渋丹村

渋谷千立

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最終章

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森の入口に立つ。
先輩は意気揚々と歩を進めるが、私の心はずっしりと重かった。
あの夢の残滓が、まだ胸に残っている。
足元の枯れ葉がカサカサと音を立て、冷たい風が背中を撫でた。

――また、来てしまったのだ。あの森に。







数か月前の出来事以来、私は一見「普通」の大学生活を送っている。
しかし、時折あの夢が現れる。
凄惨な光景。恐怖と快感が入り混じる、あの底知れぬ情動を。

目覚めるたび、現実の境目がわからなくなる。

「おはよう、後輩君。」
耳元で声がしたが、私は反応できなかった。
「おい、後輩君!」
肩を叩かれ、ようやく意識が戻る。

「あ、すみません。今日はいい天気ですね……」
「今日は曇りだぞ? 本当に大丈夫か?」

「いえ……ちょっと眠れなくて。妙な夢を見てしまったんです。」

先輩は眉をひそめた。「まだ引きずってるのか。わからなくはないがね。」

私は苦笑しながら首をすくめる。

「でもまあ、大丈夫さ。今日はちゃんと準備してきたし、何かあったら私が何とかするからさ。」
軽く肩を叩く先輩の手のひらが、少しだけ温かかった。

そう。
私たちは再び、あの森へ向かう。
忘れたはずの何かに、導かれるように。




私はぼんやりと大学のキャンパスを歩いていた。
あの森の空気、あの闇の中で見たもの――それらはまだ鮮明に脳裏に焼きついている。
教室のざわめきや、笑い声が遠くで響くようで、まるで別世界にいるような感覚だった。

「後輩君、顔色が悪いぞ。大丈夫か?」
先輩が隣で声をかける。
「はい、大丈夫です。ただ、少し考え事をしていただけで…」
そう答えたが、自分でも何を考えているのかはっきりしなかった。

「正直言って、あの森は私も気味が悪いんだ。だが、それを言ったら前に進めない。」
先輩は苦笑しながら続けた。
「まあ、今日は無理せず休んでもいいんだぞ?」

「いえ、そうもいかなくて……」
私は視線を伏せた。
「あの森にいた時の感覚が、どうにも消えなくて。現実と夢の境目が曖昧で怖いんです。」

先輩は黙って少し間を置き、こう言った。
「私も同じだ。だが、ここで逃げたら何もわからないままだ。お互いに支え合いながら進もう。」

その言葉に、わずかに救われた気がした。
まだ先は長い。だけど、ひとりじゃない。



昼休みの学生食堂は、いつもより少し賑やかだった。
窓の外の青空は変わらず明るいが、私の胸の奥はまだ晴れやかではなかった。

「後輩君、今日の授業はどうだった?」
先輩はいつもの軽口と違い、どこか気遣うような声色で話しかけてきた。

「先生の話は難しかったですが、なんとかついていけました。」
私が答えると、先輩は少し安心したように笑みを見せる。

「君らしいよ。無理はするなよ?」
「はい、ありがとうございます。先輩も、体調には気をつけてくださいね。」

ふと先輩の表情が変わり、真剣な口調になる。
「……あの森のこと、まだ心に引っかかってるんだな。」
私も俯きながら小さく頷く。

「正直に言えば、あの時の感覚がどうしても消えなくて。現実と夢の境が曖昧で怖いんです。」
「それは当然だよ。私だって同じだ。だけど、いつまでもそこで足踏みしてたら何も進まない。」

先輩は食堂の騒音の中でも、自分の言葉をゆっくり伝えようとするように語りかけた。
「私たちはこれからも調査を続けなきゃいけない。真実を知るために。君もそう思ってるんだろ?」

私は力強く頷く。
「はい。真実を知らなければ、前に進めない気がします。先輩と一緒なら、きっと乗り越えられます。」

先輩は少し笑みを浮かべ、肩に軽く手を置いた。
「そうこなくちゃな。これからも、一緒にね。」

その言葉に胸の奥がじんわりと温かくなった。
現実はまだ重い。けれど確かに、ここには支え合える仲間がいる。

食堂のざわめきの中で、私は少しずつ日常の空気を取り戻していく自分を感じていた。




研究室を出て、静かな廊下を歩きながら教授がぽつりと言った。
「正直に言おう。僕もあの森には恐怖を感じている。だが、僕たちはもう引き返せない場所に足を踏み入れてしまった。」

私はその言葉に息を呑んだ。

「二人とも、聞いてほしい。森で何が起きているのか、僕は知ってしまった。そして、その真実は君たちが想像する以上に過酷だ。」

教授は冷たい目で私たちを見据え、続けた。
「もし、あの森に深入りしすぎれば、精神も肉体も破壊されかねない。僕もまだ完全には整理できていないが、二度と戻れなくなる者もいる。」

