神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞

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22 下級神使

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いつものごとくそこには神様と神使。それとピンクの髪の女、エリーがいた。

「は?え?なに、ここ」

混乱しているエリーを無視して、神様は冷めた目をしてなにも言わず神使を光の粒に変えた。そして目線をエリーに向けると

「きゃー!いや、いやよ!私は消えたくない!なにも悪いことしてないじゃない!邪神になんてしてないでしょう!」

神様が指を鳴らすと、エリーは口を開けなくなった。

「やかましい奴じゃな。邪神に成っておらんのはあやつが頑張ったからじゃ。でなければとっくにお前さん共々消滅しておったわ。わしは言ったよな?力を悪用するなと。はぁ、魔法は本人の適正で決まるからこちらで決められない。それでこういう愚か者が出る」

ウーウーと開かない口で文句を言っているエリーに手を翳し

「死してもなお、己の行いを顧みず愚行を繰り返す。そんな者はいくら生まれ変わろうとも、なぜか同じ事を繰り返す。被害者達のためにも消滅せよ」

恐怖に顔を歪めながら、嫌々と首を振るエリーはそのまま光の粒に変わっていった。

「そうだ、ヨミ。ステータスを確認してみよ」

突然そんなことを言った神様。俺は困惑しながらもステータスを開いた。

ーーーーー
ヨミ(下級神使)

・神の育成者
   神候補 ラグレット 
       レティオット 
       ジェムリー 
       ルルーシェ

・ラグレットの眷属
・レティオットの準眷属
・ジェムリーの準眷属
・ルルーシェの庇護

・眷属共鳴

・全魔法

・言語理解、収納、各技術習得、鑑定
ーーーーー

は?下級神使!なんで!!

「それだけの候補の育成者なんじゃ。そら、神格化するじゃろ。何か勘違いしてないか?今のヨミらは可視化できて、触れることも出来る魂だけの存在。つまり幽霊と同じ状態じゃ。まぁ、ヨミは転生間近だったことで生前の姿が保てなく、新しくわしが体を与えたので純粋な幽霊とは言いがたいがな」

だから俺だけ姿が違ったのか

「それから、お主を連れてきた神使は実はまだ見習いでな、本来の神使が見習いに直前で丸投げして、放棄したんじゃよ。だから転生間近の人間を選んではいけないと言う事を知らんかったんじゃ。災難だったのう。本来の神使には罰を与えて、見習いにはわしの側近が教育を施している。すでに処罰を与えているので世程の事がない限り会うことはないじゃろ」

災難だったの一言で済ませられる事なんだ。まぁ、普通に転生するより貴重な体験をしていると思うけど。なんかこう納得がいかないような?

うん?見習い?

「あの、見習いと下級神使は違うんですか?」

さらっと受け流そうとしてしまったけど、疑問に思い聞くと

「見習いは産まれずに流産したか、産まれても死産、もしくは一年も生きられなかった純真無垢な赤子がなるなるものじゃ。下級神使が赤子から育ててある程度育てば、こちらで用意した親の元へ転生するか、このまま下級神使の元で神使を目指すか選べるんじゃ。じゃか、下級神使が目を離した隙に今回の事が起きてな。転生を望んできた見習いは罰として神使の教育を施すことになり、すでに転生先を準備しておったので、代わりに下級神使が転生することになったのだ」

ああ、どっちにしも望まない事だから罰ってことか。でもその下級神使は手塩にかけて育てた子の望みを叶えることが出来なくて後悔したかもな。
と、ラグ達を見てしんみりとした。

「ここの反対の国、東側の国にも愚か者がいるでな。よろしく頼む。そして、北の国に居るものにも接触してくれんかの?本当、今回の神使共はどうしようもないもの達だ」

最後はため息混じり呟き、消えていった。

そして今、俺の目の前には巨体な獣いる。


*****

ある世界のある国で、一人の少女によって次代を担う者の多くが堕落させられた。その事によって次代の交代などで国が混乱していたが、数年で混乱を収め、隙を突こうとする諸外国をはね除けた現王は、賢王を称えられ、失墜した権威を取り戻した。

少女に堕落させられた者の中に、元王太子も居たことで、元王太子の年の離れた弟がその地位に付いた。

その他の主要要職についている者も後継者をどうするかで頭を悩ませていた。

そんなある日の夜、この国の貴族は軒並み強制的に眠らされた。

夢の中で、元凶の少女の魂が消滅したと言う声が響いた。そして、二度とこのような少女に惑わされないようにする魔道具の作り方を授けられた所で目が覚めた。

現王を初めとする、被害を受けた貴族達は涙した。

少女が居なければ素晴らしかった次代達を駄目にされ、少女を処刑しても腹の虫は治まらなかったからだ。

それがその少女の魂が消滅して、この先の子孫達があのような少女に今後惑わされずに済む事に、喜びに歓喜した。

また、現王は魔道具を諸外国の交渉に使い、全世界に魔道具が行き渡った。

少女のような者は定期的に現れたけど、魔道具のお掛けで二度と、堕落する者はいなかった。性格的な事で、堕落する者は居たようだが、、、

けれども、魔道具に頼らずに警戒を促す意味で、恥を忍んでかの国は実際にあったことを劇場にして、後世に伝えていった。

いつかまた同じ過ちを犯さないよう、かの国の王侯貴族の教育はより厳しくなったとか
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