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経験
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お祭りと家の半分ぐらいに来た時、ようやく泉が口を開いた。
「ねぇ・・・ゆう、どうして浮気したの?」
耳元で囁かれる小さな声には寂しさのようなものを感じた。後ろにいる泉がどんな顔をしてそう言ったのかはわからない。でもきっと切なそうな顔をしているんだろうなって思った。
「またその話か、だからあれは・・・」
「諦めなさい!あなたにあんな可愛い妹がいるはずはないわ!」
急に耳元で叫ばれて体制を崩しようになる。
「妹って言って、どうせ別の女でしょ・・・。私のこと飽きたなら素直に言ってよ?」
泉はすっと息を吐いた。
「レンタル彼女っていろんな人と付き合うの。中年ぐらいの男性から同年代までいるわ。ときどきこんな人がって人もいる。でもそれはお客、ただの仕事でしかないの。でもあなたとあって、話しかけられてこう思うようになったの・・・この人の本当の彼女になりたいなって・・・」
泉は俺の話を途切らせ淡々と自分の過去、俺と出会うまでのことを語りかけるように話す。今までこんな話はしたことはなかった。泉はレンタル彼女だって隠していたんだ。そもそもこんな話をするわけがない。別れてから知った真実、それは今更だと思う。
泉は話終えるとは~あ、とため息をついた。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう?私のどこが悪かったのかな・・・」
呟くように言われた言葉に俺はなにも言わなかった。どちらがどう悪いのかなんてお互いわからない。それを追求してもきっとダメなのだろう。俺たちはもう終わってしまったのだから。
家に着くと母親たちは寝室にいっていた。リビングの食器棚の上に置かれた救急箱を取り出し泉の足の傷口を消毒する。消毒液が沁みたらしくあーと痛そうな声を上げる。消毒が終わるとカットバンを貼った。
「・・・ありがとう」
「いいよ、これぐらい」
救急箱を片付けて元に戻す。時間は八時を回っていた。これからテレビでも観てもいいがそんな雰囲気ではなかった。
「部屋案内するよ」
泉は顔を縦に振った。リビングを出て二階に上がり、元俺の部屋に案内する。部屋には布団が二つ並んで敷かれていた。母親の気遣いなのだろうが今は嬉しくなかった。
「泉はここで寝て、俺は下で寝るから」
昼に使った大広間は出かける前に片付けたからなにもないはず。ここで二人で寝て居心地が悪いのは耐えられない。
俺は布団を一式抱えようとすると泉が口を開けた。
「ゆう・・・一緒に寝よ?」
「・・・は!?」
泉は頬を赤く染めて目を逸らさずじっとこちらを見てくる。
「いや、でも・・・」
「いいから、寝て、お願い」
ここまで言われるとさすがになにも言われなかった。俺は抱えた布団を元に戻した。
「・・・」
「・・・もう寝るか?」
時間的にはまだ早い。小学生でもまだ寝ていないだろう時間に俺たちは電気を消し、薄い掛け布団をかけて寝ることにした。
「ねぇ・・・ゆう、どうして浮気したの?」
耳元で囁かれる小さな声には寂しさのようなものを感じた。後ろにいる泉がどんな顔をしてそう言ったのかはわからない。でもきっと切なそうな顔をしているんだろうなって思った。
「またその話か、だからあれは・・・」
「諦めなさい!あなたにあんな可愛い妹がいるはずはないわ!」
急に耳元で叫ばれて体制を崩しようになる。
「妹って言って、どうせ別の女でしょ・・・。私のこと飽きたなら素直に言ってよ?」
泉はすっと息を吐いた。
「レンタル彼女っていろんな人と付き合うの。中年ぐらいの男性から同年代までいるわ。ときどきこんな人がって人もいる。でもそれはお客、ただの仕事でしかないの。でもあなたとあって、話しかけられてこう思うようになったの・・・この人の本当の彼女になりたいなって・・・」
泉は俺の話を途切らせ淡々と自分の過去、俺と出会うまでのことを語りかけるように話す。今までこんな話はしたことはなかった。泉はレンタル彼女だって隠していたんだ。そもそもこんな話をするわけがない。別れてから知った真実、それは今更だと思う。
泉は話終えるとは~あ、とため息をついた。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう?私のどこが悪かったのかな・・・」
呟くように言われた言葉に俺はなにも言わなかった。どちらがどう悪いのかなんてお互いわからない。それを追求してもきっとダメなのだろう。俺たちはもう終わってしまったのだから。
家に着くと母親たちは寝室にいっていた。リビングの食器棚の上に置かれた救急箱を取り出し泉の足の傷口を消毒する。消毒液が沁みたらしくあーと痛そうな声を上げる。消毒が終わるとカットバンを貼った。
「・・・ありがとう」
「いいよ、これぐらい」
救急箱を片付けて元に戻す。時間は八時を回っていた。これからテレビでも観てもいいがそんな雰囲気ではなかった。
「部屋案内するよ」
泉は顔を縦に振った。リビングを出て二階に上がり、元俺の部屋に案内する。部屋には布団が二つ並んで敷かれていた。母親の気遣いなのだろうが今は嬉しくなかった。
「泉はここで寝て、俺は下で寝るから」
昼に使った大広間は出かける前に片付けたからなにもないはず。ここで二人で寝て居心地が悪いのは耐えられない。
俺は布団を一式抱えようとすると泉が口を開けた。
「ゆう・・・一緒に寝よ?」
「・・・は!?」
泉は頬を赤く染めて目を逸らさずじっとこちらを見てくる。
「いや、でも・・・」
「いいから、寝て、お願い」
ここまで言われるとさすがになにも言われなかった。俺は抱えた布団を元に戻した。
「・・・」
「・・・もう寝るか?」
時間的にはまだ早い。小学生でもまだ寝ていないだろう時間に俺たちは電気を消し、薄い掛け布団をかけて寝ることにした。
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