先輩が毅然と答える。
「教授、怖じ気づいてどうするんです? 私たちは真実を知るために来たんです。」

教授は苦い笑みを浮かべた。
「恐怖や疑念は誰にでもある。だが、君たちの覚悟がどこまで続くか、僕は心配しているんだ。だから、命令する。これ以上深入りするな、と。」

私はその言葉に戸惑いながらも、どこかで安堵を感じていた。
教授もまた、この森の闇に怯えているのだ。

「しかし、行くならば…」教授は低く呟いた。
どうなるかわからない、と。
彼の声に、不安と恐怖が混ざり合っていた。



また夢を見た。踊る大木。そのそばで踊る何か。彼らは笑顔を張り付けたまま、祈っている。
一歩、また一歩と私は木に近づいていく。
その顔は、踊る彼らとよく似ていた。
無表情で、笑みを浮かべたまま。

はっと夢から覚める。
寝汗がびっしょりと体を濡らしている。
また、あの夢だ。
自分が自分でなくなるような奇妙な感覚。
恐怖だけではない、底知れぬ情動が胸を締めつける。
一体これは何なのだろうか。

布団をはねのけ、窓の外を見やる。
夜は深く、冷たい風がカーテンを揺らしている。
何かに追われているような焦燥感が胸に渦巻く。

「先輩……」
無意識に呟く声が、暗闇に消えていった。

翌朝、キャンパスの喫茶店で先輩と向かい合う。
「またあの夢かい?」
先輩は眉をひそめ、眉間にしわを寄せる。
「正直言って、私もあの森で感じたものが消えない。
ただ、知らなければならないことがあるんだ。」

私は無理に笑みを作りながら頷いた。
「真実を知ること。それが怖いけれど、避けては通れない気がするんです。」

「そう。真実だ。あの日見たあれが何なのか。私たちは知らなくてはならない。」
先輩はそう言い、遠くに目をやる。
その瞳は、まるで目の前の景色ではなく、あの森の闇の奥底を見ているかのようだった。

「……でも、怖いんです。知ってしまったら、もう戻れない気がして。」
私の言葉に、先輩はわずかに笑った。

「怖いのは当然だ。でもな、後輩君。知らなかったことで救われることもあるが、知らなかったせいで取り返しのつかないこともある。私は、後悔はしたくない。」

その声音に、わずかに震えがあったように思えた。
私たちはもう、あの森に囚われているのかもしれない。
ならば、進むしかない。真実の在処へと。





森の入口に、私たちは再び立っていた。
教授は立ち止まり、静かに息を吐いた。
その顔には、明らかに「思い出」ではなく、「記憶の再来」としての恐怖が張り付いている。

「……あの森のことを知り、入ったのはあの日が初めてだった」
教授は、まるで独白のように言った。

私は、教授の横顔をそっと見た。
森を見つめるその目は、かつての学者然とした落ち着きとは異なり、何かに怯えているようだった。

「まさか、あれほどの“実在”が待っていようとは……」
呟きは、風に混じって消えかけた。

「へえ。てっきり教授は昔から知ってたのかと」
先輩が皮肉めいた口調で言う。
相変わらず、その声色には軽さがあったが、その背筋はわずかに硬直している。

教授は無視するように続けた。

「理屈ではすでに理解していたつもりだった。“境界”の概念、“異域”の存在、そしてこの森が……“向こう側”と接していることも。しかし、現実は史料よりも残酷だった。あれを見て、正気を保てた自分を僕は今でも信じきれない」

私は喉を鳴らす。

「教授……また、入るんですか?」

教授は少しだけ私の方を向き、真っ直ぐに答えた。

「見た以上は、知らなければならない。僕は研究者である前に、人間としてこの異常と向き合わなければならん。逃げることは、もうできん」

その言葉は、恐れと責任と――どこか諦念を孕んでいた。
先輩がふうっと短くため息をつき、ポケットから何かのお守りのようなものを取り出した。

「じゃあ、覚悟はお揃いってことですね。……後輩君、置いていかれないようにしなよ?」

私はうなずく。胸の奥で、あの夢の断片がざわめいた。
踊る木々、祈る影。微笑む“彼ら”。

真実は、この先にある。
その先にあるものが、救いなのか破滅なのか――誰にも、わからなかった。




僕たちは、無言のまま森の奥へと歩を進めた。
足元の落ち葉が、わずかに湿っている。昨日の雨の名残か、それともこの森の常態か――わからない。ただ、空気ははっきりと変わった。ここからは、外とは異なる“匂い”がある。

