彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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クローゼットと羞恥プレイ

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そんな訳で。

無事風邪が治った俺、三澄悠太。

明日、日曜日は生徒会長様と二人きりで勉強会するの巻。

冷静に考えたらこれってデートなのかしらん……。

てっきり生徒会メンバー合同でって流れなのかと思いきやまさかの二人きり。

親切丁寧にマンツーマン!

いやこの場合マン✕ウーマンなのか……?あれ……?

まぁそんな事はこの際どうでも良いのである。

仮に、もし仮に、百歩いや千歩譲ってこれがデートだとしてだ。

相手はかの有名な学園のマドンナであり生徒会長の綾瀬波瑠である。

対して俺はどちらかと言うと陰キャであり、身長が高い以外は取り立てて優れたところもないフツメンである。

まぁせめて服装くらいはちゃんとしないとだよな……。

えっと、私服私服っと。

クローゼットを開け、俺はその場で固まる。

「は……?」

少ない。

何が少ないって私服のレパートリーがである。

「なんだよこのダサいパーカー……。

それにこのドラゴンとかドクロの柄のTシャツなんていつのだよ……。

これとかボロボロだし……汚れてるし……わ!虫食い穴まである!?」

いや……確かに生前も今くらいの時期の俺はファッションに全くもって頓着してなかった。

着れればなんでも良かったし、多少汚れててもボロボロでも気にも止めなかった。

そりゃモテないわな、うん……。

実際俺が服装にこだわり始めたのは働き始めて自分でお金を稼げるようになってからだし、それまでは自分で選びもせずに母さんが買ってきた物だけを着る言わば親の着せ替え人形だったのだ……。

こんなの……過去のトラウマをこの年でリアルに見せつけられてるような物である。

どんな羞恥プレイだよ!?

考えてみたら平日は制服と部屋着のTシャツとズボン、パジャマのローテーションだったし、そもそも私服なんて使う機会が無かった。

そんな適当な生活がこの惨事を招いた訳である。

つーかこの部屋着の状態でこの間は女子達を招いたんだよな……。

マズイ、これは非常にマズイ。

「いや待てよ……?もう恋愛したくない俺からすればこれはこれで良いのか……?

いやでもこれはさすがに……。」

「何やってんの……?お兄ちゃん……。」

なんて俺がクローゼットの前で苦悩していると、日奈美が呆れ顔で声をかけてくる。

「なぁ……日奈美。

俺ってこんなにダサかったのか……。」

「うん。」

真顔で即答されてしまった。

今の俺からすれば激しく同意だが、なんだかちょっと複雑である。

「え、もしかして気付いてくれたの……?

やっと……?」

どうしよう本当複雑過ぎて泣きそうなんだけど……!

「うん……ぶっちゃけ今すぐにでも服買いに行きたい。」

「うん、それが良いよ!本当にそう思う!」

「ひーちゃん……お兄ちゃんそろそろ泣くよ……?

本当に泣いちゃうからね?」

「あ、うん……ごめん……でも……その……」

「良い……みなまで言うな……。」

でもここで一つ問題が発生する。

「それよりどうしよう日奈美……。

こんなの漫画の中だけの話だと思ってたんだけど...服を買いに行く為の服が無い!」

「あー……。」

読者目線で言えばわざわざ服を買う為に服を用意すんのも馬鹿らしいなと思ったが、実際に自分で体験してみるとなるほど、納得である。

「そう言う事なら分かった。

私がお兄ちゃんの服を買って来る。」

「いやいやそれは……。」

お母さんの着せ替え人形を卒業した俺は進化して妹の着せ替え人形になった!

