42 / 115
41. 胸がざわざわ?
休みが明けると――。
勇者たちは予想通り、すっかり学園のヒーローになっていた。やはり剣術大会の影響は凄まじく、知らない者はいなさそうだ。
噴水の前に立つのは、勇者と聖女と王子の三人だけど、周りには人だかりが出来ている。それは、いつか見た光景とよく似ていた。人に見られることに慣れているエルネストとは違い、その隣で戸惑いの顔のレンには少々同情するが。アリスは……何ともまぁ嬉しそうだ。
これは下手に近づかない方がいいわね、うん。
レンに協力すると言ったものの、人目を避けて会話するのはより難しくなっていた。とてもじゃないが、暫くはまめに相談とはいかないだろう。
タイミングを見計らって、聖剣についての話を聞きたいけれど……盗聴を知ってしまった今、安易な接触は控えたい。
人だかりを横目に離れると、そのまま朝の健康観察のために、保健室へ向かうことにした。
歩きながらも、レン――というか、聖剣擬きのことが頭から離れない。
レンは手に入れた聖剣を、どこに保管しているのだろうか。
もし、盗まれでもしたら……いやそれは、無いか。
魔族か闇属性の者しか触れられないなら、盗むのは到底無理だろう。今の時代に、闇属性を持つ者は希少らしいから。
レンの自室に置いているのか、将又あの宮廷魔術師が管理しているのか――。
「あの魔道具の中じゃない?」
途中から合流して、一緒に保健室までやって来たキーランは、私の疑問を聞くなりそう言った。保健室には今日もまた、遮音結界が張られている。
けれど、今朝はまだ、魔王のカルロス先生はやって来ていなかった。
「腕に着けているあれ?」
「そっ。あの魔道具、空間収納がついてるんじゃないかな。それだと、いつでも出し入れ可能だからね。あの剣のサイズなら、そこまでの容量も必要ないしね~。あっ! あと、人の視覚に作用して見た目を変える魔法も付いてたよ。この前レンが使ってた」
キーランは、ちゃっかりカルロスの椅子に座って寛ぎながら話す。
「一つの魔道具に、そんなに沢山の機能って付けられるものなの?」
「うん、出来るよ。その代わり、魔石をいっぱい使うけどね。かなり良いやつ。例えば魔族の核とか、ね」
キーランの一言で、背筋がゾクっとした。
魔剣といい、その魔道具といい、本当に魔族の核を使っているなら、多くの魔族の血が流れたということだ。高額で購入した鉱物だったらいいのだけど。
キーランの雰囲気から、たぶん核なのは間違いないのだろう。
だけど……、魔剣はかなり昔に作られた物のはず。いっそ、レンの魔道具も過去に作られた、王家に伝わる家宝的な物であってほしい。
それにしても、今のレンの魔道具を作ったのは誰なのだろうか。
「キーランて、魔法も凄いけど魔道具にも詳しいの?」
「んー……。昔、人間と暮らしたことあるからかなぁ」
深い意味もなく尋ねただけだったが、えへっと笑ったキーランの顔が一瞬憂いを帯びた気がした。
キーランはその話題に触れられたくないのか、スッと立ち上がると窓辺へ行って外を見る。
「カルロス先生、遅いねぇ。ノアと、どこか寄ってから来るって言ってたけど。う~ん、授業もあるしいったん教室に戻る?」
振り返ったキーランは、いつものホワホワした柔らかい表情に戻っている。
さっきのは、気のせいだったのかしら?
「そうね、遅刻はマズいわ」
二人がどこへ行ったのかは気になるが。取りあえず、昼休みにまた来ることにして教室へ向かった。
◇◇◇
「ささ、どうぞ。ベアトリーチェ嬢」
キーランが、茶目っ気たっぷりに伯爵令息らしく扉を開けてくれる。教室へ入ると、思いのほか雰囲気は落ち着いていた。
エルネストとレンの傍らには、なぜかアリスじゃなくロランが居て、とても楽しそうに話をしている。
思わずキーランと目配せをした。
ロランのことだから、きっと再試合をしようとか男同士で盛り上がっているのかもしれない。
「僕、聞いてくるね」と小声で言ったキーランは、ススーッと彼らに近づいて行く。
廊下に目をやれば、窓から入って来る風に銀髪をなびかせたノアが、姿勢良く歩いて来るのが見えた。
すれ違う令嬢達の、好意的な視線には目もくれない。そのクールさが、さらに隠れファンを増やすのだろう。
もっとギリギリまで、保健室に居るべきだったかしら?
