37 / 115
36. 報告会
「……あれを、聖剣と呼ぶとはな」
珍しく感情を露わにした魔王は、瞳の奥に怒りを滲ませていた。
私達は剣術大会終了後、すぐに魔王城へ集合した。反省会ならぬ……報告会をしているところだ。
剣術大会が閉会すると、生徒はその場で解散となった。二日間の休みを与えられ、その間に会場の撤収作業が行われる。問題のメインステージ崩壊についても調べるはずだが……。
ジゼルが掴んだ、施工担当者あたりで尻尾を切られるだろう。どう考えても、証拠を残しておくなんて致命的なミスはしなさそうだ。
それよりも。この連休中に、閉会式での出来事――勇者の魔王討伐の話が一気に広まるだろう。
「魔王は、あの聖剣について知っていたのですか?」
聞きにくい雰囲気ではあるが、尋ねずにはいられなかった。
ジゼルによって、ティーカップにコポコポと紅茶が注がれる。それをコクリと飲んで、魔王の返答を待つ。
「知っている………」と、魔王。
相変わらず沈黙が長い。
で、その先は? と身を乗りだしそうになるが、グッと我慢する。見かねたのか横からノアが口を出した。
「あれは、遥か昔……。混沌の時代の産物ですね。私も本物は見たことありませんが――違いますか? 我が王よ」
ノアは質問をしているというよりも、自分の中で立てた仮説の、答え合わせをしているような感じがする。
「混沌の時代って……?」
歴史の教科書にも、図書館でこの世界を調べた時にも、そんな時代は載っていなかった。
「ああ……そこからか……」
魔王は目を閉じて顎を上げると、椅子の背にもたれかかる。
……美形って、いちいち仕草が様になるわね。
「混沌の時代とは、天界、人間界、魔界が入り交じっていた時代のことだ。この世界の起源に近い。今は、其れを知る者など人間界にはいるまい。……あの剣は、その時代に作られた物だ」
「えっと……そんな大昔の剣が現れるなんて、それだけでも凄いことですよね? しかも、あんなに神々しく光っていましたし」
ゆっくりと私に顔を向けた魔王は、目を細めてため息を吐くと、もの凄く嫌そうな顔をした。
えっ、何!?
「あれは、聖なる剣ではない。真逆だ。あれは魔剣であり、刺した相手の魔力を吸うのだ」
「魔剣が……魔力を?」
「つまり、その魔剣に聖なる力が宿っているのならば、聖なる力の持ち主を刺して奪って得たもの――という事です」と、ノアは私にも理解できるように言った。
何それ、怖っ!!
「で、では……天族とか、聖女のような光属性の者が刺されたのですか?」
「そうだ」と魔王は短く答える。
「刺された人は……?」
「全ての魔力を持って行かれる」
確か、魔力持ちの場合……魔力の枯渇は死に繋がるんじゃ。あ、でも剣で刺された時点でアウトだわ。
「その人は、殺されてしまったのですか?」
「…………さてな」
魔王は言いたくないのか、フイッと顔を背けた。ノアも黙り込んでしまうし、これ以上は話してくれなさそうだ。
大昔の話だし、その時に助かっていたとしても、今はもう存在しない人なのだろう。
「はい、はーい。じゃっ、次は俺の番ね~!」とキーランが手を挙げ、明るく沈黙を破った。
あ、そうだ。確かキーランは、ミレーヌ達を追っていた。
「キーラン、進展はありましたか?」
「んー、たぶんね。ヒナが気になってる子爵令嬢のミレーヌ・オスマンだけど、彼女の正体が分かったよ。あの子、宮廷から送られた王族の監視者だね~」
「ああ、やはりそうでしたか」
……はい?
ノアは勝手に納得しているけれど。
「ちょ、ちょっと待って。監視者って生徒の中にも居るの? それに、ミレーヌは子爵令嬢でしょう?」
「常に、監視者は代わります。教師や施設内の者であったり、生徒の場合も勿論ありますね。かなり、綿密に身元は作り上げられていますから、普通に見破るのは不可能でしょう」
そうか……監視の対象は、もしかしたら国王になるかもしれない人なのだ。
国王陛下やその側近の、絶対的な信頼を得た者しか、監視者にはなれない。身分だって、国王陛下なら爵位を与えられる。取り潰しになった貴族の領地だって使えるし。
「それなら、ミレーヌって凄くない? 若いのに……完全に信用していたわ」
「さあ……年齢も本当かどうか」
「た、確かに」
「それよりも、そんな監視者がなぜ学園内で近衛騎士と接触したかです」
そんな、危ない真似をした理由を知りたいらしい。
「ああ、それね~。あの近衛騎士団の代表の人、ベアトリーチェ嬢のことを調べていたみたいだよ」
「……え?」
ティーカップを置こうとしたした手が滑り、カチャリと音を立ててしまった。
「それはどういう事ですか?」と、ノアの眉がピクリと上がる。
「あ、敵じゃないと思うよ。ヒナ、小さい頃にあの近衛と会ったんでしょ?」
キーランの問いかけに、ジゼルと顔を見合わせた。
「会ったことはあります。エルネストと初めてお茶会をした時に、護衛としてついて来ていましたから」
「私も、覚えております」
「なんか、それが忘れられないんだってさぁ」
へ……? ま、まさか幼女趣味……?
