【完結!】『浮遊霊刑事「篠原弘道」と「やろうぜ会」のオカルティック事件簿 第2話 「鶴見緑地でツチノコ大量発生」の謎を解け!』

利根川一樹

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「鶴見緑地でツチノコ発見?」

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「鶴見緑地でツチノコ発見?」

 飲み始めて90分経った。陽が落ちかけた午後6時半、お好み焼きガンちゃんの4人掛けのテーブルは大騒ぎとなった。
「ぎょへー、前回の「新きさらぎ駅」に続いて「ツチノコ」も先を越されたんか?せっかく、明日から起動っていうのに、いきなりこけてしもたな。がびーん。」
 良太郎と動くツチノコのインスタグラムの60秒ストーリーズ動画を2回繰り返してみた陽菜が俯いた。
「うーん、よもやの地元でのツチノコ出現やな。動画を見る分には作り物やCGじゃなさそうやもんな。」

 残念そうな表情を浮かべ、ビールをすする陽菜にかける慰めの言葉もなく夏子も横の席で黙って、「X」の書き込みを見続けた。
「あっ、ツチノコの呟きが他にも出てるわ。こっちの女の子は写真アップしてる。えっ、こっちの子は動画もあるわ。
 ん?最初のツチノコと明らかに違うな。色も大きさも別個体とちゃうか?「#ツチノコ」がブレイクしてるで!」
 夏子が画面を見て呟くと良太郎が興奮気味に叫んだ。
「なっちゃん、そのネタもグループラインに飛ばしてくれるか!」

 ツチノコの存在を芯から信じていなかった智も前のめりになって来た。約15分の間に、5件の発見事例が投稿されており、2件は写真のみだったが、あとの3件中1件はインスタグラムのストーリー動画にアップされているためタイムラインの上位にあり、多くの閲覧件数が記録されている。
 他の1件は「X」の140秒動画でしっかりと地を這うツチノコの姿が映し出されていることが確認できた。最初に呟いた「X」の投稿者のTikTok動画では、「酔っぱらったツチノコ」がレジャーシートの上で横にコロコロと寝返りを打ち、「超不思議生物捕獲マニュアル」にあるようにツチノコはいびきをかいて寝ているようだったがその様子が10分に渡り撮影されていた。

 結果的に5匹のツチノコが今日の夕方から大量発生したようだった。その投稿者がすべて若い女の子であることを除けば発生場所やその個体に共通点は無かった。
 大きさは小さいもので推定30センチ。大きいものは60センチほどあるように思えた。どれもがマムシを彷彿とさせる三角にとがった頭に、ビール瓶のような体形であるが背中の斑紋や縞は明らかに別のモノで腹部は黄色がかっているがいびきをかいて寝ているツチノコ以外の腹部は確認できなかった。

 良太郎の調べでは、ツチノコは「昼行性」の為、今から鶴見緑地に行っても日没後の捜索は難しいだろうと判断し、今ある情報の収集に徹底した。
 夏子は智に言われ、動画をアップしている「X」の呟きに、「大発見でしたね!リサイクルショップニコニコの夏子です。知り合いにテレビ番組を制作してるものが居るので、有償でインタビューさせてもらえませんか?」とコメントを入れた。
 すぐに「オケ!」との返信が来て、明日、午前9時に取材させてもらうアポイントを取った。良太郎からの提案で寝ているツチノコは、口の部分をハンカチで縛りレジャーシートで簀巻きにして保管するように伝えた。

 陽菜も気を取り直し、明日の朝一から鶴見緑地公園でツチノコ捕獲に動き、大量捕獲の上、大阪万博のパビリオン「大阪館」にレンタルをしてひと稼ぎすることに意識を切り替え、良太郎と共にアップされている画像の付属データからGPSの経度緯度を調べ、発生場所をマッピングし、その近くの池や垣根に巣穴があるはずと鼻息を荒くした。
 智もメディアクリエイト社の上司に連絡し、鶴見緑地でのツチノコ取材の許可を取り付けた。3人が忙しく動き出す中、夏子は弘道が居なくなっていることに気が付いた。

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