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星の降る丘へ
第7話 患う森
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第7話 患う森
☆前回のあらすじ
アミィは星の巫女の果たすべき使命とは星のエネルギーを分け与えてもらい、この惑星を救うことなのだと言った
目的を見据えた一行は旅を始める
「ここだここだこの森だ」
アミィが向こうに見えた森を指さす
でもその森は…
「ねぇアミィ…あれは…森だわよね?」
「そう…なんだけどね」
その森は森というにはあまりに廃れていた
木々はその葉を枯らし木の実どころか花ひとつもない
「これじゃあ枯れ木のトンネルって感じだね…」
「でもどうしてこんな場所に目的地が…?」
「まあま、とりあえずこのまま進んでみよっか」
私たちは枯れ木の森に足を踏み入れた
ちりり…
「え…?」
森に足を踏み入れた時、ヘンな音が聞こえたかとおもったら、私たちは森にいた
いや、森に入ったのだから森にいたってのは間違ってないんだけどね
そこは自然豊かで緑生い茂る森なのだった
「いやいやいやいやちょっと待って」
「なになになに?!どういうこと?!」
「あ~これは、魔法だね~」
「なに?魔法って割と一般的なものなの?!」
「なかなか使うことはできないんだけどねほんとは
でも森に結界を張るなんて…よほどの実力者だよ」
「それって、やっぱり私たちのように使命を持ってるってことなの?」
「う~ん、そうじゃない場合もあるよ
魔法ってのは、認識されていないだけで実は身の回りにあるものだから」
「それで…この魔法は大丈夫なの?
何かの罠?」
「今のところ害はなさそうだけどね」
「ちょっと森を出てみようか」
私たちは森の外へ出て振り返った
「あ、やっぱり」
そこにはさっきの廃れた森があった
「うーん、どうして森を隠しているんだろう」
「いや、これは別に隠してなんかいないさ」
「どういうこと?」
「もう1回森に入ってみようよ」
アミィに言われるまま森に入る
「じゃああの川まで行こう」
アミィは森の奥に流れる川を指さす
「いいけど…」
川につくと、アミィは近くの石を拾ってきて川に投げた
すると、川の水は波紋も起こさずにその石を飲み込んだ
「え…?」
「今なんか変じゃなかった?」
「そう、これは幻覚さ
夢を見ているのさ
この森は」
「夢…?」
「そう
この森は既に生命が尽きかけてる
でも誰かが魔法で豊かだった頃の姿を映しているのさ」
「でも誰がそんな…」
「ねぇ、いるんでしょ?
ごめんね、ボクは幻覚を遮ることができるんだ
そこの木の上
ほんとは葉っぱなんてないからボクには丸見えだよ」
アミィが視線を向けた木の上で物音がした
「キミはこの森に生きて、この森で死にたいのかい?」
「そう…」
不思議な声がきこえた
「いつからか水が少なくなり…森はひからびた…
あたしはまだなんとか暮らせているが
この森は耐えられなかった
姿を変えていくあたしの故郷に
あたしは耐えられなかった
だからあの日々を映したまま
この森は眠っているの」
「でもキミは思い出に埋もれたまま思い出に死ぬんだよ」
「それでいい
もうおわりは近いんだから…」
「…そう、やっぱりキミも感じるんだね」
「魔法を知るものは世界を知る
この森はやがてこの惑星の辿る末路
全てがこうなって
そして、終わる」
「そうじゃないって言ったら?」
「気休めだ
お前も見えるのだろう
この惑星の終わりが」
「うん
だけどね
それを取り消す方法だって
知ってるんだよ」
「戯言だ
この惑星はもう干からびている
今に緑色すらなくなって
ただの茶色の塊になる 」
「そうならないようにするんだよ」
「だから…その方法がないのだ…」
「ううん、ある
この惑星には、ないけどね」
「ま…まさか…?」
「そう
星の巫女なんだ
この子は」
「…実在したのか…星を継ぐ子…」
「唯一の希望さ…この子は」
「ね…ねぇ…よくわかんないんだけど…」
「…知らんのか