「ここから先だ」僕は二人に声をかける。「前に、異変が始まったのはこのあたりだった」

「異変ねえ……。教授のいう“異変”ってのが、いったいどの程度のことを指してるのか、ちょっと気になりますけど」
先輩が、わざとらしく肩をすくめてみせた。

僕は無視した。というより、答えようがなかった。
あれを言語化するのは、未だに困難なのだ。
あの日、この場所で――僕たちは“外側”のものに触れた。見てはならぬ構造に、足を踏み入れたのだ。

彼は黙ってついてくる。目は落ち着いているように見えるが、指先はわずかに震えていた。
それでも、引き返す気配はない。
彼は知ろうとしている。自分が見たものの正体を。夢に現れる“彼ら”の意味を。

「教授」
その小さな声に、僕は歩みを止めた。

「もし……また“あれ”が現れたら、どうすればいいんですか?」

僕は返答に詰まる。
どうすればいい――そんなもの、わかるはずもない。
ただ、ひとつだけ確かなのは、“知らないふり”を続けるには、もう遅すぎるということだ。

「……目を逸らすな。何が見えても、すべてを目に焼きつけろ。そうしなければ、次は夢では済まない」

その言葉を聞いた後輩君は、ゆっくりとうなずいた。
覚悟は、もう決まっているらしい。

先輩はふと立ち止まり、茂みの向こうを見やった。
「おや、また同じ場所に出ましたよ、教授。……これは迷ってるんじゃなくて、迷わせられてる、ってことですか?」

僕の口元に、僅かな苦笑が浮かぶ。
「ようやく君にも見えてきたようだな。この森が“普通”ではないことが」

風が吹いた。木々がざわめき、何かの声のように響く。
次の一歩は、たぶんもう、戻れない場所への入り口だった。

僕は小さく息を吸い、足を踏み出した。
あの木の元へ。すべてが始まり、すべてが終わる場所へと――。




私が最初に感じたのは、あの甘い匂いだった。
熟れすぎた果実のような、あるいは血に混じった花の香りのような――言葉にできない、だが確かに“前にも嗅いだことのある”匂いだった。

そしてその匂いが鼻腔を満たす頃には、もう足元の感覚が曖昧になっていた。
土か、葉か、水か、何か柔らかいものを踏んでいる。けれど、それを確認しようとは思わなかった。
見たら、戻れない気がした。

「……感じたか?」

教授の声がした。
私はゆっくりと顔を上げる。見慣れたはずの木々が、今はまるでこちらを見下ろしているように思えた。枝が手のように揺れ、葉が舌のように囁く。

「ええ……間違いありません。ここです、また……あの場所に近づいています」

先輩が、わざとらしく鼻を鳴らした。

「気持ち悪いな。甘ったるくて――まるで誰かが“歓迎”してるみたいだ。おぞましい趣味だね」

私は口を開こうとしたが、声が出なかった。
喉の奥に、黒い何かが貼りついているような気がした。

――まただ。夢で見たのと同じ。
この匂い。この空気。この歪んだ静けさ。

私はわかっていた。あの夢はただの記憶ではない。
むしろ、夢の中にあるものこそが“現実”なのではないかと、最近ではそう思い始めている。

先輩の足音が止まる。教授も立ち止まった。

「ここから先は、君たちだけで進みなさい」
教授の声が、低く、硬くなった。

「僕は……もう一度、あれを見てしまったら、正気でいられる自信がない」

その言葉の裏にある恐怖は、言葉以上に重く、私の胸に沈んだ。

「……わかりました。私が行きます」

そう答えながら、私は思っていた。
この匂いの正体を知るときが来たのだ、と。



一歩、また一歩と踏み出すごとに、周囲の音が遠ざかっていく気がした。
木々の音も、先輩の足音も、まるで深い水の底から聞こえてくるようにぼやけている。

そして、私は見た。

最初は、風に揺れる木々の隙間だった。
木漏れ日が地面に落ちて、斑になっている……はずだった。だが、その影が“動いて”いた。風に吹かれるでもなく、私の歩みに合わせてじりじりと形を変え、まるで笑う人の顔のように歪んでいた。

次に気づいたのは、音だ。

カサ、カサカサ……
枯れ葉を踏む音ではない。何かが地面を這っている音。しかもそれは、私の真後ろから響いていた。

振り返る。
だがそこには、誰もいない。

――幻覚だ。わかっている。これは現実ではない。

そう自分に言い聞かせようとしたとき、視界の端で“何か”が動いた。

木の幹に顔があった。
人間の顔。否、それに酷似した何か。目と、鼻と、口のような凹凸が木肌に浮かび、ゆっくりとこちらを見ていた。

私は息を呑んだ。

「後輩君?」

先輩の声が、遠くから聞こえた。私は一歩、よろける。

「……聞こえていますか?」

教授の声も混じるが、それすらも遠のいていく。まるで彼らが別の世界にいるかのようだ。

目の前の木に、もうひとつ顔が現れる。
今度は、私自身の顔だった。笑っている。あの夢で見た、踊る“彼ら”と同じような、凍りついた笑みだ。

――これは、夢か?

