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81 探索ってなにするの?
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とは言えどうしたら吹田さんが満足するような結果が得られるんだろう?
「植物の植生とか幻獣の分布なんかを報告するといいんじゃないかしら? 吹田さんが知りたいのってこっちの世界がいかに私たちの世界と違っているかでしょう、そーゆーのって大きな違いじゃなくってちょっとした違いなんかが重要なんじゃないかしら。
もしくは私たちの世界とこっちの世界との共通点。一緒ってことも重要な事なのよ」
なるほど、さすがはゆまは姉ちゃん、伊達に都会でいい学校に通ってる訳じゃないね。+一〇ポイントを進呈しましょう。
「キュキュッ、キュ~キュ~キュッ」
ふむふむ、写真を撮ってこの世界を記録するのがいいって? おおっナイスアイディア! さすがはアオちゃん、伊達にエミおばさんに撮られていないね。+一〇ポイントッ!
「写真… ふむ、それはゆまはが昨日使っていたスマフォとやらの画面に描写していた精密な絵の事だな。しかし昨日そのスマフォとやらはハーピィに音楽を聴かせ続けたせいで機能を停止させてしまっていた様子だったが、一日経てば使えるようになるのか?」
「あ」
そうだった、スマフォはゆまは姉ちゃんの持ってる一台コッキリだ。そしてスマフォは充電しなきゃ使えないんだ。幸いにしてゆまは姉ちゃんのスマフォにはたくさんのトロールさんたちを撮った写真があるし、昨日のハーピィが歌った歌も何曲か録音してたから資料としての価値が全くない訳じゃないけれど、新しく写真や動画なんかを記録させることが出来ない。
「残念。ゆまは姉ちゃんは二〇ポイントの減点だね」
「な~によその二〇ポイントの減点って。そんなに言うのならナッちゃんはさぞスバラシイアイディアがあるんでしょうね?」
えっ!? 僕!?? アイディア… アイディアねぇ………
なにか名案はあるかなって周囲を見渡すと僕の眼にソレが飛び込んできた。
「おおっ、アレだっ」
まるで天啓のようなひらめき、このアイディアを口にすればここに居る三人ともが僕を異世界に顕現した今孔明だと讃えるに違いない。
僕は背の高い木々の合間からでもちょろりと見える雪を頂いた山脈を指差し自らの案を高らかに口にした。
「あの山の天辺まで登ってみればこの大陸の全部が見渡せるよ!」
「え~」
「クゥ」
「……………」
ふふふ、驚きで言葉もないかな。
「ないわ~、ないない」
「クゥ」
「ナツ、あの山はこの大陸でも最も高いと言われている霊峰だぞ、行き当たりばったりで登ろうものならば途中で遭難するか狂暴な幻獣の餌食となるような難所の連続だ。もし君に多少なりとも良識と健全なる理性があるのならばその選択は避けるのが賢明だな」
ありゃ~、ゆまは姉ちゃんに即断で却下されアオちゃんにはなんだか残念なヒトを見る眼で溜め息をつかれピッグマンさんにはこの名案を諦めるよう説得されてしまった。
「ナッちゃん、マイナス一〇〇ポイントね」
さらにはゆまは姉ちゃんからの一〇〇ポイントもの減点。
えっ!? なに? そんなに悪いアイディアだった!?
ううん、そうかなぁ、高いところに登って大陸全体を見渡して地理を把握するってのは悪くない案だとおもったんだけどなぁ。
ピッグマンさん曰く僕の指差した霊峰? って山は本当に険しくって危険なんだそうだ。
ピッグマンさんたちトロール族も神の住まう山と崇めてて麓の祠に年に二度、夏至と冬至の頃にお参りをして供物を捧げるんだって。
そして時折僕みたいに登山に挑戦する無謀な愚か者(←ピッグマンさんが言った)が居るそうなんだけど、大抵は生きて戻っては来ないし、希に戻ってきても半死半生であったり心を山に置いてきた(たぶん精神を病んでしまったってことだと思う)者ばかりなのだそうだ。
結局三人に説得されて僕は霊峰に登るって案を取り下げた。
僕だってピッグマンさんにそんな恐い話を聴かされてまで登ろうだなんて無茶は口にしない。
で、今いる場所からしばらく歩いたところ、その霊峰の祠があるってトコまで行って薬草や食べられる果実やなんかをピッグマンさんに訊きながら記録しようって話に落ち着いたんだ。
祠の周りにはお供えした供物からこぼれ落ちた種やなんかから発芽した植物とかがたくさん生えてるからちょうどいいんだって。
う~ん、ちょっぴり残念だけど命には代えられないもんね。がんばって吹田さんの満足してくれる記録を残そう。
「キュー、キュッ」
あ、うん。へこんでないよアオちゃん。みんなで決めたことだものガンバりますよ?
