彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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自立と前進

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「おぉ...!」

無事会長の親戚が所有してる島に辿り着いた面々は、そのプライベートビーチスペースと
別荘に驚かされる事となった。

二階建ての別荘で、二階には海がよく見える位置に広めのバルコニーがある。

「さ、入って。」

ハルたん会長に促され全員が中に入る。

これだけの人数が同時に入ってもちっとも狭さを感じない広々とした玄関。

「皆の部屋は二階にあるから。

シャワールーム、トイレは各部屋にあるし、1回には大浴場もあるから好きな方を使って。」

「マジかよ...。

そこまで行くともはや別世界の荘……なるほど、だから別荘か……。」

「そう言う意味じゃないと思うけど……。」

ハルたん会長に呆れられた。

えぇ...上手い事言ったつもりだったのに...。

「とりあえず各自部屋に荷物を置いて来て。

準備が出来たらまたここに集合。

その後は……皆分かってる?」

「そりゃあもう!」

皆考えてる事は一緒らしい。

今か今かとその時を待ちわびているようである。

「綺麗な海、砂浜、そして広い別荘と来たら!

勉強でしょ!」

「え?」

これには会長、千鶴さん、アナさん以外が拍子抜けした表情。

「え?言ったでしょ?勉強合宿だって。」(会長)

いや、確かに言ってましたけども!

「流れ的にふつうにこの後泳ぐのかと思ったんだけど!?」

と、瑞穂。

「私は別にどっちでもいいけど...。」

対して興味が無さそうに言う宏美。

「今日の為に小テストも作って来てるからそのつもりでね?」

「マジかよ!せっかく死ぬ思いで補習を乗り切ったのに、、、」

嘆く秋名たん。

確かに俺は合宿期間中は免除って言う約束が会長から成された訳だが、秋名たんには別にそんな約束無かったよなぁ。

と言う事は自力で乗り切ったと言う事である。

秋名たんもやれば出来る奴なんだよなぁ、実際。

なら最初からやれって話だけどそれは俺も人の事言えないからなぁ...。

「まぁまぁ、ハルたん会長。

勉強はいつでも出来るけど海で遊ぶのは明るい時間帯の方が安全だろ?」

「むっ...一理あるわね...。」

見かねてそう言うと、ハルたん会長はそう返しながら渋い顔をする。

「お勉強も大事ですがせっかくの合宿ですから少し羽目を外す時間があっても良いのではないですかぁ?」

と、俺に続いて千鶴さんが諭す。

「まぁ...先生がそう言うなら...。」

「なんだかんだハルたんって悠太に甘いよね~。」

「何か言った?瑞穂。」

「なんでもありませんっ!」

と、言う訳で。

「プライベートビーチにはシャワールーム件更衣室があるから着替えはそこでも良いし部屋からでも良いから。」

見ると、確かに広い砂浜の先には小屋の様な物が二つある。

「それじゃ、着替えたらこの辺りで合流と言う事で。

準備出来たらそこにパラソルがあるから男子達で設置しておいて。」

「りょーかい。」

と、言う訳で一同はそれぞれ更衣室に移動する。

きちんと男性用女性用で分けられた二つの更衣室件シャワールームの小屋に入る。

「いや~今年の夏は最高だな、悠ちゃん!

可愛い子達の水着姿を見ながら海で遊べるんだぜ!」

「お前、日奈美の水着姿見ようとしたら目潰しな。」

「シスコンが過ぎるwww」

「そ、それは僕も気をつけないと...。」

「あぁ、智君は許す。

イケメンだし。」

「暴論が過ぎるwww扱い違い過ぎんだろw」

なんて軽口を叩き合いながら手早く着替えを済ませて外に出る。

そう言えばこうして水着姿になる機会も大人になると随分減ったように思う。

まして海水浴なんて本当に小さな時に行った記憶しかない。

「確かパラソルの準備を頼まれてたよな。」

「女性陣はまだみたいだし来る前に準備しちゃおうか。」

智成がそう先導し、早速準備に取り掛かる。

「ん?」

と、視界の端にポツンと一人座り込む人影が見えた。

秋名たんと智成は気付いてないみたいだが...。

「わり、ちょっと忘れ物。」

「おう、すぐ戻って来いよー。」

手短にやり取りを交わしてからそいつに近付く。

「何やってんの?宏美。」

「げっ...。」

木陰で座り込んでいた宏美は、俺がそう声を掛けると露骨に顔を顰める。

「別に...ちょっと日陰で休憩してただけだし。」

「他の奴らは着替えに行ったのにか?」

「そうみたいだね。」

「まさか、水着忘れたとか?」

「ち、違うから!最初から泳ぐつもりなかったし...。」

水着を持ってきていないと言うのは否定しないらしい。

うーん、このまま放置すんのもなぁ。

とりあえず俺も隣に座る。

「なぁ。」

「何...?てかなんで隣に座って……。」

「お前さ、最近は自分で起きれてんのか?」

「はぁ!?ば、馬鹿にしないでよね!?

わ、私だってその気になれば!」

「本当は?」

「...たまに寝坊する。」

「相変わらず駄目じゃねぇか...。」

「で、でもたまにだから!

1ヶ月に一回とか!」

「本当は?」

「...1週間に2回くらい...。」

「だろうなと思った。」

「むぅ...。」

拗ねた。

実際コイツ……学校では真面目な優等生キャラをやってるが、それがコイツの本来の姿じゃない事を俺は知ってる。

普段のコイツはいわゆる典型的なズボラ女子だ。

一度寝転がったらテコでも動かない。

そして俺がこう質問したから分かるように朝がとてつもなく弱い。

実際、付き合ってた時は俺がよく朝起きるまで電話していたぐらいだ。

なら早めに寝ろよと言う話だが、この女……夜更かし族なのである。

俺は割と平日は早めに寝る派だが、こいつの場合平日でも日を跨ぐ時間帯までは余裕で起きてる。

大体大好きな漫画や、イケメンな推しキャラのゲームをニヤニヤしながらプレイしてたりと中々寝ない。

「てっきり昨日も普通に夜更かししててろくに荷物確認もせずに来たのかと思ったんだが。」

「し、失礼な!ちゃんと確認したから!

昨日もちゃんと早く寝たし!」

「本当は?」

「...2時くらい...。」

「相変わらずじゃないか...。」

「う...うるさいな!前よりはその...マシになったから!」

なぁんか嘘っぽいなぁ...。

「あ、胡散臭いって顔してる!」

「いやそりゃ気になるだろ...。

付き合ってた時のお前を見てたら。」

「だから...もう心配ないってば!

悠君が居なくても私はもう大丈夫なの!」

「そうか...そうだよな。」

実際そうする事を望んだのは彼女だ。

そして結果はともかく...。

彼女は俺と別れる事で自立する道を選んだ。

今彼女は変わろうとしている。

少しずつだけど確実に。

そこには俺が入る余地なんかない。

もう今の彼女に俺は必要ないのだ。

なら俺もコイツが居なくても前を向いて行かなくちゃいけないよなぁ。

親になるといつか必ず来る、子離れしていく娘の門出を見送るような複雑な感情。

いや親になった事ないから知らんけど……。

兎に角あれだけ手のかかった彼女が今は自分の足で歩きだそうとしているのだ。

なら俺はそれを見送るしかない。

その時に感じる少しの寂しさも、いつかは良かったと思える日が来るのだろうか。
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