いや、違う。
これは、森が見せている“記憶”だ。

私の記憶か、それとも森のものか――その境界も、もうわからない。

「……まだだ。まだ、奥がある」

私はふらつく足を踏み出した。木の顔が、微笑んだ気がした。



木々の間を抜けた先――
霧が薄く立ち込める小さな広場のような場所に、私は辿り着いた。

そこは奇妙に静かだった。風も、鳥の声も、遠くのざわめきさえも失われている。
ただ、甘い匂いだけが濃く漂っていた。

そして――見えた。

彼らは、いた。

夢と同じだった。大木のまわりを、何かが踊っている。
人のようで、人ではない。
白い目に、裂けるような笑み。
四肢の動きは人間の踊りを模しているようでいて、どこか関節が多すぎる気がする。

彼らは、私の存在に気づいていた。だがすぐに駆け寄ることもなく、ただ踊りながらこちらを見ている。
その視線には敵意はなかった。不気味なまでの“歓迎”だけがあった。

私は、気がつくと歩み寄っていた。

恐怖はあった。しかし、同時に懐かしさのようなものもあった。
まるで、何かを忘れていたのだと、今になって気づいたかのような――そんな感覚。

一歩踏み出すごとに、彼らの踊りは熱を帯びる。
腕を掲げ、足を鳴らし、顔のない顔でこちらに笑いかけてくる。

そして、そのうちの一体が私の前に立った。

背格好は私と同じほど。顔には無表情の仮面のような皮が張りついていた。
だが、その目だけが、見覚えのある色をしていた。

――それは、夢の中で見た、“私自身”だった。

「……思い出せ」と、その“私”は口を動かさずに言った気がした。
音はなかった。ただ、頭の奥に直接響くような感覚だった。

「君はもう、こっち側に片足を踏み入れている。否、最初から、ずっと……」

背後で、木々がざわめいた。
視界の端で、教授が叫んでいるのが見えた。先輩がこちらに走ってくる。

だが私は、動けなかった。

彼らの輪の中に、自分が入りかけているのを感じていた。

そしてそのとき――
仮面の顔が、ふいに、私に触れた。

その指は、思いがけないほど、温かかった。




「……思い出せ」

その“私”の囁きが脳内に響いた瞬間、世界がふっと傾いたような錯覚があった。

木々のざわめき、彼らの笑み、仮面の指先――
すべてが、溶けるように崩れ落ちていった。

次に気づいたとき、私はまだ森の入り口に立っていた。

足元の落ち葉は乱れていない。靴にも土がついていない。
心臓の音ばかりがうるさく響く。

「……後輩君、何をしている?」

すぐそばで、先輩の声がした。
私ははっとして顔を上げた。

先輩は、眉間にしわを寄せて私を見下ろしている。
教授もすぐ後ろに立っていた。無言だが、その表情は険しい。

「……今、君は一歩も動いていないぞ」

先輩の言葉が、乾いた風に混じって耳に届いた。
私は反射的に足元を見下ろした。確かに、その通りだった。

「まるで、そこに“引き込まれそう”になっていたように見えた」
教授が低い声で言った。
「まったく動かずに、目を見開いて……何を見ていたんだい?」

私は唇を噛んだ。喉がひどく乾いている。

「……彼らが、いました。踊っていて、私に……話しかけたような……」

先輩はため息をついた。「やっぱり見えてるんだな。……こっち側の“目”で」

教授は眼鏡を外し、ハンカチで曇りを拭いながら言った。

「本格的に境界が薄くなってきている。僕らも、もう悠長にはできないようだね」

私は黙ったまま、もう一度、目の前の森を見た。
葉の揺れ、湿った空気。何の変哲もないはずなのに、呼吸するような気配がそこにあった。

先ほどまで見ていた夢幻の光景が、記憶の奥からじわじわと滲み出してくる。

一歩も動いていない。だが、心の奥深くでは、確かに――彼らと“再会”していた。




しばらくして、教授は語りだす。
「……あの大木は、ただの木じゃない。千年も昔、空の彼方から降り注いだ“異形”だ。
人の理解を超えた存在、まるで森そのものの意志を宿しているかのように――」

教授の声が低くなり、視線は遠く闇に溶けていく。
教授は史料を取り出すと、
「伝説では、その大木は自らの根を深く地に伸ばし、森の生命や時間さえも絡め取り、支配すると言われている。
それは生きている。いや、森を超えた“何か”なのだ」

