女の横で聞いていた。
どうやって花を買ったのか今はもう思い出せない。
その時の麻衣の表情は今でも思い出せるのに。
それから、俺はきっぱりと女を切って、麻衣の実家へと足を運ぶようになった。
今すぐに麻衣に何を言っても信用もないだろうし、麻衣は俺のことなど眼中にもないこともわかっていた。
もう一度、兄のポジションからでもいい。
始めようと思った。
あなたにおすすめの小説
最近彼氏の様子がおかしい!私を溺愛し大切にしてくれる幼馴染の彼氏が急に冷たくなった衝撃の理由。
佐藤 美奈
恋愛
ソフィア・フランチェスカ男爵令嬢はロナウド・オスバッカス子爵令息に結婚を申し込まれた。
幼馴染で恋人の二人は学園を卒業したら夫婦になる永遠の愛を誓う。超名門校のフォージャー学園に入学し恋愛と楽しい学園生活を送っていたが、学年が上がると愛する彼女の様子がおかしい事に気がつきました。
一緒に下校している時ロナウドにはソフィアが不安そうな顔をしているように見えて、心配そうな視線を向けて話しかけた。
ソフィアは彼を心配させないように無理に笑顔を作って、何でもないと答えますが本当は学園の経営者である理事長の娘アイリーン・クロフォード公爵令嬢に精神的に追い詰められていた。
カモフラージュの恋
湖月もか
恋愛
容姿端麗、文武両道、しかも性格までよし。まるで少女漫画の王子様のような幼馴染な彼。
当たり前だが、彼は今年も囲まれている。
そんな集団を早く終わらないかなと、影から見ている私の話。
※あさぎかな様に素敵な表紙を作成していただきました!
君に何度でも恋をする
明日葉
恋愛
いろいろ訳ありの花音は、大好きな彼から別れを告げられる。別れを告げられた後でわかった現実に、花音は非常識とは思いつつ、かつて一度だけあったことのある翔に依頼をした。
「仕事の依頼です。個人的な依頼を受けるのかは分かりませんが、婚約者を演じてくれませんか」
「ふりなんて言わず、本当に婚約してもいいけど?」
そう答えた翔の真意が分からないまま、婚約者の演技が始まる。騙す相手は、花音の家族。期間は、残り少ない時間を生きている花音の祖父が生きている間。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
【完結】時計台の約束
とっくり
恋愛
あの日、彼は約束の場所に現れなかった。
それは裏切りではなく、永遠の別れの始まりだった――。
孤児院で出会い、時を経て再び交わった二人の絆は、すれ違いと痛みの中で静かに崩れていく。
偽りの事故が奪ったのは、未来への希望さえも。
それでも、彼を想い続ける少女の胸には、小さな命と共に新しい未来が灯る。
中世異世界を舞台に紡がれる、愛と喪失の切ない物語。
※短編から長編に変更いたしました。
不器用な氷の王子は幼馴染を離さない。元婚約者は勝手に破滅中!
ムラサメ
恋愛
王太子エドワードから「無能な書類女」と蔑まれ、公開婚約破棄と国外追放を告げられた公爵令嬢エルナ。絶望する彼女の前に現れたのは、隣国の「氷の王子」アルフレッドだった。
強引に彼に連れ去られたエルナだが、実は彼はかつて彼女の後ろをついて回っていた泣き虫な幼馴染で……!?
「昔の俺は忘れろ」と冷徹に振る舞おうとする彼だけど、新生活の準備が過剰すぎて溺愛がダダ漏れ!
一方、エルナを失った母国は経済崩壊の危機に陥り、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが――。
「氷の公爵子息は、平凡令嬢を手放さない」
白瀬しおん
恋愛
ただぶつかっただけのはずだった。
なのに気づけば、氷の公爵子息は隣に座り、手を取り、名前を呼ぶ。
そして——
「逃げてもいい。でも、逃げ切れない」
平凡令嬢を静かに囲い込む、逃げ場なしの溺愛。
最後に待つのは、拒否権のない婚約だった。
※初投稿のため、至らない点があるかもしれませんが、温かく見守っていただけると嬉しいです。