この子は」
「……まだ最後までは」
「ちょっ!ちょっとどういうこと?!あの時話したんじゃないの?!」
「まだその時じゃない…って言いたいところだけど
ボクももうルナのことを信じて言うことにするよ」
「アミィ…ありがとう」
「あのねルナ
キミにはこの惑星を救う使命があるって言ったでしょ?」
「うん」
「それと同時にキミは、最後の審判をしなくちゃいけないんだ」
「最後の…審判?」
「キミがこの惑星にチカラを入れるとだね
…結論から言うと…
大半の生命は1度還元される」
「それって……死ぬってこと…?」
「……そうだ」
「だからねルナ…キミには世界を救って欲しいけど…キミがそうするかどうかは最後にキミがどっちを選ぶか次第でもあるんだよ」
「そんなの…」
「そうだよね
死ぬのはキミかもしれないしキミの友達かもしれない
無関係の生物もたくさん死ぬだろうね
でも決断しなくちゃ結局みんな死んじゃうんだけど…でもでもキミたちが生きていられるまではこの惑星ももつかもしれない」
「いうなれば…この惑星の未来か…あんたらの今か…ってことだな」
「それを担うのは他でもないキミだ
ボクはキミを導かなくてはならないけれど
それを最後に決めるのは他でもないキミなんだ」
「でも…やっぱりそれをきくと、私はギセイにしなくちゃいけないと思うわ」
「ルナ…」
「ねぇサン…あなたと出会えて私幸せだわ
でももし、もしこの決断で別れてしまっても
あなたは許してくれる?」
「もちろんさルナ
僕もキミと出会えて良かったと思っているから
別れてしまったら悲しいけれど
この惑星が助かるのなら
僕らだけ助かりたいなんて都合がいい話だよね」
「そう…だよね…」
「…ルナは…やっぱりまだ捨てきれないの…?」
「そんなこと…ないわ…
でも…私はただ、お母さんを探しに来ただけなのに…」
「ルナ…ごめん…ボクもちょっと唐突すぎたよね
だから段階を踏もうとしたんだけど…変に隠すべきじゃなかったね」
「ルナ…」
私は泣いた
泣いてどうにかなるわけではないけれど
それがわかっていても泣いた
「…ちょっと…休もうか」
「星の巫女…あたしからも祝福を捧げるよ」
木の上からその子が降りてきた
琥珀を吊った木の蔓のネックレスをした
黄色い瞳の茶色の毛色の子だった
「あたしはユリィズ
あなたはルナね
先程はすまなかった」
ユリィズが私の頭を撫でた
「ルナ
あなたにお願いする
この森のようなセカイにならないように
だから…」
「ユリィズ…?まさか…?!」
ユリィズは琥珀のネックレスをはずした
「ルナ…目を…閉じてくれないか?」
「ん…こう…?」
私が目を閉じると、首に蔓をかけられた気がした
「これって…」
「これはこの森の生命の証
あたしが授かったキセキ
さぁ、目を開けて」
私が目を開けると、そこには森はなかった
ただ荒れ果てた枯れ木が並んでいた
「森が…」
「いいのよ…あたしもこの森も
もう終わりに向かうだけ
チカラは少しでも多い方がいい
だからルナ…あなたが終わらせて…
そして、始まりを告げて」
「ユリィズ…」
「そう…あたしもこの森と生きて…この森と死ぬの」
そう言ったかと思うとユリィズは、胸元で手を組み合わせた
「ルナ…あたし、あなたが来てくれて本当によかった」
ユリィズは眠るように目を閉じた
そして何かを呟いた途端
その身体は足元から光になっていった
「ユ…ユリィズ…?!」
「ユリィズは…ルナに全部を託したんだ」
「それってどういう…?」
光になったユリィズが私の首元のネックレスに飛び込んできた
琥珀の中に光が集まり、宝石は輝きを増した
「ユリィズは魔力と生命力を全部その琥珀に注ぎ込んだんだよ」
「じゃあユリィズは…」
「……うぅん、そうじゃない
…そうじゃないんだ
彼女はその琥珀の中で、ボクらと旅をするんだ
話すことはできなくても…想いはいつもそこにある」
「ルナ…僕にもできること、わかったよ
僕は最後までキミと一緒にいる
この先こんなことが何度もあるかもしれないけれど
僕はキミが最後の決断をするときまで
決して別れはしないから