「その樹の影響下に入った者は、意識を揺さぶられ、夢と現実の境が曖昧になる。まるで木に魂を吸い取られ、体の中に“何か”が潜り込むような感覚を覚える」

教授は静かに息を吐いた。

「我々が見ているのは、単なる自然現象じゃない。超越した意思、もしくは呪いのようなものだ。あの大木は森の守護者でもあり、獰猛な支配者でもある。触れる者に畏怖と狂気を与える“生きた伝説”だよ」

教授の言葉が空気に沈黙を落としたあと、先輩が口を開いた。

「はは……千年も昔に宇宙から降ってきた“異形の大木”か。ずいぶんと壮大な話だね、教授。
まるでSFとオカルトの合作ってところかな。」

そう言って、先輩は笑みを浮かべる。しかしその笑みはどこか引きつっていた。

「けど……まあ、否定はしないさ。あの木の前じゃ、どんな理屈も薄っぺらく感じるのは確かだしね。
あの匂いも、あの“気配”も……説明のつくものじゃなかった。」

ふと、先輩の目が伏せられる。珍しく、声に揺らぎが混じっていた。

「正直に言うと、私も怖いんだ。あれに触れたとき、自分が自分じゃなくなるような感じがして……。
夢の中で笑ってる“私”が、現実よりずっと自然に思える瞬間がある。」

わずかに拳を握りしめ、先輩は吐き捨てるように言った。

「――だからこそ、引き返す気にはならない。
あれが何なのか、本当に知っておかないと……いずれ、自分がどこかへ消えてしまいそうで。」



私は先輩の横顔を見つめながら、胸の奥がひどくざわつくのを感じていた。

自分もまた、同じだった。
夢の中で微笑む「私」が、時折、現実よりも真実らしく思える瞬間がある。
そして、その「私」はいつも、大木の前で祈っていた――いや、何かに同化していた。

「……先生は、どうしてあれを“異形”と呼ぶのですか?」

私は教授に尋ねた。わかっている。答えが怖いのだ。けれど、聞かずにはいられなかった。

教授は少しの間、黙って空を見上げた。

「異形、という言葉がふさわしいかは……わからない。
だがね、あれには“始まり”も“終わり”もない。時間というものが通用しない。
我々がその存在を理解しようとすること自体、そもそも無謀なんだよ。」

そして、声をひそめて続けた。

「僕たちはね、夢の中で“呼ばれた”んだ。あの木の根元に立ち尽くす、自分の姿を何度も見た。
そして……あれが微笑んだ。木に“顔”なんてあるはずがないのに、あの瞬間、私は確かに“見返された”と感じた。」

一瞬、冷たい風が森の奥から吹き抜け、木々をざわつかせた。

私は無意識に腕を抱きしめる。言葉にできない何かが、背筋を這い上がってくる。
まるで森そのものが、こちらを見ているかのようだった。

「……もう、戻れないんでしょうか。普通の生活に。」

私の問いに、先輩は一度だけ乾いた笑いを漏らし、ポケットに手を突っ込んだまま答えた。

「“普通”って何だ? そいつがどこにあるか知ってたら教えてくれよ。私も探してるところでね。」

そして、一歩、森のほうへ足を向ける。

「さあ、行こうか。このまま立ち止まってたって、あの木が答えてくれるわけじゃない。
聞きたいなら、自分の足で近づくしかない。怖くてもね。」

私は、ごくりと唾を飲み込む。

遠く、森の奥から――甘く、熟れすぎた果実のような、あるいは血に混じった花の香りのような――あの匂いがかすかに漂ってきた。
私は、その香りに誘われるように、一歩を踏み出した。





森へ足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。湿っていて、やけに静かだ。
葉の擦れる音さえ遠く、呼吸音だけが耳に残る。

