Blood Spare of Secret : The story of Creeds

千導 翼『ZERO2005』

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第三章 シルヴァマジア編

業火の花を咲かせる女

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 翌日、退院する薫と光琳を迎えに行くために、清雅とバンバを連れて病院まで来た。

 「もうすぐ出てくる時間だが。」

 「おっ、出てきましたよ。」

 清雅が病院から出てくる薫と光琳に手を振る。それを見つけた2人も手を振り返してくる。

 「思ったより元気そうだな。」

 「そうだな。清雅、今日はどういう風に観光して国を出るんだ?」

 「まずは朝を食べて、その後シルヴァマジア名物の果物アイスチョコを買いに行って、シルヴァマジアの服を何着か買って、ちょっと遅めにお昼を食べて、そのまま出ましょう。」

 とりあえずの予定を聞いて、そのまま朝食を食べに行く。途中で退院後にすぐにものを食べていいのかを訊いていると、良いという返事がもらえたらしい。この質問をやっているときの清雅の顔がかなり硬直していたが...無視しよう。

 「到着しましたね。ここが、モーニングのあるシルヴァマジアの喫茶店です。」

 「写真で見るより大量に来ないだろうな?」

 「...そんな事は...あるかもしれません。」

 俺の心配を飛ばそうとする清雅だが、みるみる表情が変わっていき、目を逸らし始めた。

 「まぁ多かったらバンバに食べてもらえばいい。」

 「おい。」

 そんな会話を続けて店の中に入ると、かなり洒落た内装をしている。

 「何か私達、場違い感凄くないです?」

 「店側から拒否されればそうかもしれないが、されてないのなら場違いでも何でもない同じ客だ。」

 俺はそう言って、席に着く。続いて全員が席に着いて、メニューをしばらく眺めた後、とりあえず俺はエビカツサンドとハニーコーヒー、薫はサンドイッチとホットコーヒー、光琳とバンバは味噌カツパンとアイスコーヒー、清雅はアップルパイとミルクコーヒーを頼んだ。

 「ハニーコーヒーって凄い甘そうな奴ですよね?」

 「ああ。気になったから飲んでみようと思った。」

 「皆コーヒー飲めるんですね? 私砂糖入れたミルクコーヒーじゃなきゃ飲めませんよ。」

 「アイスココアでも頼めばよかったじゃないか。」

 「いや、皆コーヒーだったので、ちょっと一人だけかすりもしてないの...頼みづらくて。」

 「わかります。そういうのありますよね。」

 「流石薫ちゃん話し合うねぇ~。」

 「そうなんですか師匠?」

 「いや、全く共感できん。」

 「お? コーヒーが届いたぞ? ハニーコーヒー一体どれだけ甘いのか...。」

 「お前甘いの好きだったか?」

 「いや。嫌いではない程度だ。」

 「よく頼めたなお前。」

 それぞれ会話をしながら、届いた飲み物と食べ物を食べて店を後にした。

 「よし、じゃあ果物アイスチョコを買いに行きましょう!」

 「移動している間に腹が満たされて食えないなんてことないだろうな?」

 「持ち帰りで複数買う予定ですのですぐに食べる必要はありませんよ。そ・れ・に! 私がいる限りアイスやチョコに溶けるという概念はありません!! 任せて下さい!」

 バンバの心配に清雅は自分の胸をドンと叩いてドヤァと言った顔をしている。

 「(打ち解けてきたせいなのか、何なのかだいぶ雰囲気変わったな清雅。)」

 そうして、店に着くと行列ができかけているところに運よく並ぶことができ、店に近づいていくと同時に清雅だけでなく、薫と光琳もだんだんテンションが上がっていた。

 「今食べるように3つと持ち帰りに30個下さい!」

 「「30?」」

 俺とバンバが買い過ぎじゃないかと思う中、清雅と薫、光琳さえも適量と言い張った。お金に関しては貯金分のおかげでダメージは少ないが、これから服を買いに行くことを考えると、一度帰りたかったが、それではアイスが溶けるらしくそのまま服を買いに行った。