あのまま保健室で待っていたら、カルロスも到着したかもしれない。まあ、どうせ昼休みに行くからいいけどね。
自席に座り、ふと窓の外を見る。
綺麗な花が咲いている園庭を歩く、白衣姿のカルロスが。とても様になっているが……。
――んんん!?
目を凝らしてよく見れば、カルロスの斜め後ろに、教室に居なかったアリスが一緒に歩いている。とっくに、学園には来ていたはずなのに。
しかも、アリスの伸ばした手は、カルロスの白衣をちょこんと摘んでいた。
先生に掴まって歩く、嬉しそうな制服姿のヒロイン。まるで、少女マンガに出てきそうな二人だ。教師と生徒ならぬ、魔王と聖女の禁断の恋が始まった――みたいな。
――チクン。
今まで感じたことのない感情に、私の胸がざわざわと……しないわね。
あの魔王はそんなにチョロくないはず。絶対に何か裏があるのだろう。遅れて来たのと関係があるのだろうか?
それにしても。アリスに白衣を掴まれているのを放置しているなんて……。不思議だわ。
結局、二人の姿が見えなくなるまで目で追ってしまった。ま、昼休みにそれも訊いてみよう。
同じ教室の中で――。
カルロスとアリスの姿を眺めていた人物が、自分の他にも居たことを、私は後から知ることになるのだった。
勇者たちは予想通り、すっかり学園のヒーローになっていた。やはり剣術大会の影響は凄まじく、知らない者はいなさそうだ。
噴水の前に立つのは、勇者と聖女と王子の三人だけど、周りには人だかりが出来ている。それは、いつか見た光景とよく似ていた。人に見られることに慣れているエルネストとは違い、その隣で戸惑いの顔のレンには少々同情するが。アリスは……何ともまぁ嬉しそうだ。
これは下手に近づかない方がいいわね、うん。
レンに協力すると言ったものの、人目を避けて会話するのはより難しくなっていた。とてもじゃないが、暫くはまめに相談とはいかないだろう。
タイミングを見計らって、聖剣についての話を聞きたいけれど……盗聴を知ってしまった今、安易な接触は控えたい。
人だかりを横目に離れると、そのまま朝の健康観察のために、保健室へ向かうことにした。
歩きながらも、レン――というか、聖剣擬きのことが頭から離れない。
レンは手に入れた聖剣を、どこに保管しているのだろうか。
もし、盗まれでもしたら……いやそれは、無いか。
魔族か闇属性の者しか触れられないなら、盗むのは到底無理だろう。今の時代に、闇属性を持つ者は希少らしいから。
レンの自室に置いているのか、将又あの宮廷魔術師が管理しているのか――。
「あの魔道具の中じゃない?」
途中から合流して、一緒に保健室までやって来たキーランは、私の疑問を聞くなりそう言った。保健室には今日もまた、遮音結界が張られている。
けれど、今朝はまだ、魔王のカルロス先生はやって来ていなかった。
「腕に着けているあれ?」
「そっ。あの魔道具、空間収納がついてるんじゃないかな。それだと、いつでも出し入れ可能だからね。あの剣のサイズなら、そこまでの容量も必要ないしね~。あっ! あと、人の視覚に作用して見た目を変える魔法も付いてたよ。この前レンが使ってた」
キーランは、ちゃっかりカルロスの椅子に座って寛ぎながら話す。
「一つの魔道具に、そんなに沢山の機能って付けられるものなの?」
「うん、出来るよ。その代わり、魔石をいっぱい使うけどね。かなり良いやつ。例えば魔族の核とか、ね」
キーランの一言で、背筋がゾクっとした。
魔剣といい、その魔道具といい、本当に魔族の核を使っているなら、多くの魔族の血が流れたということだ。高額で購入した鉱物だったらいいのだけど。
キーランの雰囲気から、たぶん核なのは間違いないのだろう。
だけど……、魔剣はかなり昔に作られた物のはず。いっそ、レンの魔道具も過去に作られた、王家に伝わる家宝的な物であってほしい。
それにしても、今のレンの魔道具を作ったのは誰なのだろうか。
「キーランて、魔法も凄いけど魔道具にも詳しいの?」
「んー……。昔、人間と暮らしたことあるからかなぁ」
深い意味もなく尋ねただけだったが、えへっと笑ったキーランの顔が一瞬憂いを帯びた気がした。
キーランはその話題に触れられたくないのか、スッと立ち上がると窓辺へ行って外を見る。
「カルロス先生、遅いねぇ。ノアと、どこか寄ってから来るって言ってたけど。う~ん、授業もあるしいったん教室に戻る?」
振り返ったキーランは、いつものホワホワした柔らかい表情に戻っている。
さっきのは、気のせいだったのかしら?