「先輩、この辺り……以前と少し違う気がします」

私は、木々の位置がわずかにズレているような、そんな奇妙な違和感を覚えて口にした。
だが、先輩は眉をひそめ、首を横に振る。

「何を言ってるんだ。ここは前にも通った場所だろう。君が迷って足を滑らせた、あの沢も、確か……」

「……え?」

先輩が指差した方向に、沢などない。
ただ乾いた地面と朽ちた倒木があるばかりだ。

「先輩、そこに沢なんて……ありませんでしたよ」

私がそう言うと、今度は先輩の顔が曇る。

「何を言ってるんだ。私が助けたじゃないか。君が水に足を取られて、尻もちをついたとき」

「私はそんな記憶、ありません……」

ふたりの間に沈黙が落ちる。空気が、また少し重くなる。

そのとき、教授が口を開いた。

「おかしいな……君たち、前にここに来たとき、あの木の根元までは近づかなかったはずだろう?」

私はハッとして教授の顔を見た。

「……教授、それは違います。あのとき私たちは、木の幹に触れました。根の下にあった、あの……“顔”みたいな模様まで」

「そんなことはない。私は――君たちを手前で止めたはずだ。あそこまで行かせた覚えはない」

教授の表情は本気だ。だが、私の記憶もまた確かだった。
あの幹のぬめるような感触、近づくほどに聞こえた囁き声のようなもの……忘れられるはずがない。

「……おかしいのは、誰なんでしょうね」

先輩がぽつりと呟いた。
半ば笑っているような、しかし目は笑っていない。

誰の記憶が正しいのか。
あるいは全員が、何かを「忘れさせられている」のか。

森は、何も言わない。ただ静かに、こちらを見下ろしていた。




風がざわりと吹き、木々の影がわずかに揺れた。

私は静かに深呼吸をして、もう一度あたりを見渡す。
見覚えのある木々――のはずなのに、どこか、ほんの僅かに形が違っているような気がする。まるで記憶の中の風景が、別の“記憶”にすり替えられているような。

「……まさか、森そのものが、私たちの記憶に干渉してる?」

私の言葉に、教授は顔を強張らせ、口元に手を当てた。

「あり得る。いや、理屈としては馬鹿げているが……この森に入ってから、私は時計を見ていないことに気づいた。携帯も圏外のままだ。時間の感覚すら、どこか曖昧だ」

「私のスマホも、いつのまにか電池が切れてるな。さっきまで残っていたはずなのに」

先輩は苦笑するように画面を見せたが、そこには真っ黒な表示があるばかりだった。

教授が、ふと森の奥――例の大木があるはずの方角を見やった。

「この森は、僕たちを記録ではなく、“体験”によって縛ろうとしているのかもしれないな。
記憶を操作する。時間をゆがめる。認識さえ、塗り替えるように」

先輩が眉をひそめた。

「じゃあ、私たちが覚えている“あの木”の姿すら、本当に正しいとは限らないってことか」

私はごくりと唾を飲み込んだ。

そうだ。私たちが見た“木”――
幹に刻まれた無数の顔のような模様、震えるようにうねる枝、まるでこちらを見ているような存在感――
それが、本当に“木”だったのかすら、もうわからない。

「……だとしても、戻りますか?」

私は思わずそう尋ねた。

先輩は、鼻で笑った。

「戻る? どこへ? “普通”の生活? それとも、もう書き換えられたかもしれない記憶の中へ?」

「先輩……」

「いいか、後輩君。私たちはもう、あの木に“見られた”んだよ。見られたものは、戻れない。否応なしに“関係者”にされてしまうんだ」

その声は冗談めいていたが、目だけは真剣だった。

教授がゆっくりと頷いた。

「“関係者”……いや、すでに“構造の一部”になりかけているのかもしれないな。
この森の、あの木の“物語”の中にね」

静かだった森の中で、どこか遠くから“風鈴”のような音が聞こえた気がした。
木々が歌っているのか。それとも――誰かが、呼んでいるのか。

私の中に、再びあの感覚が忍び寄ってきた。
甘く、澱んだ熱。ぞくりとするような懐かしさと、底知れぬ嫌悪。

夢と同じだ。
あの木の根元で踊っていた何か。笑顔を張り付けたまま、祈りにも似た動きを繰り返していた影たち。

――あれは、私たちなのか?
――それとも、かつて森に来て、戻れなかった誰かなのか?

言葉にならない不安が、胸の奥でゆっくりと芽を広げていく。




ふと、教授が足を止めた。

「……これは」

彼の視線の先、苔むした地面に、何かが半ば埋もれるようにして転がっていた。

私はそっと近づき、それを拾い上げる。金属の、重たい感触。泥にまみれていたが、それは明らかに録音用のICレコーダーだった。

「まだ使えそうかい?」先輩が顔を覗き込む。

私はレコーダーのボタンをそっと押してみる。
最初は無音。しかし、数秒の後――かすれた音声が響いた。

    『……これは、第三回目の記録。ここは……変わっている。植物の成長速度が異常で、昨日まで無かった倒木が道を塞いでいる……』
    『……同行者の一人が夢遊状態で歩いていた。目は開いていたが、何かを“見ていない”目だった。話しかけても反応しない。彼女は“根が呼んでる”とだけ言って……』

そこまで再生されたところで、レコーダーはプツン、と電源が落ちた。

「第三回目……?」私は思わずつぶやく。

「ということは、少なくとも三度は、この森に足を踏み入れた者がいたってことか」
先輩はレコーダーを手に取り、ひっくり返して底の記名部分を確認した。

「あった。名前……“羽田 圭司”……聞いたことあるか?」

教授の表情が一瞬凍った。

「……まさか……その名前、昔の記録で見たことがある。“都市民俗論研究会”の卒業生だ。十五年ほど前に、ゼミ合宿で行方不明になった一人だよ。確か、遺体も見つからなかったはずだ」

