363 / 437
アルフレッド王編・番外(連載コメディーとなります)
アルフレッド王編・番外(連載コメディーとなります)6
しおりを挟む
そんなこんなで一ヶ月がたった。
妃とは簡素なノートでのやり取り……そして食事を日に一回一緒にとる毎日があるだけで、寝室も相変わらず別だ。
私は父と違って女性の甘やかな肌をどうしても求めたいと言うわけではないが、結婚式を間近に控えたエルとアリシアのラブラブぶりが鬱陶しい。
こちらは禁欲の日々だというのに、さっさと子供まで作ってすっきりとした顔をしているのはいかがなものだろう。
エルよ。もう弟の事はどうでもよいのか?
私は寂しいぞ。
お前は私同様、婚期を逃すと踏んでいたのに。
「ヴァティール殿。どうにも私には納得がいきませんな」
ある日私は、決死の覚悟でヴァティール殿に直訴してみた。
「何がだ?」
「不公平ではありませんか。
あなたにとって娘同様のアリシアは子供を作っても何も文句を言わぬのに、どうして私とエリスでは駄目なのでしょうか?」
そこまで言うと、ヴァティール殿は不機嫌そうに顔をしかめた。
マズイ。機嫌を損ねたかっ……!!
豚の餌コースが脳裏に浮かび、冷や汗が伝う。
「……ったく。お前は人間の癖に知らないのかァ?」
ヴァティール殿があきれたような表情を浮かべた。
「いいかよく聞け。人間には出産適齢期というものがある。
ま、人間に限らず生物にはほとんどあるのだがな」
「まぁ適齢期ぐらいは、私も知っておりますが」
というか、知らないほうがどうかしている。
「そうか。なら良い。
知っての通り、人間は『適齢期』というものを逃すと子を作れない。
そういうか弱い生物なのだ。
寿命短い人間たちは、子孫を作って命を繋いでいかねばならない。
また、それが生物にとっての一番の幸せだと聞いている」
そこまで言うと、ヴァティール殿はうつむいた。
「だから……だから不本意……なのだが……我慢、しているのだっ!!
ワタシが反対したらアリシアは優しいから、結婚しないままだろうし……娘を泣かすわけにはいかないだろうッ!
この馬鹿者が!!!!」
彼はそう言って、娘の代わりに泣き伏した。
妃とは簡素なノートでのやり取り……そして食事を日に一回一緒にとる毎日があるだけで、寝室も相変わらず別だ。
私は父と違って女性の甘やかな肌をどうしても求めたいと言うわけではないが、結婚式を間近に控えたエルとアリシアのラブラブぶりが鬱陶しい。
こちらは禁欲の日々だというのに、さっさと子供まで作ってすっきりとした顔をしているのはいかがなものだろう。
エルよ。もう弟の事はどうでもよいのか?
私は寂しいぞ。
お前は私同様、婚期を逃すと踏んでいたのに。
「ヴァティール殿。どうにも私には納得がいきませんな」
ある日私は、決死の覚悟でヴァティール殿に直訴してみた。
「何がだ?」
「不公平ではありませんか。
あなたにとって娘同様のアリシアは子供を作っても何も文句を言わぬのに、どうして私とエリスでは駄目なのでしょうか?」
そこまで言うと、ヴァティール殿は不機嫌そうに顔をしかめた。
マズイ。機嫌を損ねたかっ……!!
豚の餌コースが脳裏に浮かび、冷や汗が伝う。
「……ったく。お前は人間の癖に知らないのかァ?」
ヴァティール殿があきれたような表情を浮かべた。
「いいかよく聞け。人間には出産適齢期というものがある。
ま、人間に限らず生物にはほとんどあるのだがな」
「まぁ適齢期ぐらいは、私も知っておりますが」
というか、知らないほうがどうかしている。
「そうか。なら良い。
知っての通り、人間は『適齢期』というものを逃すと子を作れない。
そういうか弱い生物なのだ。
寿命短い人間たちは、子孫を作って命を繋いでいかねばならない。
また、それが生物にとっての一番の幸せだと聞いている」
そこまで言うと、ヴァティール殿はうつむいた。
「だから……だから不本意……なのだが……我慢、しているのだっ!!
ワタシが反対したらアリシアは優しいから、結婚しないままだろうし……娘を泣かすわけにはいかないだろうッ!
この馬鹿者が!!!!」
彼はそう言って、娘の代わりに泣き伏した。
0
あなたにおすすめの小説
白花の檻(はっかのおり)
AzureHaru
BL
その世界には、生まれながらに祝福を受けた者がいる。その祝福は人ならざるほどの美貌を与えられる。
その祝福によって、交わるはずのなかった2人の運命が交わり狂っていく。
この出会いは祝福か、或いは呪いか。
受け――リュシアン。
祝福を授かりながらも、決して傲慢ではなく、いつも穏やかに笑っている青年。
柔らかな白銀の髪、淡い光を湛えた瞳。人々が息を呑むほどの美しさを持つ。
攻め――アーヴィス。
リュシアンと同じく祝福を授かる。リュシアン以上に人の域を逸脱した容姿。
黒曜石のような瞳、彫刻のように整った顔立ち。
王国に名を轟かせる貴族であり、数々の功績を誇る英雄。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
届かない「ただいま」
AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。
「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。
これは「優しさが奪った日常」の物語。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる