虹の端っこには行けないんだよ

台風はツンデレなのよ

「台風、風びゅーびゅーで、雨どぼどぼで、かみなりがらがらどかっ、でこわいぃぃ…………」

「あら。私は台風好きよ」

「なんで！？」

「台風はツンデレなのよ」

「つんでれ？」

「分からないわよねぇ。…………うーん、お喋りが下手で、もやもやしちゃう子なのよ、台風は」

「おしゃべりがへたっぴなの？」

「そうなの。上手く話せなくて、もやもやしてまわりに怒っちゃうの」

「むう」

「うふふ、それどんな反応？（むくれてても天使ね！）」

「分かるってはんのー！」

「可愛いっ！！…………でね、だから怒り終わった後はね、ごめんねって仲直りの印に夏を終わりにしてくれることがあるのよ」

「夏終わるの！？」

「ええ、一気に秋が近くなるわ」

「どうして台風はそんなことができるの？」

「台風はあなたが言っていたように風がびゅーびゅー、ぼうぼうなの。だから、遠くの寒い空気をこっちに引っ張ってきてくれるのよ」

「すごいこだねぇ」



「寒くなるっていったのに！」

「…………ごめんなさいね。今回の台風は違ったわ……」

「むう、台風わるいこ」

「（むう、台風悪い子って言い方可愛すぎ！）台風は気まぐれ屋さんでもあるのよ…………」