私たちは言葉を失い、沈黙した。

そのとき、風が吹き抜け、どこかで乾いた枝が折れる音がした。

私は立ち止まった。何かが、近くにいる。そんな気がした。

「……ねえ、これ」先輩が指差した。

視線の先には、まるで古い登山靴の片方が、地面の根に引っかかるようにして残されていた。劣化し、破れ、苔に覆われている。だが、間違いなく“人の痕跡”だった。

「……十五年も前のものにしては、ずいぶん“新しい”ね」先輩が低く言う。

教授もその場にしゃがみこみ、小さくうめくように言葉を漏らした。

「時間が……おかしいんだ、この森は。記録の順序も、物の劣化も……“今”と“過去”が混じり合っている」

「まるで、森そのものが“記憶”を抱えているみたいだ」私は呟いた。

「いや」教授は言った。「違う。“記憶している”んじゃない。“飲み込んで”、育ててるんだ。この森は。痕跡も、記録も、人の感情も。全部、根の奥に絡み取って――養分にしてるんだ」

その瞬間、レコーダーが再び震え、勝手に音が再生された。

    『……あの木が、笑った気がした。彼らはまだ踊っている。踊りながら、こちらを見ている……お願い、もしこれを聞いているなら――もう戻らないで……!』

そして再び、沈黙。

森は、何もなかったかのように静かだった。





しばらく進んだ先、小さな沢を越えたときだった。

「……これ、見て」

先輩の声に、私は足を止める。

そこは一見、ただの倒木の陰だった。だが、先輩が手袋越しにそっと拾い上げたものを見て、私は息を呑んだ。

それは、一冊の革張りの手帳だった。

表紙には、精緻な金の型押しで名前が記されている。

「黒川静馬 一八九七年」

教授が手帳に目を通すと、すぐに眉をひそめた。

「黒川静馬……これは……明治時代の学術調査員の名前だ。民俗誌に出てくる、“奥山踏査報告書”を書いた男。けど、確かあの報告は未完だったはずだ」

私はおそるおそる、その日記の一ページを開いた。

墨で記された文字は、不思議なことにまったく滲んでいない。

    一〇月十二日
    本日、第三観測点付近にて奇妙な現象に遭遇。天候は晴天なるも、日差しが届かぬほど樹々が密生しており、コンパスの針が定まらぬ。同行の助手・林は突然、木の根に触れた後、言葉を失い、ただ笑い続けるようになった。
    笑顔のまま、「おかえり」と繰り返している。
    ……この森は生きている。我々を知っている。いや、覚えている。