 「今日もクリードさんをコーディネートしますからね!!」

 「服に関すると薫結構テンション上がるな。」

 「逆に光琳は一切テンションが上がらないのが何とも言えないが。」

 バンバがそう言いながら光琳の服を見繕う為にシャインティアウーブの時のようにまた離れる。そして、薫と清雅は真剣に会話をしながら多分俺の服を見繕っている。

 「ある程度決まったら呼んでくれ。」

 俺は2人にそう言って一度店を出た。

 「一斉に会話をするのが久しぶりだったからか、何か疲れるな。神器を使ったのに、休んでいないからか? 創破造壊の力を使ってすぐに解いたから大丈夫だと思ったが、国を出た後は休憩をこまめに入れるか。」

 そんな事を言いながら目の前の雑貨屋を見ていると、シルヴァマジアでは売ってないようなものを見つけた。

 「...。」

 無言でその店まで歩いていくと、眠そうにしていた店主が俺を見て気怠そうに言った。

 「もうここも閉店する予定なんさ。お客さんえらく別嬪べっぴんさんだねぇ。服装も見たところこの国の人じゃないねぇ? 外から来た人ならあんたにはこの髪飾りが似合うよ。無料でやるからぜひ貰って行っておくれ。」

 「...髪飾りを勧めてもらって悪いのですが...それ...。」

 俺が髪飾りを断りながら目に留まったそれを指さすと、店主は目を丸くして訊く。

 「あの...カメラの方が...欲しいのかい?」

 「はい。」

 「これ結構古い型なんだけど、綺麗に撮れるんだよ。」

 店主はそう言いながら、俺の顔を見て深く頷いてカメラを手に取る。

 「髪飾りをぜひつけてほしかったんだけど、こっちの方が欲しいんだったらこれをやるしかないね。お代は結構。このカメラでいっぱい写真を撮って、思い出を束ねてくれ。」

 「別にお金に困ってはいませんよ?」

 「それは見ればわかる。ただ...雰囲気がね? 人と話している気がしないのさ。」

 「...。ありがとうがございます。大事に使わせていただきます。」

 俺はそう感謝の言葉を述べて、かなり古いがしっかりと手入れされたカメラを受け取った。そうして、服屋まで戻ると、薫と清雅がちょうどよく出てきて、試着室に入れられて見繕った服を着させられた。貴族のようなワンピースに露出の多いオーガが来そうな服。本で出てきそうな暗殺者のような服装だったりと様々だ。そんな中、最終的には白いブラウスに黒いパンツと灰色のロングコートを着る形となった。

 「クリードさんマスク外してくださいよ。わかりづらいです。」

 「マスクありでマスクなしの状態の俺にも似合う服を見繕えたら何でも買ってやる。」

 「ずっとそれの一点張りなんだもんな。」

 そうして、それぞれ買った服を着たまま購入して、昼を食べに行った。まぁ、昼と言いつつもう15時何だが。

 「シルヴァマジアにこんな店あるんだな。」

 「そりゃラーメン屋くらいあるでしょうよ。」

 「どうしたその喋り方。」

 そうして俺は担々麺、バンバは魚介豚骨、薫は塩、光琳は醤油、清雅は味噌のラーメンを食べた。かなり人気そうな店なようで、会話することを一切なくとりあえず食べて店を後にした。その後は一日中歩いていたから疲れて、何も喋れなくなった状態でレグスに着いた。

 「よぉ~し皆ぁ~果物アイスチョコを食べるぞぉ~!!!」

 着いてすぐに清雅が果物アイスチョコを取り出して3にが食べている中食べなかった俺とバンバに食わせた。

 「美味い。」

 分厚いチョコのコーティングよるカリッとした食感とバニラアイスのクリーミーな甘さ、そしてイチゴの酸味が程よくマッチしていてしっかり美味しい。他にもぶどう、みかん、バナナ、マンゴー、桃、パイナップルがあるし、アイスのコーティングもバニラだけでなく、チョコやストロベリー、抹茶など様々だ。チョコも同様にホワイト、ビター、ルビーと様々。全部しっかり美味しいが一個でまぁ腹にたまる。こう説明してて思ったが、シルヴァマジアの名物と言ってはいるが、他の国でも全然探せばありそうなのは、気づかなかったことにしよう。

