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3章:マトの人生
第27話 根鳥常史(4)
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「それじゃ。山本さん。また近いうちに会社で。こっちは頑張る。気持ちの整理がつくまで、無理に出社しなくていいからね」
服を整え、後始末をして、俺は出て行った。
バタン。
最後はちょっと不愉快だったが、おおむね最高だった。
例の件も、上書きすれば問題ないさ。
いずれ「つねふみさん、大好き」「つねふみさん、愛してます」「つねふみさん、孕ませてください」って言うようになるに決まってる。
一時のことで全部おじゃんにするのは馬鹿のやることさ。
1年頑張ったんだ。もうちょっとだ。もうちょっと、頑張ろう。
俺は家路につきながら、最高の未来を想像して滾った。
……あ、そうだ。
次の日、栄田にお礼の電話を入れてないのに気付いた。
だめじゃん。ズッ友なのに。
タダ働きさせといて、お礼なしは無いよな。
ちょうど昼休みだったので、傍にいた女の子の一人に「ちょっと個人的な話するから、研究棟の屋上に行く。よっぽどのことが無い限り呼ばないで」と言い残し、オフィスを出た。
さーて。
害虫2匹駆除代金の100万は振り込んでるわけだけど。
やっぱここは、おもてなしの心だよな。
栄田のやつ、刺身と日本酒好きだから、それが美味い店に連れてってやるか。
金じゃないんだよな。お心遣い。
あいつが喜ぶ顔、楽しみだ。
そうこうしているうちに、研究棟の屋上についた。
昇降口に鍵をかけ、侵入不可にする。
そして、スマホを操作し、栄田に電話を掛ける。
数コールで、出た。
『やっほー、つねちゃん。いい仕事だったでしょ? 最近はさ、電子制御の車増えてるから、ボクの仕事やりやすいんだよねー』
栄田は電子機器類をリモコンも使わずに遠隔操作できる能力があるらしく、それで仕事をしているんだとか。
主に、事故死を装う形で。
なんとも、すごい奴。さすが俺のズッ友。
「うん……ありがとうな。害虫退治2匹、助かったわ」
『どう? 首尾は?』
「おかげさんで、イケそうだよ。ヤレたし。まぁ、キスは拒否されたのが引っかかるけど、時間の問題だろ」
本当は、当て馬にもされたんだけど、そこは黙っとく。
さすがにズッ友にも言えない。悔しい。
『避妊はしたの? 中出しじゃないよね?』
「避妊……? もちろんしたよ。今、孕ませたらどっちの子かわかんないじゃん」
『だよねー。で、ゴムの品質ケチってたりしないよね? 安いのだと意味なかったりするよ?』
「ああ、無論スゲー高いのを準備したさ。だから彼女の腹がでかくなったら、今は確実に害虫の子」
『そのときは、ボクの出番だよね?』
「そんときは、また、よろしくな。もつべきものは友達だよなー。結婚式には来てくれな」
タタタタタ
ん?
下で、誰か走ったような……?
気のせいか?
『どったの?』
「なんでもない。ところでさ、明日、時間あるか? お前を労いたくて、日本酒と刺身が美味い店、調べたんだよ……」
服を整え、後始末をして、俺は出て行った。
バタン。
最後はちょっと不愉快だったが、おおむね最高だった。
例の件も、上書きすれば問題ないさ。
いずれ「つねふみさん、大好き」「つねふみさん、愛してます」「つねふみさん、孕ませてください」って言うようになるに決まってる。
一時のことで全部おじゃんにするのは馬鹿のやることさ。
1年頑張ったんだ。もうちょっとだ。もうちょっと、頑張ろう。
俺は家路につきながら、最高の未来を想像して滾った。
……あ、そうだ。
次の日、栄田にお礼の電話を入れてないのに気付いた。
だめじゃん。ズッ友なのに。
タダ働きさせといて、お礼なしは無いよな。
ちょうど昼休みだったので、傍にいた女の子の一人に「ちょっと個人的な話するから、研究棟の屋上に行く。よっぽどのことが無い限り呼ばないで」と言い残し、オフィスを出た。
さーて。
害虫2匹駆除代金の100万は振り込んでるわけだけど。
やっぱここは、おもてなしの心だよな。
栄田のやつ、刺身と日本酒好きだから、それが美味い店に連れてってやるか。
金じゃないんだよな。お心遣い。
あいつが喜ぶ顔、楽しみだ。
そうこうしているうちに、研究棟の屋上についた。
昇降口に鍵をかけ、侵入不可にする。
そして、スマホを操作し、栄田に電話を掛ける。
数コールで、出た。
『やっほー、つねちゃん。いい仕事だったでしょ? 最近はさ、電子制御の車増えてるから、ボクの仕事やりやすいんだよねー』
栄田は電子機器類をリモコンも使わずに遠隔操作できる能力があるらしく、それで仕事をしているんだとか。
主に、事故死を装う形で。
なんとも、すごい奴。さすが俺のズッ友。
「うん……ありがとうな。害虫退治2匹、助かったわ」
『どう? 首尾は?』
「おかげさんで、イケそうだよ。ヤレたし。まぁ、キスは拒否されたのが引っかかるけど、時間の問題だろ」
本当は、当て馬にもされたんだけど、そこは黙っとく。
さすがにズッ友にも言えない。悔しい。
『避妊はしたの? 中出しじゃないよね?』
「避妊……? もちろんしたよ。今、孕ませたらどっちの子かわかんないじゃん」
『だよねー。で、ゴムの品質ケチってたりしないよね? 安いのだと意味なかったりするよ?』
「ああ、無論スゲー高いのを準備したさ。だから彼女の腹がでかくなったら、今は確実に害虫の子」
『そのときは、ボクの出番だよね?』
「そんときは、また、よろしくな。もつべきものは友達だよなー。結婚式には来てくれな」
タタタタタ
ん?
下で、誰か走ったような……?
気のせいか?
『どったの?』
「なんでもない。ところでさ、明日、時間あるか? お前を労いたくて、日本酒と刺身が美味い店、調べたんだよ……」
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