「えっとぉ、自分の不甲斐なさがどうとか……今の自分があるのはベアトリーチェ嬢のお陰だって。で、ベアトリーチェ嬢、色々あったじゃない。噂を聞いて心配していたらしいよ」
キーラン、話す順序が紛らわしいわ……。
「それで、ミレーヌに? 職権濫用ではないかしら?」
「なんか、二人はもともと知り合いみたい。それでも、エルネストについてはお互い全く触れてなかったよ。あくまで、ベアトリーチェ嬢の話だけだったし」
心配してくれるのは有り難いけれど、私まで勝手に監視されたくないわ。――正直、これ以上私を調べられてはマズいわね。
珍しく感情を露わにした魔王は、瞳の奥に怒りを滲ませていた。
私達は剣術大会終了後、すぐに魔王城へ集合した。反省会ならぬ……報告会をしているところだ。
剣術大会が閉会すると、生徒はその場で解散となった。二日間の休みを与えられ、その間に会場の撤収作業が行われる。問題のメインステージ崩壊についても調べるはずだが……。
ジゼルが掴んだ、施工担当者あたりで尻尾を切られるだろう。どう考えても、証拠を残しておくなんて致命的なミスはしなさそうだ。
それよりも。この連休中に、閉会式での出来事――勇者の魔王討伐の話が一気に広まるだろう。
「魔王は、あの聖剣について知っていたのですか?」
聞きにくい雰囲気ではあるが、尋ねずにはいられなかった。
ジゼルによって、ティーカップにコポコポと紅茶が注がれる。それをコクリと飲んで、魔王の返答を待つ。
「知っている………」と、魔王。
相変わらず沈黙が長い。
で、その先は? と身を乗りだしそうになるが、グッと我慢する。見かねたのか横からノアが口を出した。
「あれは、遥か昔……。混沌の時代の産物ですね。私も本物は見たことありませんが――違いますか? 我が王よ」
ノアは質問をしているというよりも、自分の中で立てた仮説の、答え合わせをしているような感じがする。
「混沌の時代って……?」
歴史の教科書にも、図書館でこの世界を調べた時にも、そんな時代は載っていなかった。
「ああ……そこからか……」
魔王は目を閉じて顎を上げると、椅子の背にもたれかかる。
……美形って、いちいち仕草が様になるわね。
「混沌の時代とは、天界、人間界、魔界が入り交じっていた時代のことだ。この世界の起源に近い。今は、其れを知る者など人間界にはいるまい。……あの剣は、その時代に作られた物だ」
「えっと……そんな大昔の剣が現れるなんて、それだけでも凄いことですよね? しかも、あんなに神々しく光っていましたし」
ゆっくりと私に顔を向けた魔王は、目を細めてため息を吐くと、もの凄く嫌そうな顔をした。
えっ、何!?
「あれは、聖なる剣ではない。真逆だ。あれは魔剣であり、刺した相手の魔力を吸うのだ」
「魔剣が……魔力を?」
「つまり、その魔剣に聖なる力が宿っているのならば、聖なる力の持ち主を刺して奪って得たもの――という事です」と、ノアは私にも理解できるように言った。
何それ、怖っ!!
「で、では……天族とか、聖女のような光属性の者が刺されたのですか?」
「そうだ」と魔王は短く答える。
「刺された人は……?」
「全ての魔力を持って行かれる」
確か、魔力持ちの場合……魔力の枯渇は死に繋がるんじゃ。あ、でも剣で刺された時点でアウトだわ。
「その人は、殺されてしまったのですか?」
「…………さてな」
魔王は言いたくないのか、フイッと顔を背けた。ノアも黙り込んでしまうし、これ以上は話してくれなさそうだ。
大昔の話だし、その時に助かっていたとしても、今はもう存在しない人なのだろう。
「はい、はーい。じゃっ、次は俺の番ね~!」とキーランが手を挙げ、明るく沈黙を破った。
あ、そうだ。確かキーランは、ミレーヌ達を追っていた。
「キーラン、進展はありましたか?」
「んー、たぶんね。ヒナが気になってる子爵令嬢のミレーヌ・オスマンだけど、彼女の正体が分かったよ。あの子、宮廷から送られた王族の監視者だね~」
「ああ、やはりそうでしたか」
……はい?