だから…泣かないで」
「……うん
…行こっか
サン
アミィ
…ユリィズ」
☆前回のあらすじ
アミィは星の巫女の果たすべき使命とは星のエネルギーを分け与えてもらい、この惑星を救うことなのだと言った
目的を見据えた一行は旅を始める
「ここだここだこの森だ」
アミィが向こうに見えた森を指さす
でもその森は…
「ねぇアミィ…あれは…森だわよね?」
「そう…なんだけどね」
その森は森というにはあまりに廃れていた
木々はその葉を枯らし木の実どころか花ひとつもない
「これじゃあ枯れ木のトンネルって感じだね…」
「でもどうしてこんな場所に目的地が…?」
「まあま、とりあえずこのまま進んでみよっか」
私たちは枯れ木の森に足を踏み入れた
ちりり…
「え…?」
森に足を踏み入れた時、ヘンな音が聞こえたかとおもったら、私たちは森にいた
いや、森に入ったのだから森にいたってのは間違ってないんだけどね
そこは自然豊かで緑生い茂る森なのだった
「いやいやいやいやちょっと待って」
「なになになに?!どういうこと?!」
「あ~これは、魔法だね~」
「なに?魔法って割と一般的なものなの?!」
「なかなか使うことはできないんだけどねほんとは
でも森に結界を張るなんて…よほどの実力者だよ」
「それって、やっぱり私たちのように使命を持ってるってことなの?」
「う~ん、そうじゃない場合もあるよ
魔法ってのは、認識されていないだけで実は身の回りにあるものだから」
「それで…この魔法は大丈夫なの?
何かの罠?」
「今のところ害はなさそうだけどね」
「ちょっと森を出てみようか」
私たちは森の外へ出て振り返った
「あ、やっぱり」
そこにはさっきの廃れた森があった
「うーん、どうして森を隠しているんだろう」
「いや、これは別に隠してなんかいないさ」
「どういうこと?」
「もう1回森に入ってみようよ」
アミィに言われるまま森に入る
「じゃああの川まで行こう」
アミィは森の奥に流れる川を指さす
「いいけど…」
川につくと、アミィは近くの石を拾ってきて川に投げた
すると、川の水は波紋も起こさずにその石を飲み込んだ
「え…?」
「今なんか変じゃなかった?」
「そう、これは幻覚さ
夢を見ているのさ
この森は」
「夢…?」
「そう
この森は既に生命が尽きかけてる
でも誰かが魔法で豊かだった頃の姿を映しているのさ」
「でも誰がそんな…」
「ねぇ、いるんでしょ?
ごめんね、ボクは幻覚を遮ることができるんだ
そこの木の上
ほんとは葉っぱなんてないからボクには丸見えだよ」
アミィが視線を向けた木の上で物音がした
「キミはこの森に生きて、この森で死にたいのかい?」
「そう…」
不思議な声がきこえた
「いつからか水が少なくなり…森はひからびた…
あたしはまだなんとか暮らせているが
この森は耐えられなかった
姿を変えていくあたしの故郷に
あたしは耐えられなかった
だからあの日々を映したまま
この森は眠っているの」
「でもキミは思い出に埋もれたまま思い出に死ぬんだよ」
「それでいい
もうおわりは近いんだから…」
「…そう、やっぱりキミも感じるんだね」
「魔法を知るものは世界を知る
この森はやがてこの惑星の辿る末路
全てがこうなって
そして、終わる」
「そうじゃないって言ったら?」
「気休めだ
お前も見えるのだろう
この惑星の終わりが」
「うん
だけどね
それを取り消す方法だって
知ってるんだよ」
「戯言だ
この惑星はもう干からびている
今に緑色すらなくなって
ただの茶色の塊になる 」
「そうならないようにするんだよ」
「だから…その方法がないのだ…」
「ううん、ある
この惑星には、ないけどね」
「ま…まさか…?」
「そう
星の巫女なんだ
この子は」
「…実在したのか…星を継ぐ子…」
「唯一の希望さ…この子は」
「ね…ねぇ…よくわかんないんだけど…」
「…知らんのか
この子は」
「……まだ最後までは」
「ちょっ!ちょっとどういうこと?!あの時話したんじゃないの?!」
「まだその時じゃない…って言いたいところだけど
ボクももうルナのことを信じて言うことにするよ」