 「美味しかったぁ~。服も買えたし、帰りがけに食材も調達したしこれでもう国を発てますね。」

 「そうだな。」

 清雅の言葉を聞いて、俺とバンバはレグスの運転席に乗って、起動する。瞬間、目の前に1人の女が現れた。

 「陽葉山花仙。」

 「よぉ! 今回は...依頼人だ!! あたしと一緒に...火竜堂緋愛を探してくれ!!」

 花仙はそう言って頭を下げた。その声を聞いて薫、光琳、清雅が飛び出してくる。

 「一緒にって...。」

 「妹とはもう話して別れを済ませてきた。あたしはこの国を出て1人勝手に出て行った友達に会いに行きたい。何で国を離れたのかを訊きたいし、今どうしてるのかをシンプルに知りたい!!」

 「俺達への依頼という形なのは...」

 「あんた等には車っていう足があるし、何より強いし勇気がある! それに、あんたらの居場所を教えてくれた2人から何でも屋をやってるって聞いたからな。それ相応のお金とあたしが同行することで多少だけど戦力が増えるってことで依頼を受けてもらえるって思った。」

 花仙は迷いのない眼でそう答えた。

 「居場所を教えた2人ってのは誰だ?」

 「ルーク・ギルデアとジーク・ヴィネア。」

 「何でも屋をやってると言ったのはルーク・ギルデアか?」

 「その通りだ。」

 「(なんて余計なことを言ってくれたんだ。)」

 俺が額に手を当てて呆れていると、バンバが前に出て話す。

 「別に依頼自体は受けてもいいが、戦力として利用してもいいということは積極的に俺達の依頼に協力するという認識で間違いないな?」

 「もちろん。」

 「...クリード。この依頼受けても損はないぞ。何より相手が依頼人側で協力してもらえるのなら、依頼が嘘じゃない限り裏切られる可能性が低い。」

 「もし受けてもらえなかったらどうするんだ?」

 「1人で宛てなく旅をする。あと...2人から預かった。このレーザーナイフと魔工車専用の最新型電力魔力生成器は渡せなくなる。」

 「受けよう。」

 「よしきた!!」

 決して薫に持たせられそうな武器とレグスに使える装置につられて即決したわけじゃない断じてつられたわけじゃない。そうして、依頼を受けた俺達はある程度の金額を受け取り、それを分配して配っている内に花仙が持ってきた荷物をレグスに乗せて俺にレーザーナイフと装置を渡してきた。

 「取り付けてこよう。」

 バンバがそう言って装置を手に取るとすぐにレグスの動力室まで行った。俺はレーザーナイフの扱い方を車外でしばらく確認した後に、薫を呼んでレーザーナイフの扱い方を教えた後に渡した。

 「使い方としてはワスプナイフと同じで切り札として使え。」

 「わかりました。」

 そうしていると、バンバが動力室から出てきた終わったことを伝えに来た。

 「じゃあ今度こそ国を出るか。」

 「はい!」

 俺の言葉に薫が強く返事をしてレグスに乗った。

 「じゃあなぁ~~~!!!! 我が故郷ぉ~~~~~!!!! 必ず戻ってくるからなぁ~~~!!!!」

 国から出た瞬間、窓から花仙が大声でそう叫んだ。

 「やばい...。出国したばっかなのにもう泣きそう。」

 「「(早すぎるだろ。)」」

 2人でそう思いながら車を走らせた。何気にルーク・ギルデアとジーク・ヴィネアに挨拶ができなかったことや、七瀬がどうなったかが気がかりだったが、どうせ死ねば会えないと思い、忘れることにした。次の目的地は堕ちた騎士の国バルジェリア皇国。
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