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最終章 オバさん国を救う

40話 再生の神ビレシワ

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「まさか、こんなところに隠し階段があったなんてね」

 メルリカ婆さん達はヴィヴィアンの案内で試験場の一室に来ていた。
 かつてアンジェリカ達が試験で発見した部屋である。
 そこの祭壇の下に隠し階段があったのだった、ただこの階段はキーワードを告げると出現する魔法がかけてある珍しい物であった。

「凝った仕掛けだねぇ」

 マイク部分になっている……正確にはマイクではないのだが分かりやすく言うとマイクのようなものである。
 まあ、そのマイク部分を調べている教師の後ろでメルリカ婆さんは感心していた。

「こ、ここは、かつて、ビレシワ信者たちの使っていた神殿」

 そうヴィヴィアンが説明した。

「うーん、これだけはっきり喋るヴィヴィアンさんにはまだ慣れませんね」

 記憶の蘇ったヴィヴィアンに困惑するルーシアだった。
 困惑するルーシアとは別に、もうとっくにヴィヴィアンの状態に慣れたメルリカ婆さんは先に進もうとしていた。

「とりあえず先に進むとしようかね」

 一行は階段を下りていく、階段を降りたところでルーシアが足元を指さしていた。

「あれ? 足跡が沢山ありますね? しかも割と新しいですよ」
「なんだかよくわからん神の復活を目論んだヤツ等の足跡だろうねぇ」
「これを辿っていけばいいんじゃないでしょうか?」

 ルーシアがそう言うとメルリカ婆さんや他の教師も頷き、足跡をたどっていく。
 そしてしばらくすると一つの部屋に行きついた。
 ルーシアが音の魔法でソナーのように部屋を調べる、流石に人の気配はなく小動物の気配がするだけであった。
 安全が確認されるとメルリカ婆さん達は部屋へと入った。

「こいつは祭壇だねぇ、おや? アレは考古学者の先生に預けたはずの像じゃないか?」

 祭壇にはどうみてもゴ……油黒虫にしか見えない像が立っていた。

「そ、それが、封印のそ、像」

 ヴィヴィアンが像を指さし言った。
 ヴィヴィアンの事あを聞いて、教師の一人が像に近付く、何か魔法をかけると像が青く光った。

「メルリカ先生、この像自体に罠は無いようです。確保しますか?」

 メルリカ婆さんはヴィヴィアンの方を向き、尋ねた。

「コイツが封印に必要なんだね? コイツは持ち出していい物かい?」
「も、問題ない。 わたしの一族が代々守ってきた物、それで悪神の魂を封じれる」

 その答えを聞くと、メルリカ婆さんは教師に像の確保を頼んだ。
 メルリカ婆さん達の行動をボーと眺めるルーシア、ルーシア完全に置いてけぼりであった。
 他には何か痕跡が無いかを調べだす教師陣、ルーシアはヴィヴィアンと適当にだべりながら見守っていたのであった。

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 ゴ……ビレシワの使いの卵が出現して数日が過ぎたが卵は孵化する様子も無かった。その間に王国の騎士団が来て卵の出現した近くの小さな集落の十人を非難させ、卵を調べては攻撃を仕掛けたのであった。
 しかし、効果は無く卵は無傷であった、更に数日が過ぎた。
 住民が避難して誰もいなくなった集落には、いつの間にか盗賊団が占拠していたが、騎士団は卵にかかりきりであった。

 アンジェリカ達も普段と同じように生活を再開させていた。

「もうすぐねぇ」

 アンジェリカはお腹の大きくなった息子の嫁チェイニーと話していた。

「はい、最近はお腹を蹴ってくるんですよ」

 チェイニーのお腹をさするリノとサーシャの姿もあった。

「楽しみねぇ、オバさん御婆さんにあるのよねぇ」

 割と何もなく時間は過ぎていく、この間にもアンジェリカは魔法の品を色々と開発していた。
 雑貨屋もそこそこ客が来るようになっていた、何だかんだと邪神の使いの卵があるのに平和に過ごしているのであった。
 ただ、お城の方は卵に攻撃がきかないという報告があり、てんやわんやになっているのだった。

 しかし、ついに卵に変化が訪れるのだった――――
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