「そうね、遅刻はマズいわ」
二人がどこへ行ったのかは気になるが。取りあえず、昼休みにまた来ることにして教室へ向かった。
◇◇◇
「ささ、どうぞ。ベアトリーチェ嬢」
キーランが、茶目っ気たっぷりに伯爵令息らしく扉を開けてくれる。教室へ入ると、思いのほか雰囲気は落ち着いていた。
エルネストとレンの傍らには、なぜかアリスじゃなくロランが居て、とても楽しそうに話をしている。
思わずキーランと目配せをした。
ロランのことだから、きっと再試合をしようとか男同士で盛り上がっているのかもしれない。
「僕、聞いてくるね」と小声で言ったキーランは、ススーッと彼らに近づいて行く。
廊下に目をやれば、窓から入って来る風に銀髪をなびかせたノアが、姿勢良く歩いて来るのが見えた。
すれ違う令嬢達の、好意的な視線には目もくれない。そのクールさが、さらに隠れファンを増やすのだろう。
もっとギリギリまで、保健室に居るべきだったかしら?
あのまま保健室で待っていたら、カルロスも到着したかもしれない。まあ、どうせ昼休みに行くからいいけどね。
自席に座り、ふと窓の外を見る。
綺麗な花が咲いている園庭を歩く、白衣姿のカルロスが。とても様になっているが……。
――んんん!?
目を凝らしてよく見れば、カルロスの斜め後ろに、教室に居なかったアリスが一緒に歩いている。とっくに、学園には来ていたはずなのに。
しかも、アリスの伸ばした手は、カルロスの白衣をちょこんと摘んでいた。
先生に掴まって歩く、嬉しそうな制服姿のヒロイン。まるで、少女マンガに出てきそうな二人だ。教師と生徒ならぬ、魔王と聖女の禁断の恋が始まった――みたいな。
――チクン。
今まで感じたことのない感情に、私の胸がざわざわと……しないわね。
あの魔王はそんなにチョロくないはず。絶対に何か裏があるのだろう。遅れて来たのと関係があるのだろうか?
それにしても。アリスに白衣を掴まれているのを放置しているなんて……。不思議だわ。
結局、二人の姿が見えなくなるまで目で追ってしまった。ま、昼休みにそれも訊いてみよう。
同じ教室の中で――。
カルロスとアリスの姿を眺めていた人物が、自分の他にも居たことを、私は後から知ることになるのだった。
あなたにおすすめの小説
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。
長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様!
しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが?
だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど!
義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて……
もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。
「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。
しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。
ねえ、どうして? 前妻さんに何があったの?
そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!?
恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。
私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。
*他サイトにも公開しています
弟に前世を告白され、モブの私は悪役になると決めました
珂里
ファンタジー
第二王子である弟に、ある日突然告白されました。
「自分には前世の記憶がある」と。
弟が言うには、この世界は自分が大好きだったゲームの話にそっくりだとか。
腹違いの王太子の兄。側室の子である第二王子の弟と王女の私。
側室である母が王太子を失脚させようと企み、あの手この手で計画を実行しようとするらしい。ーーって、そんなの駄目に決まってるでしょ!!
……決めました。大好きな兄弟達を守る為、私は悪役になります!
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
転生令嬢、シスコンになる ~お姉様を悪役令嬢になんかさせません!~
浅海 景
恋愛
物心ついた時から前世の記憶を持つ平民の子供、アネットは平凡な生活を送っていた。だが侯爵家に引き取られ母親違いの姉クロエと出会いアネットの人生は一変する。
(え、天使?!妖精?!もしかしてこの超絶美少女が私のお姉様に?!)
その容姿や雰囲気にクロエを「推し」認定したアネットは、クロエの冷たい態度も意に介さず推しへの好意を隠さない。やがてクロエの背景を知ったアネットは、悪役令嬢のような振る舞いのクロエを素敵な令嬢として育て上げようとアネットは心に誓う。
お姉様至上主義の転生令嬢、そんな妹に絆されたクーデレ完璧令嬢の成長物語。
恋愛要素は後半あたりから出てきます。
元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち
せいめ
恋愛
侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。
病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。
また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。
「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」
無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。
そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。
生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。
マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。
「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」
三度目の人生はどうなる⁈
まずはアンネマリー編から。
誤字脱字、お許しください。
素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。
枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!
宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。
静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。
……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか?
枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと
忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称)
これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、
――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。