「アミィ…ありがとう」
「あのねルナ
キミにはこの惑星を救う使命があるって言ったでしょ?」
「うん」
「それと同時にキミは、最後の審判をしなくちゃいけないんだ」
「最後の…審判?」
「キミがこの惑星にチカラを入れるとだね
…結論から言うと…
大半の生命は1度還元される」
「それって……死ぬってこと…?」
「……そうだ」
「だからねルナ…キミには世界を救って欲しいけど…キミがそうするかどうかは最後にキミがどっちを選ぶか次第でもあるんだよ」
「そんなの…」
「そうだよね
死ぬのはキミかもしれないしキミの友達かもしれない
無関係の生物もたくさん死ぬだろうね
でも決断しなくちゃ結局みんな死んじゃうんだけど…でもでもキミたちが生きていられるまではこの惑星ももつかもしれない」
「いうなれば…この惑星の未来か…あんたらの今か…ってことだな」
「それを担うのは他でもないキミだ
ボクはキミを導かなくてはならないけれど
それを最後に決めるのは他でもないキミなんだ」
「でも…やっぱりそれをきくと、私はギセイにしなくちゃいけないと思うわ」
「ルナ…」
「ねぇサン…あなたと出会えて私幸せだわ
でももし、もしこの決断で別れてしまっても
あなたは許してくれる?」
「もちろんさルナ
僕もキミと出会えて良かったと思っているから
別れてしまったら悲しいけれど
この惑星が助かるのなら
僕らだけ助かりたいなんて都合がいい話だよね」
「そう…だよね…」
「…ルナは…やっぱりまだ捨てきれないの…?」
「そんなこと…ないわ…
でも…私はただ、お母さんを探しに来ただけなのに…」
「ルナ…ごめん…ボクもちょっと唐突すぎたよね
だから段階を踏もうとしたんだけど…変に隠すべきじゃなかったね」
「ルナ…」
私は泣いた
泣いてどうにかなるわけではないけれど
それがわかっていても泣いた
「…ちょっと…休もうか」
「星の巫女…あたしからも祝福を捧げるよ」
木の上からその子が降りてきた
琥珀を吊った木の蔓のネックレスをした
黄色い瞳の茶色の毛色の子だった
「あたしはユリィズ
あなたはルナね
先程はすまなかった」
ユリィズが私の頭を撫でた
「ルナ
あなたにお願いする
この森のようなセカイにならないように
だから…」
「ユリィズ…?まさか…?!」
ユリィズは琥珀のネックレスをはずした
「ルナ…目を…閉じてくれないか?」
「ん…こう…?」
私が目を閉じると、首に蔓をかけられた気がした
「これって…」
「これはこの森の生命の証
あたしが授かったキセキ
さぁ、目を開けて」
私が目を開けると、そこには森はなかった
ただ荒れ果てた枯れ木が並んでいた
「森が…」
「いいのよ…あたしもこの森も
もう終わりに向かうだけ
チカラは少しでも多い方がいい
だからルナ…あなたが終わらせて…
そして、始まりを告げて」
「ユリィズ…」
「そう…あたしもこの森と生きて…この森と死ぬの」
そう言ったかと思うとユリィズは、胸元で手を組み合わせた
「ルナ…あたし、あなたが来てくれて本当によかった」
ユリィズは眠るように目を閉じた
そして何かを呟いた途端
その身体は足元から光になっていった
「ユ…ユリィズ…?!」
「ユリィズは…ルナに全部を託したんだ」
「それってどういう…?」
光になったユリィズが私の首元のネックレスに飛び込んできた
琥珀の中に光が集まり、宝石は輝きを増した
「ユリィズは魔力と生命力を全部その琥珀に注ぎ込んだんだよ」
「じゃあユリィズは…」
「……うぅん、そうじゃない
…そうじゃないんだ
彼女はその琥珀の中で、ボクらと旅をするんだ
話すことはできなくても…想いはいつもそこにある」
「ルナ…僕にもできること、わかったよ
僕は最後までキミと一緒にいる
この先こんなことが何度もあるかもしれないけれど
僕はキミが最後の決断をするときまで
決して別れはしないから
だから…泣かないで」
「……うん
…行こっか
サン
アミィ
…ユリィズ」
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