これ進化なのかしらん……。

「だからお兄ちゃんは私が買ってきた服を着て自分も自分の服を選んで、ついでに私の服も選んで。」

「えーと……つまり?」

「服を買いに行く用の服は私が用意するから、それを着て一緒に買い物をしに行こうって事。

おっけー?」

「お、おーけー。」

まぁ確かにそれは助かるけど……。

「私だってお兄ちゃんとデートしたいし……。(小声)」

「何か言ったか?」

「なんでもない!だから待ってて!」

そう言って日奈美は一度自分の部屋に戻ると、私服に着替えて戻ってきた。

ベージュの夏用ニットに黒の膝丈スカート。

頭には白のキャスケット。

「じゃ、ちょっと近くの服屋に行ってくるからお兄ちゃんは待ってて!」

そのまま慌ただしく出て行く日奈美。

行っちまった……。

一体どんなのを買ってきて……。

「ただいま!」

「いやはやっ!?」

「ま、大体何買うかは決めてたから。」

日奈美が買ってきたのはシンプルな白無地のTシャツに水色のジーンズだ。

無難なチョイスって言えば無難なチョイスではあるが……。

まぁクローゼットにあるやつよりは全然マシか……。

「どっちも汚れたら目立つけど逆にそれを綺麗に着こなしてる人って清潔感がある人だから女子からしたら好印象だよ。」

「なるほど。」

「少なくともボロボロで汚い服を着てるより全然マシ!」

分かってるんだけどさぁ……!?

ちょっとこれからは真面目に考えようかしらん……。

「実際それで明日行っても良いとは思うけどちゃんと自分でも選びたいでしょ?」

「ま、まぁな。」

と、言う訳で~レッツショッピング!ヤッハー!

気分は異国語を操る多刀流戦国大名である。

さて、大手ショッピングモールオゾンにやってきた俺達。

ちなみに日奈美が母さんに話すと、母さんもめちゃくちゃ驚いたし喜んでくれてその為のお小遣いもくれました。

やっぱり複雑……。

まぁそれはそれとして……。

「ひーちゃん?お手々繋ぐ必要ある?」

「土曜日で人多いし迷子になったら大変じゃん。」

「あぁなるほど。」

「うん、お兄ちゃんが。」

いや俺かいw!

それにしたって……。

「何?」

「いや……。」

これ……恋人繋ぎ……だよな。

最初俺がそれを知ったのも、初めてした相手も瑞穂だった。

その後は美江ともしたし、宏美は長くやると痛がって普通に繋いでたっけな。

それももう随分昔の事の様に思える。

それがまさか……次は日奈美と……現世では違うけど実の妹と恋人繋ぎをする時が来るなんて……。

誰が予想しただろう。

いや……本来有り得るはずが無かった。

こんな状況を意図して作った奴がいるとしたらそんなの相当な妄想こじらせ野郎である。

「ほーら、早く行こっ!」

そう言って日奈美が強く手を引いてくる。

まぁ、そんな妄想こじらせ野郎にも少しくらいは感謝してやっても良いかもな……。

こんな嬉しそうな日奈美を間近で感じる事が出来るのだから。

と言う訳でやって来たのは大手服屋チェーン店ウニクロ。

リーズナブルかつ幅広い品揃えで世代を問わず愛用されている。

「お、このシャツ良いな。」

紺色の夏らしい涼し気な素材の半袖シャツ。

「お、お兄ちゃんが本当に自分でちゃんと服を選んでる……!

それに全然センスも悪くない……!」

「ま、まぁ俺もちょっとは勉強したからな……。」

「あ、ねぇねぇ。

この花柄のワンピースとかどうかな?

私にはちょっと派手すぎるかなぁ。」

「日本一可愛いと思う。」

「ふぁ……!?じゃ、じゃあ……この紺のロングスカートは?」

「世界一可愛いと思う。」

「ふぇっ!?な、ならこのニットとシャツの重ね着は……。」

「宇宙一可愛いと思う。」

「真面目にやってる……?」

怒られた。

事実なんだけどなぁ……。

「いや、どっちもひーちゃんが着たら似合うと思うぞ。

ニットとシャツの重ね着と紺のロングスカートも合わせたら良い感じになりそうだしやっぱり日奈美センスあるって。

そっちの花柄のワンピースは清楚な印象を受けてそれも日奈美のイメージにバッチリ合ってて「ちょ……ちょっと待ってストップ!」ほ?」

「急にそんな捲し立てるように褒められたら照れるから!」

言いながら顔を真っ赤にする日奈美。

反応が一々可愛いなぁ……。

本当幾らでも愛でてられるわ……。

そんなこんなで、俺達のショッピングは他の店にも行ったりと外が薄暗くなるまで続くのであった。
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