「植物の植生とか幻獣の分布なんかを報告するといいんじゃないかしら? 吹田さんが知りたいのってこっちの世界がいかに私たちの世界と違っているかでしょう、そーゆーのって大きな違いじゃなくってちょっとした違いなんかが重要なんじゃないかしら。
もしくは私たちの世界とこっちの世界との共通点。一緒ってことも重要な事なのよ」
なるほど、さすがはゆまは姉ちゃん、伊達に都会でいい学校に通ってる訳じゃないね。+一〇ポイントを進呈しましょう。
「キュキュッ、キュ~キュ~キュッ」
ふむふむ、写真を撮ってこの世界を記録するのがいいって? おおっナイスアイディア! さすがはアオちゃん、伊達にエミおばさんに撮られていないね。+一〇ポイントッ!
「写真… ふむ、それはゆまはが昨日使っていたスマフォとやらの画面に描写していた精密な絵の事だな。しかし昨日そのスマフォとやらはハーピィに音楽を聴かせ続けたせいで機能を停止させてしまっていた様子だったが、一日経てば使えるようになるのか?」
「あ」
そうだった、スマフォはゆまは姉ちゃんの持ってる一台コッキリだ。そしてスマフォは充電しなきゃ使えないんだ。幸いにしてゆまは姉ちゃんのスマフォにはたくさんのトロールさんたちを撮った写真があるし、昨日のハーピィが歌った歌も何曲か録音してたから資料としての価値が全くない訳じゃないけれど、新しく写真や動画なんかを記録させることが出来ない。
「残念。ゆまは姉ちゃんは二〇ポイントの減点だね」
「な~によその二〇ポイントの減点って。そんなに言うのならナッちゃんはさぞスバラシイアイディアがあるんでしょうね?」
えっ!? 僕!?? アイディア… アイディアねぇ………
なにか名案はあるかなって周囲を見渡すと僕の眼にソレが飛び込んできた。
「おおっ、アレだっ」
まるで天啓のようなひらめき、このアイディアを口にすればここに居る三人ともが僕を異世界に顕現した今孔明だと讃えるに違いない。
僕は背の高い木々の合間からでもちょろりと見える雪を頂いた山脈を指差し自らの案を高らかに口にした。
「あの山の天辺まで登ってみればこの大陸の全部が見渡せるよ!」
「え~」
「クゥ」
「……………」
ふふふ、驚きで言葉もないかな。
「ないわ~、ないない」
「クゥ」
「ナツ、あの山はこの大陸でも最も高いと言われている霊峰だぞ、行き当たりばったりで登ろうものならば途中で遭難するか狂暴な幻獣の餌食となるような難所の連続だ。もし君に多少なりとも良識と健全なる理性があるのならばその選択は避けるのが賢明だな」
ありゃ~、ゆまは姉ちゃんに即断で却下されアオちゃんにはなんだか残念なヒトを見る眼で溜め息をつかれピッグマンさんにはこの名案を諦めるよう説得されてしまった。
「ナッちゃん、マイナス一〇〇ポイントね」
さらにはゆまは姉ちゃんからの一〇〇ポイントもの減点。
えっ!? なに? そんなに悪いアイディアだった!?
ううん、そうかなぁ、高いところに登って大陸全体を見渡して地理を把握するってのは悪くない案だとおもったんだけどなぁ。
ピッグマンさん曰く僕の指差した霊峰? って山は本当に険しくって危険なんだそうだ。
ピッグマンさんたちトロール族も神の住まう山と崇めてて麓の祠に年に二度、夏至と冬至の頃にお参りをして供物を捧げるんだって。
そして時折僕みたいに登山に挑戦する無謀な愚か者(←ピッグマンさんが言った)が居るそうなんだけど、大抵は生きて戻っては来ないし、希に戻ってきても半死半生であったり心を山に置いてきた(たぶん精神を病んでしまったってことだと思う)者ばかりなのだそうだ。
結局三人に説得されて僕は霊峰に登るって案を取り下げた。
僕だってピッグマンさんにそんな恐い話を聴かされてまで登ろうだなんて無茶は口にしない。
で、今いる場所からしばらく歩いたところ、その霊峰の祠があるってトコまで行って薬草や食べられる果実やなんかをピッグマンさんに訊きながら記録しようって話に落ち着いたんだ。
祠の周りにはお供えした供物からこぼれ落ちた種やなんかから発芽した植物とかがたくさん生えてるからちょうどいいんだって。
う~ん、ちょっぴり残念だけど命には代えられないもんね。がんばって吹田さんの満足してくれる記録を残そう。
「キュー、キュッ」
あ、うん。へこんでないよアオちゃん。みんなで決めたことだものガンバりますよ?
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