ノアは勝手に納得しているけれど。
「ちょ、ちょっと待って。監視者って生徒の中にも居るの? それに、ミレーヌは子爵令嬢でしょう?」
「常に、監視者は代わります。教師や施設内の者であったり、生徒の場合も勿論ありますね。かなり、綿密に身元は作り上げられていますから、普通に見破るのは不可能でしょう」
そうか……監視の対象は、もしかしたら国王になるかもしれない人なのだ。
国王陛下やその側近の、絶対的な信頼を得た者しか、監視者にはなれない。身分だって、国王陛下なら爵位を与えられる。取り潰しになった貴族の領地だって使えるし。
「それなら、ミレーヌって凄くない? 若いのに……完全に信用していたわ」
「さあ……年齢も本当かどうか」
「た、確かに」
「それよりも、そんな監視者がなぜ学園内で近衛騎士と接触したかです」
そんな、危ない真似をした理由を知りたいらしい。
「ああ、それね~。あの近衛騎士団の代表の人、ベアトリーチェ嬢のことを調べていたみたいだよ」
「……え?」
ティーカップを置こうとしたした手が滑り、カチャリと音を立ててしまった。
「それはどういう事ですか?」と、ノアの眉がピクリと上がる。
「あ、敵じゃないと思うよ。ヒナ、小さい頃にあの近衛と会ったんでしょ?」
キーランの問いかけに、ジゼルと顔を見合わせた。
「会ったことはあります。エルネストと初めてお茶会をした時に、護衛としてついて来ていましたから」
「私も、覚えております」
「なんか、それが忘れられないんだってさぁ」
へ……? ま、まさか幼女趣味……?
「えっとぉ、自分の不甲斐なさがどうとか……今の自分があるのはベアトリーチェ嬢のお陰だって。で、ベアトリーチェ嬢、色々あったじゃない。噂を聞いて心配していたらしいよ」
キーラン、話す順序が紛らわしいわ……。
「それで、ミレーヌに? 職権濫用ではないかしら?」
「なんか、二人はもともと知り合いみたい。それでも、エルネストについてはお互い全く触れてなかったよ。あくまで、ベアトリーチェ嬢の話だけだったし」
心配してくれるのは有り難いけれど、私まで勝手に監視されたくないわ。――正直、これ以上私を調べられてはマズいわね。
あなたにおすすめの小説
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。
長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様!
しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが?
だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど!
義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて……
もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。
「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。
しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。
ねえ、どうして? 前妻さんに何があったの?
そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!?
恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。
私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。
*他サイトにも公開しています
弟に前世を告白され、モブの私は悪役になると決めました
珂里
ファンタジー
第二王子である弟に、ある日突然告白されました。
「自分には前世の記憶がある」と。
弟が言うには、この世界は自分が大好きだったゲームの話にそっくりだとか。
腹違いの王太子の兄。側室の子である第二王子の弟と王女の私。
側室である母が王太子を失脚させようと企み、あの手この手で計画を実行しようとするらしい。ーーって、そんなの駄目に決まってるでしょ!!
……決めました。大好きな兄弟達を守る為、私は悪役になります!
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
転生令嬢、シスコンになる ~お姉様を悪役令嬢になんかさせません!~
浅海 景
恋愛
物心ついた時から前世の記憶を持つ平民の子供、アネットは平凡な生活を送っていた。だが侯爵家に引き取られ母親違いの姉クロエと出会いアネットの人生は一変する。
(え、天使?!妖精?!もしかしてこの超絶美少女が私のお姉様に?!)
その容姿や雰囲気にクロエを「推し」認定したアネットは、クロエの冷たい態度も意に介さず推しへの好意を隠さない。やがてクロエの背景を知ったアネットは、悪役令嬢のような振る舞いのクロエを素敵な令嬢として育て上げようとアネットは心に誓う。
お姉様至上主義の転生令嬢、そんな妹に絆されたクーデレ完璧令嬢の成長物語。
恋愛要素は後半あたりから出てきます。
元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち
せいめ
恋愛
侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。
病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。
また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。
「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」
無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。
そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。
生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。
マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。
「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」
三度目の人生はどうなる⁈
まずはアンネマリー編から。
誤字脱字、お許しください。
素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。
枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!
宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。
静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。
……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか?
枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと
忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称)
これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、
――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。