神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞

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48 北の廃教会の立て直し−3

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倉庫を後にした俺達が次に来たのは、枯井戸。

しかも、教会の敷地内に一つだけ。

「絶対足りないだろう、これ。それとも、井戸と教会内に引かれている水って別なのか?」


枯井戸の前で、ブツブツと独り言を言っていると

「教会内の水は魔道具で出しているから、別と言えば別です。この井戸は主に、教会周りの水やりなどの為のものです」

「いやいやいや。それにしてもこれ一つは少ないでしょう?ここから裏庭までかなり離れてるよね?」

ベティの説明についついツッコんでしまった。

倉庫は裏庭寄りにあるけど、この枯井戸は教会の入り口近くにある。

ネオに協力してもらいながら、地下の水脈を探すと、裏庭と倉庫の間とその反対側、枯井戸の反対側の教会入り口近くに、井戸を作れそうな水脈があった。

なので、水の流れを妨げないように、でも必要な水量は確保出来るように、魔法で3つの井戸を作り、入り口近くの2つの井戸を上水、裏庭近くの2つの井戸を下水仕様にした。

しかし、上下水を作ると教会内の水回りもこれに適したものにしたくなった。

「魔道具ってことは、魔石が必要不可欠だし、道具は壊れれば直さないといけない」

実は廃教会ってことで、魔道具も魔石もかなりガタがきてきる。魔石はどうにか出来るが、魔道具の修理は分からない。

ならいっそのこと、魔道具無しで水が出るようにしてしまえばいい。と、チラッとラグ達を見た。

俺の視線に気づいたラグ達は、俺の思考を読んだかのように

「まぁ、出来なくはないけど、、、」

と言って、俺抜きで話し合いをし始めた。

時折、俺の方をチラチラ見ながら、俺がどうのと言っているがハッキリとは聞こえなかった。

暫くして、話し合いが終わったラグ達は

「ヨミのしたいようにしていいけど、やってしまえば一蓮托生だからね?後から無しは出来ないからね?」

と、不穏な事を言ってきた。その言葉に俺は一瞬ためらったけど

「壊れてからじゃ遅いからな。うん。一蓮托生、ドンと来いだ!」

俺のこの言葉に、ラグ達は密かに笑いを噛み締めていた。それはそれは嬉しそうな笑いを。

それに、ヨミが大事に鞄にしまっている卵(ラグ達とは違い、一抱え位の大きさ)も、嬉しいそうに動いていた。



そして始まった廃教会全体の改修作業。
と言っても、全て魔法でやるので建築の知識が無くても、創造とイメージで出来るので楽なものだ。

水脈の流れを少し変えて、教会全てに巡らせた上下水の通り道に水が流れるようにして、また水脈に戻ってくるようにした。下水用の水脈は、浄化の魔法陣を刻むことにした。

教会自体も、雨漏りや傷んでいる所の木材を新しいのに変え、教会内の居住区の作りも変えた。

まず、裏庭の近くの部屋は厨房に。その隣の部屋はお風呂と洗濯場に。その隣はトイレ。勿論男女別(お風呂も)。

厨房の向かいの部屋は食堂。しかも3部屋ぶち抜きの広さ。その隣は遊び部屋。こちらも3部屋ぶち抜き。遊び部屋には、本棚と勉学も出来るよう、黒板と机や椅子も数脚ある。

勿論、小さい子の為の遊び場も確保するためのぶち抜きだ。小さい子を見ながら勉学を教えたり学んだだりと一石二鳥の部屋なのだ。

次は二階。手前は今までのように来客用。ベッドは二段ベッドへ変更。

奥の教会に勤める人用の部屋は、手前と奥に続く廊下に扉を付け、関係者以外通れないようにした。

そして少し増築して、3階に執務室など仕事部屋を作った。

俺が手を出せるのはここまで。
礼拝堂はラグ達がするから、手を出すな!見るな!と言われた。

『おーい。こっちは終わったぞぉ』

念話でラグ達に連絡すると

『こっちはもうちょっと。先に休んでていいよ』

とラグから返事が来た。

それならと、部屋に戻り、ラグ達が戻って来るまで一眠りしてすることにした。



ペチペチと頬を叩かれて

「ヨミ、いい加減起きて。お腹空いたよぅ」

「ワタシ達を餓死させるの?」

「「「「起きろー!」」なの!」です」

「起きて?」

「皆さん、もう少し優しくしてあげて」

??頬を叩いているのは、ラグだろう?
その後の声はレティで、耳元で大声を上げてるのはジェムとネオとルルとベティ。
なら聞き覚えのない、後の2つの声は?

俺はそっと目を開けた。
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