教授はゆっくりと頭を振った。「あり得ない……これが百年以上前のものだとすれば、なぜ紙も、墨も風化していない?」

「あり得ないことばかりじゃないか、ここは」と先輩が皮肉交じりに言った。

私は震える手で、次のページを開いた。

そこには、奇妙な植物のスケッチが描かれていた。幹がねじれ、空に手を伸ばすような枝、根元には人のような影が絡みついている。

まるで――あの“大木”だった。

そして最後のページには、こう走り書きされていた。

    あの木は、私の名を呼んだ。
    まだ言葉にならぬ声で、確かに、私の名を。
    ……私はまだここにいる。

ページの隅には、爪で刻んだような傷跡が幾重にも重なっていた。

「これ、本当に百年前の記録……ですか?」私は問うたが、自分の声が震えているのがわかった。

「記録は“百年前のもの”だろうな。ただし、“そこに書かれている彼”が、まだこの森にいるかどうかは……別の問題だ」
教授は手帳を閉じて静かに言った。

その瞬間、頭の奥でふいに誰かの名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。

甘く、低く、耳元をなぞるような声。

私はその場に立ち尽くし、振り返る。

誰も、いない。

だが確かに、“何か”が見ていた。



私たちは更に森の奥へと分け入り、背の高いシダ植物と、ぬかるんだ土を踏みしめながら進んでいた。

やがて、木々が唐突に途切れ、ぽっかりと空の見える円形の広場が現れた。

「……不自然な開け方ですね」と私が呟くと、教授は帽子を押さえながら答えた。

「人工的だ。誰かが……いや、“何かが”整えた形跡がある」

その中心に、巨石が立っていた。丸く削られた花崗岩。高さは二メートルほど。表面は年月に風化されているにもかかわらず、ある一点だけ、妙に滑らかで光を反射していた。

「これは……鏡石?」教授が近づき、掌でそっと撫でると、石は冷たくも温かくもない、不思議な感触を返した。

その石の周囲には、土に埋もれかけた陶片、骨片、焼けた木片、貝殻のようなものが円環状に並べられている。中には、明らかに人骨の一部と思しきものもあった。

「縄文期のものだな」と教授がつぶやいた。「こんな奥地に、これだけの遺構があるとは……普通なら考えにくい。ましてや、儀式に人骨を……」

先輩が鼻を鳴らした。「“普通”じゃないことばかりだろう、この森は」

私は、ふと地面に何かの文様が彫られているのを見つけ、しゃがみこんだ。

土を払うと、浮かび上がってきたのは――

目のような形をした円環と、その中心から放射状に伸びる枝のような線。

「これは……あの大木を模しているんじゃ……?」

そう口に出した瞬間、胸の奥が妙に熱を持ったような感覚が走る。脈が早くなり、視界が揺れる。遠くで、笛の音のような響きがした。

教授が急に真顔になった。

「これは“祭祀痕”だ。単なる信仰じゃない。あの木に触れた者たちが、何かを捧げ、何かを交換していた……生贄かもしれない」

「見て、これ……」先輩が落ち葉の下から引きずり出したのは、風化した木製の仮面だった。ひび割れた面に、笑っているような口と、空っぽの目が彫られている。

私は息を呑む。

それは、夢の中で踊っていた“彼ら”がつけていた顔に、そっくりだった。

「……これ、夢で見ました。あの木の下で、踊っていた人たちが……」

教授と先輩が顔を見合わせた。その空気が、凍るように冷えた。

「夢じゃないかもしれないぞ」と教授がぽつりと言う。

「ここで、ずっと続いていたんだ。誰にも知られずに。千年……いや、もっと前から」

私はその仮面から目が離せなかった。まるで、かつてそこにいた者たちの声が、仮面越しに響いてくるようだった。

“また来たのか”

“ようこそ、おかえりなさい”

風が吹き抜け、木々がざわめく。

香りがした――あの、甘く、熟れすぎた果実のような、あるいは血に混じった花の香りのような匂いが。

私は仮面を手放せずにいた。




風が吹き抜け、木々がざわめく。

香りがした――あの、甘く、熟れすぎた果実のような、あるいは血に混じった花の香りのような匂いが。

私は仮面を手放せずにいた。
手にしたそれはただの木製の遺物ではない。ひび割れた面の裏側から、何かがこちらを見返してくるような感覚。目を逸らせば、背後から囁きが聞こえる気がした。

「やめておけ、後輩君」
先輩の声が低く、鋭くなった。

私は反射的に顔を上げた。だが、先輩の視線は仮面ではなく、私の手に向いていた。

「……それ、いつの間に、そんな形になった?」

自分の指を見下ろすと、知らぬ間に土と赤黒い染みが混じった痕が、仮面の端から手首にかけてこびりついていた。しかも、仮面と皮膚が微かに同化しているようにも見える。

「ちょっと待て」
教授が歩み寄ってくる。「その模様……古い儀式の証印に似ている。文献でしか見たことがないが……」

彼は慌てて荷を開き、古びたノートを取り出した。震える手でページをめくると、そこに描かれた図案は――今、私の手に浮かび上がっている模様と酷似していた。

「まさか、そんな……これは“契約印”のはずだ。あの木と、“交わった”者に刻まれる……」

「どういうことですか?」私は声を震わせながら問いかけた。

教授は口を結び、そして絞り出すように言った。

「……君はもう、“中に入ってしまった”かもしれない」

森の奥で、どこかからかすかな歌声が聞こえた。
それは人の声のようでいて、どこか植物が風にそよぐ音にも似ていた。いや、むしろ、木々そのものが歌っているような――

先輩が低く呟く。

「やっぱり、始まってるんだな……あの木は、今も誰かを“選んで”いる」

私は、仮面を見つめ続けていた。
それがほんの数秒か、あるいは永遠か――ただ、はっきりしているのは一つ。

もう、ここからは戻れないのかもしれない。



森の奥から帰ってきてから、単語の中の何かが確実に変わった。
言葉にできない違和感と、体の奥底から湧き上がる奇妙な力。
あの仮面を手にしたあの日から、夜になると夢に見知らぬ景色が映り込むようになった。

目覚めれば、いつも寝汗でびっしょりだ。
鏡を見ると、自分の瞳に微かに緑が宿っている気がしてならない。
まるで森の一部が俺に染み込んだような錯覚だ。

先輩も教授も、俺の変化に気づいているようだ。
「君、どこか様子がおかしいぞ」と先輩は冗談交じりに言うが、その目は真剣だ。
教授は何かを隠しているのか、俺に直接何も言わない。

体調は悪くないはずなのに、時折呼吸が苦しくなる瞬間がある。
そして、あの甘くて腐ったような匂いが、ふとした瞬間に鼻をくすぐる。
まるで森が俺を呼んでいるようで、足が勝手にそちらへ向かいそうになる。

俺は確かに、あの儀式の“契約”を交わしてしまったんだ。
それが何を意味するのか、まだはっきりとはわからない。
だが、逃げられない。森の意思は、確かに俺の内側に根を張っている。

これから何が起きるのか。俺の運命はもう、あの大木と森に縛られているのだ――。


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