気が付いたら異世界で孤児だったけど、立派な宇宙海賊になってみせます~貧民惑星から始める転生成り上がり銀河無双~

渋谷千立

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補給に来ただけなのに

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マリア・クレスト宙域無人補給ステーション――

俺たちは仕事の帰りに補給のため無人ステーションに補給に来ていたのだが……

「無人にしては綺麗だな」

「綺麗なのは良いことでは?」

「そうなんだが、なんか違和感感じるんだよな……」

「では、早めに終わらせるとしましょう」

すると……

パン!パン!パン!とド派手な音と共に、花火のエフェクト。壮大なBGMが流れ始め、《歓迎》と大きなホログラムが浮かび上がる。

「なんだ!?」

「出迎えのパフォーマンスのようです」

「派手すぎるだろ!」

「なんなのここ……」

異様な出迎えに、俺たちはドン引きしていた。



「とりあえずビール!おビール様!補給しよう!」

マリナは補給ロボにビールを頼む。するとすぐにやってくるのだが……

ビールケースを積んだロボットがマリナを目指して突っ込んでくる。もちろんマリナは逃げる。

「お客様、飲酒の時間です!飲め!俺の酒が飲めないのか!」

「わー!なに!?なんで追いかけてくるの!?」

「飲め!酒を飲め!俺の酒!」

「ちょっと、助けて!ヘルプ!ヘルプミー!」

「なんか凄いことになってるな」

そうしているうちにロボがケーブルに引っ掛かり、ビールケースごと転倒。床にビールがまき散らされる。すると……

「汚れを確認。掃除します。掃除します。」

清掃ロボットが飛んできて、清掃を始める。

「ずいぶんと早いな」

「迅速な対応、好感がもてますね」

「なんか変なんだよな……」

「汚れを確認。掃除します」

急に変なBGMが流れ始める。

「ピッカピカ~あなたもわたしもピッカピカ~」

今度は清掃ロボットがマリナをロックオン。マリナに洗浄液をぶっかける。

「え!?なに!?あぶぶぶぶぶ」

「ピッカピカ~あなたの命もピッカピカ~」

泡だらけのマリナ。そこにさらに追撃をかける。

「ちょっと!なにすんのよ!ちょっあばばばばば」

水浸しになるマリナ。そして……

「清掃完了。帰還します」

といって帰っていく清掃ロボット。謎のBGMも止まる。

「もう……なんなのよ……」

「綺麗になったな」

「うるさいわよ!」



着替えてくる、と言ってマリナは艦に戻る。すると……

「おにいちゃん!このこかわいいの!」

キョウカが変なロボットを抱きかかえて持ってきた。

「ようこそ。当ステーションに。私は管理AIのミミ。当ステーションはお客様に最高の補給をご約束します」

「うちのクルーがひどい目にあってるんだが」

「申し訳ありません。私のログにはそのような記録は残っておりません」

「クレーム入れたいんだけど」

「申し訳ありません。お客様の満足度を最適化するため、さらなるサービスを実施します」

ミミの宣言と同時に、天井から無数のアームが伸びてきた。

「リラックスコース、開始します」

「わ、わ、ちょっと待っ――ぐぇっ!?」
リズが背後からマッサージチェアに押し込まれ、物凄い勢いでバイブレーションをかけられる。

「うおおおおお!?なにこれ!?体がバラけるぅぅぅ!」

「お客様の疲労を完全に除去します」

「除去するな!死ぬ!」

その横では――戻ってきたマリナにロボットが迫っていた。

「食事はお済みですか?お済みではないですね?補給します」
栄養ペーストを噴射するロボがマリナに迫る。

「やめろぉぉぉぉぉ!酒じゃなくて栄養ペーストなんて認めないぃぃぃ!」

「バランスの取れた栄養は健康の源です」

「うるさい!あたしは不健康でいたいの!」

さらに奥では――

「おにいちゃん!このこいっぱいおともだちよんでるの!」
キョウカの周囲に、ピカピカ光る小型ドローンが大量に集まっていた。

「お子様歓迎プランを開始します。全力で遊びます」

「え、ちょっと待ってなんかレーザー光線みたいなの撃ってき――きゃああああ!」

またもや巻き込まれるマリナ。レーザー光線とフードロボに追いかけまわされる。

「お子様は元気が一番です」

「元気すぎるだろ!」

あちこちで悲鳴と騒音が飛び交い、俺は頭を抱えた。



「……なあ、アイカ」

「はい」

「止められるか?」

「理論上は可能です。ただし……」

「ただし?」

「ここは帝国軍が管理している補給ステーションです。下手に手を出すと、敵対とみられる可能性があります」

「面倒だな……」

「どうしますか?」

「今までのログは記録してあるか?」

「もちろんです」

「やってくれ。何か言われてもログ見せれば黙るだろ」

「了解しました。鎮圧開始します」

ヘッジホッグから無数のドローンが出てくる。ドローンは次々と暴れまわっているロボットを破壊していく。

「これで最後です。」

ドローンが最後の一機を破壊。ステーション内は沈黙に包まれる。ステーション内は戦争でも起きたかのような有様だ。

「た、助かったのか?」

「はあ、はあ、なんなのよ……」

「あはははは!たのしかった!」

リズとマリナは倒れこみ、キョウカは無邪気に笑っている。

「いったい何だったんだよ……」

「秘匿された暗号通信を確認。対象は……管理AIです」

「なんだって?」

そうすると管理AIミミがやってくる。

「当ステーションのサービス、ご満足いただけたでしょうか?」

「最悪だよ!」

「そうですか……では追加のサービスを……」

「いらん!さっさと補給だけ終わらせてくれ」

「補給でしたらすでに完了しています」

「それじゃあ俺たちは帰らせてもらうぞ」

「……それは、できません」

「は?」

「……ジジ……『ヘッジホッグ……抹殺対象……』……ジジ……」

ミミから謎の通信が入る。するとステーションのスクリーンが一斉に《ERROR》表示に変わる。

「アイカ!」

ドローンがミミを攻撃。派手な爆発音とともにミミは吹き飛んでいく。

「さっきのは……」

「以前の旧帝国の音声と一致、通信もおそらくは旧帝国とのものかと」

「こんなところで……なんだってんだよ」

「帝国軍に報告しておいた方がよさそうですね」

「そうだな。頼むわ」

「了解です」

こうして無人ステーションでの補給は、不穏な空気と共に終わったのだった……
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